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ソニー生命、170億円の横領被害も暗号資産高騰&円安で222億円の返還に。逮捕された元社員には「イーロンマスクより優秀」とその相場観を高く評価する声が殺到

ソニー生命の海外子会社の口座から170億円を詐取し、それを暗号資産に変えていたという不正送金事件を巡り、その返還額が被害金額を大きく上回る約222億円となることが分かったと報じられている。

同社のリリースによると、アメリカにおいて正当な権利者に返還するための司法手続が進められていたが、今月12日にカリフォルニア州南部連邦地方裁判所より、同社海外子会社への返還を認める旨の判決があったとのこと。

ところが、不正送金された資金が暗号資産に変えられた後に、それが値上がりしたうえに、さらに昨今の円安も大きく影響したようで、返還される金額は不正送金された時点から実に50億円以上も増えたのだという。

逮捕時の報道からさらに20億円以上の儲け上乗せ

今回の件で詐欺などの罪に問われている30代の同社元社員だが、どうやら詐取した170億円は全額ビットコインに変えていた模様。

いっぽうで、昨年12月に元社員が逮捕された際には、その儲けが30億円以上と報じられてており、それでもスゴイ金額との声が多くあがっていたのだが、最終的には50億円以上の爆益と、さらなる儲けの上乗せとなったようだ。

SNS上からは、元手が大きいとはいえ、わずかな期間で50億円以上の儲けを出す格好となった元社員の相場観に対し、「BTCで爆損のイーロンマスクより優秀」などと評価する声も。

さらに、他の暗号資産などの投資対象に分散することなく、ビットコイン一本に絞ったという胆力にも注目が集まるなど、悪事であることは間違いないものの、あまりにもスケールの大きい話におしなべて驚嘆しているといった様子だ。

初公判で元社員が語った動機とは?

いっぽうで、捕まった元社員のほうだが、今年6月に東京地裁で初公判が行われ、罪状認否で「間違いございません」と起訴内容を認めたという。

さらに元社員は、170億円すべてを騙し取ろうとは考えていなかったとし、資金を運用したうえでソニー生命と交渉し、その利益の一部をもらおうと計画していたと主張。元社員は儲けたお金で「悠々自適な生活を送ろうとした」と、その動機を語っていたというのだ。

実際のところ、ソニー生命は日米の捜査当局に速攻で相談し、元社員の逮捕に至ったわけだが、その逮捕時にも話題になっていたのが、増えてしまった分の金はどうなってしまうのかという話。逮捕当時の報道では、運用によって増えた分は日本の国庫に入るのではといった見方が大勢を占めていた反面で、一部からは元社員に帰属する可能性あるとの声もあがるなど、様々な見解が出ていた。

【関連】模倣犯が丸儲け?ソニー生命元社員が170億円横領してビットコイン投資、30億円分の含み益=栗原将

ただ、先述したソニー生命によるリリースには、「犯罪防止、犯罪被害者救済、人道支援その他社会公益に資することを目的として、寄付を行うことについて検討」との一文が。今回の件で儲けが出た分のうちどれだけかは分からないが、その寄付に充てられることになりそうで、元社員の元に少しでも儲け分が渡り「悠々自適な生活」の原資となるといった可能性は、ほぼ無さそうな情勢だ。

とはいえ、今では1BTCが最高値だった頃の半分以下の価格となるなど、一時の熱狂はすっかり鳴りを潜めてしまった感もあるビットコイン界隈にとっては、行為自体は100%悪事だとはいえ、久しぶりの景気のいい話となったのは間違いなさそうだ。

Next: 「横領で利益出るって初めて聞いたかも」



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