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NYの視点:世界の景気後退入りリスク上昇、ブレイナードFRB副議長もリスク認識

国際通貨基金(IMF)や世界銀行は2023年の世界経済が景気後退入りするリスクが上昇したと警告した。先進諸国の経済が減速、連邦準備制度理事会(FRB)の高インフレ対処の利上げが、新興諸国の債務により圧力を加えているとした。ユーロ圏経済はロシア、ウクライナ戦争により、天然ガス価格の急伸でエネルギー危機により成長が減速。また、中国は新型コロナ感染再流行に伴う都市封鎖や住宅セクターの悪化が同国経済を圧迫している。

IMFによると世界経済の3分の1近くが少なくとも2四半期連続で今年、来年マイナス成長が予想されている。

また、ヘッジファンド、チューダーファンドを運営するポール・チューダー・ジョーンズ氏もCNBCとのインタビューで、米国経済が景気後退間近か、または、すでに景気後退の最中だとの見解を示した。

大手銀、JPモルガンのダイモン最高経営責任者(CEO)は米国経済が今後6−9カ月のうちに景気後退入りする可能性が強いと警告。高インフレ、大幅な利上げや量的引き締めによる影響やロシアのウクライナ戦争による影響が不透明であることなどを理由に挙げた。

FRBは成長の減速は想定内で、景気後退をかろうじて免れると現状では予想している。例え、景気後退に陥ったとしてもインフレ抑制の利上げが必要と、タカ派姿勢を崩していない。

そんな中、FRBのブレイナード副議長はインフレが依然最大の課題で、インフレを目標値まで引き下げるため、当面金融引き締めが必要と表明すると同時に、「世界の金融引き締めもまた、成長やインフレを弱める」と言及。家計の過剰貯蓄は想定よりも低く、消費の伸びが抑制される可能性を指摘。経済や市場の不透明性が高まった場合、政策の修正を要請していくと、利上げを継続する中で、明確な注意を喚起した。

ただ、1970年代に、時期尚早の金融緩和がリスクを伴うことが証明されていることも強調している。今週発表予定の9月小売売上高や今月末に発表予定の7−9月期国内総生産(GDP)速報の結果が待たれる。

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