日経平均は3日ぶり反落。5日の米株式市場でダウ平均は129ドル安と反落。深刻な景気後退懸念から欧州株安を引き継いで下落スタート。原油価格の急落もあり、ダウ平均は終日軟調に推移。ただ、米長期金利の大幅低下を背景にハイテク株に買いが入ったことで下げ渋った。ナスダック総合指数は+1.74％と続伸。欧州株の急落やダウ平均の下落を引き継いで日経平均は233.07円安からスタート。一時下げ渋る動きも見られたが、ダウ平均先物が下落に転じたことで再び売りが膨らみ、26000円割れを窺う水準まで下落。心理的な節目近くまで下落したことで午後は目先の売り一巡感が台頭し、今晩の米6月ISM非製造業景気指数や米連邦公開市場委員会（FOMC）議事録の公表を前に、短期筋の買い戻しから下げ渋った。ただ、アジア市況が大幅に下落するなか上値は重かった。
大引けの日経平均は前日比315.82円安の26107.65円となった。東証プライム市場の売買高は13億8915万株、売買代金は3兆0752億円だった。セクターでは鉱業、石油・石炭、保険が下落率上位となった一方、医薬品、精密機器、海運が上昇率上位となった。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の70％、対して値上がり銘柄は28％となった。
個別では、原油価格の急落を受けてINPEX、石油資源開発、コスモエネHDが急落。コモディティ価格も全般下落しており、住友鉱山、日本製鉄の市況関連株のほか、三井物産、三菱商事の商社株、三菱重工、IHIの防衛関連なども軒並み大幅安。前日急伸していた東邦チタニウムも急反落。トヨタ自、マツダの自動車関連も総じて売り優勢。米長期金利の大幅低下で三菱UFJ、第一生命HDも厳しい下げとなった。連日急伸していた東京電力HDも利食い売りから急落。3-5月期業績の増益率鈍化などから出尽くし感が先行したエスプールは急落し、東証プライム市場の値下がり率上位にランクイン。ソニーＧは外資証券のレーティング格下げが観測された。
一方、レーザーテック、キーエンスのほか、市況関連株では郵船、川崎汽船の海運が逆行高。米金利低下やナスダック高を追い風にベイカレント、エムスリー、SHIFTなどのグロース（成長）株が総じて大幅高。東証プライム市場の値上がり率上位にはラクス、Sansan、SREHDの中小型グロース株が多く入った。業績予想を上方修正したラクトジャパンが急伸し、値上がり率トップとなった。記念配当の実施を発表したキューブシステムも急伸。決算が好感されたところではウエルシアHD、ハニーズHDが大幅に上昇した。エーザイはアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」に関するリリースを受けて大幅に上昇した。