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65歳以上に聞いた「現役時代にやらずに後悔していること」最も多い回答は?老後からでも十分に間に合うのに悔しがるワケ=川畑明美

65歳以上の方に『現役時代にやらなくて”老後に後悔したこと”は何ですか?』というアンケートを取りました。3位は「運動や健康に関することをしなかった」こと、2位は「人生の計画を立てなかった」でした。さて、1位は何でしょうか?(『教育貧困にならないために』川畑明美)

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65歳以上の方に聞いた「老後の後悔」

先日、当メールマガジンで65歳以上の方にアンケートへの協力をお願いしました。『現役時代にやらなくて”老後に後悔したこと”は何ですか?』という質問です。ご協力いただいた読者さま、ありがとうございました。とても参考になりました。感謝いたします。

回答で最も多かったのは、「投資を含むお金の計画や勉強をしなかったこと」でした。

学ばずに投資して失敗した、「投資=ギャンブル」と思い込んで学ばなかった、投資を含むお金の計画を立てていなかった……という回答が多かったです。

私のメルマガの読者さんなので「投資」や「お金」のことについての回答が多いのは当然としても、書籍など他の調査結果を見ても同じような回答が多いです。

シニア1万人にインタビューした『50代 後悔しない働き方』(著:大塚寿/刊:青春出版社)という書籍でも、「50代を後悔している理由」の1位は、“定年後の人生設計をしておくべきだった”なのです。

1,000人の死を見届けた終末期医療の専門家が書いた『死ぬときに後悔すること25』(著:大津秀一/刊:新潮社)の心理編でも、後悔することは“自分のやりたいことをやらなかったこと”と書かれています。

便利な世の中になったからこそ

実際にアンケートの回答では、次のような回答をいただいています。

「真面に働いていれば年金で生活できると思っていたのが間違いでした。今ほど投資に対する情報があふれている時代ではなかったのは確かだが」。

男性の方からは、「仕事に没頭する以外のことをしておけばよかった」という回答が多いように感じます。

逆に「後悔したことがない」と回答される方は、ライフプランやお金の計画書を作成していたという方が多かったのです。

現在、老後を迎えている方と比較すると、現役時代の方はとても便利な生活を送っています。

アンケートの回答には、次のようなお話もありました。

「若い頃は現在のようにたくさんの情報があるわけでもなく、パソコンもなく、アトムのアニメでみた携帯電話など夢物語でした」。

便利になったけれども、しっかりお金を管理しないと、右から左にお金が流れていってしまうのです。

Next: 65歳以上の多くは「投資をしなかった」ことを後悔している



投資をしなかったことを後悔する

アンケートの統計を取ってみると、3位は「運動や健康に関することをしなかった」でした。こちらは、70代以降の方に多かった回答です。

2位は「人生の計画を立てなかった」でした。次のような回答が寄せられています。

「老後に必要なお金の準備ができなかった」「50歳を超えると給与が減るとは知らなかった!」「ねんきん定期便もきちんと見ていなかった」「学びを忘れていた!」「子育てが一段落したところで、再就職を考えればよかった」「もっと自分のためのライフプランを考えるべきだった」「夢を持つこと、実現に向けて努力することを早く始めたかった」。

まだ60代の方ですから、再就職も可能です。今からチャレンジできますので、人生計画(ライフプラン)を考えていきましょう。十分に間に合います。

そして最も多かった回答は、「投資をしなかった」または「勉強せずに投資をして失敗してしまった」でした。

長期投資は含み損を受け入れる投資

投資をするということは「リスクを取る」ということです。そして投資におけるリスクは、リターンと同義語です。

つまり「リスク=リターン」となりますので、リスクをコントロールすることが大事になります。高リターンばかり求めてしまうと、高いリスクを受け入れることになります。

また長期投資をよく理解することも大切です。

長期投資とは、短期間で売買を繰り返すことなく、長期にわたって金融商品をそのまま持ち続ける投資のことです。投資期間が長くなるにしたがって、リターンが安定してきます。

注意したいのは長期投資は、必ずしも「ずっとプラス」になることではありません。どんなに分散投資をしてもマイナスになることがあるのが前提です。

どんな株価指数でも、上下を繰り返しながら、5年・10年・20年と長期間保有することで、購入時よりもリターンを得られる可能性が高くなるというものです。購入したらプラスのまま右肩上がりに推移するものではありません。

金融商品が買った時よりも時価が値下がりしている状態を「含み損」といいますが、長期投資では、この含み損を受け入れる必要があります。含み損の状態で売却しなければ「損の確定」にはなりませんが、一定期間の「含み損」を想定していないと、長期投資でも失敗してしまうのです。

65歳以上から投資を始めても十分に間に合う

長期投資の「長期」とは、厳密な定義はありません。1年以上とする場合もありますし、5年以上、10年以上を指すこともあります。

私は少なくとも5年以上を長期投資とする前提で、教えています。なので、65歳以上でも十分に間に合います。

逆に短期投資の場合は「できるようになる」までに時間がかかります。なので、長期投資でも短期投資でも、「早くはじめる」ことが資産を増やす最短の道なのです。

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image by:Quality Stock Arts/ Shutterstock.com

教育貧困にならないために』(2022年12月5・6日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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