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日経平均は反発、不透明感くすぶり動意に乏しい展開

日経平均は反発。14日の米株式市場でダウ平均は30ドル高と小反発。前の日の急落の反動で買い戻しが先行したほか、8月卸売物価指数(PPI)に若干の改善が見られたことが寄与。ただ、金融引き締め懸念がくすぶるなか長期金利が高止まりしていたことで一時下落に転じる場面もあった。ナスダック総合指数は+0.74%と反発。日経平均は55.34円高からスタートしたが自律反発狙いの買いも乏しく、一時は下落に転じるなど前日終値を挟んだもみ合いが続いた。前引けにかけては時間外取引のダウ平均先物の強含みを支援要因にやや上げ幅を広げたが、午後に入ってアジア市況やダウ平均先物が軟化すると再び騰勢を弱めた。概ね予想に一致したPPIもコア指数では予想を上回っており、インフレ懸念がくすぶる中、今晩の米8月小売売上高などを見極めたいとの思惑もあり、動意に乏しい展開が続いた。

 大引けの日経平均は前日比57.29円高の27875.91円となった。東証プライム市場の売買高は8億9754万株、売買代金は2兆3326億円だった。セクターでは空運、不動産、陸運が上昇率上位となった一方、鉄鋼、精密機器、非鉄金属が下落率上位となった。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の52%、対して値下がり銘柄は42%だった。

 個別では、前日に急落した東エレクやソニーGなどの主力株のほか、Sansan、インフォマートなどの中小型グロース株が反発。原油市況の上昇や米長期金利の高止まりからINPEX、東京海上HDなども買い優勢。1日当たり入国者数上限撤廃などが認められる方向との報道を受けてインバウンド関連が軒並み高となり、JAL、JR東日本、西武HD、資生堂、マツキヨココカラなどが上昇。目標株価が引き上げられた神戸物産は大幅高。今期見通しが評価されたラクスルはストップ高まで買い進まれ、決算が悪材料出尽くしに繋がったエニグモ、決算が好感されたパーク24やギフトHDは急伸した。SBIHD子会社によるTOB(株式公開買い付け)が判明したアルヒはストップ高比例配分となった。

 一方、レーザーテックが大きく下落し、キーエンス、SMC、ファナックなどの値がさ株が軟調。前日の米株式市場で素材セクターが大きく下落していたこともあり、日本製鉄、JFEHD、神戸製鋼所など鉄鋼株が軒並み下落。大和工業は大幅安となった。大阪チタ、東邦チタは利食い売りが膨らんだ。中国が医療機器市場で外国製品の締め出しに動いているとの報道でシスメックス、テルモ、オリンパスが売られた。KADOKAWAは東京五輪の汚職を巡る一件での会長逮捕がネガティブ視されて急落。前日に好決算を手掛かりに売買が盛り上がっていた三井ハイテックは次第に利食い売りが膨らみ急落した。

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