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NYの視点:【今週の注目イベント】FOMC、ECB理事会、英中銀政策会合、米雇用統計・ISM、各国PMI、など

今週は、連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げを実施する見込みとなっている。同時に、欧州中銀(ECB)は定例理事会、英中銀も金融政策決定会合でそれぞれ0.5%の利上げに踏み切る見通し。FRBが利上げ停止に近づく一方、ECBや英中銀はFRB以上の幅の利上げ、利上げ持続する公算で、欧州通貨高をけん引する可能性がある。

FRBはFOMCで12月会合に続き利上げペースを一段と減速し、伝統的な幅の0.25%利上げを実施する見込み。ブレイナード副議長は、今まで中銀が実施してきた利上げのインフレや経済への影響をより正確に判断することが可能になると、小幅な利上げを支持する姿勢を見せた。インフレ率、期待インフレ率は低下基調にあり、FRBの利上げ減速を正当化する。FRBがインフレ指標として注視している変動の激しいエネルギー、食品を除いたコアPCE価格指数の12月分は前年比+4.4%。伸びは予想に一致。11月+4.7%から鈍化し昨年10月来の低い伸びとなった。FRBがインフレ期待として注視している同指数の1年期待インフレ率確報値は3.9%と、速報値4.0%から下方修正され21年4月以降で最低。さらに、5-10年期待インフレ率確報値も2.9%と、速報値3.0%から下方修正された。

声明やパウエル議長の会見では、最近のインフレ率の低下や景気、労働市場に関する言及に注目。最近の発言から、FRB高官はできるだけ速やかに政策金利を5%以上に引き上げる必要性があるとの考えを変えていない。インフレがピークに達成した兆候が見られる一方で、失業率は依然歴史的にも低い水準で推移。週次の新規失業保険申請件数は予想外に減少を続け労働市場のひっ迫も継続。パウエル議長はボルカー元議長率いるFOMCの最大の間違いは時期尚早の利下げと言及しており、FRBは利上げを停止したとしても、年内の利下げは考えにくい。今週は1月雇用統計や1月ISM製造業、ISM非製造業景況指数など重要指標にも注目。

欧州中銀(ECB)は理事会で追加で0.5%の利上げが予想されている。レーン専務理事やラガルド総裁は最近の講演で、インフレが非常に高く、利上げ継続が必要とタカ派姿勢を強調。ラガルド総裁は昨年12月会合以降、見解を変えておらず「ECBは利上げ軌道を維持する」としており、今回の会合でも同様の文言が繰り返されると、ユーロ高が予想される。また、英国は、インフレ高進や過去最大近くの賃金の伸び、11月の国内総生産(GDP)の伸びが予想を上回ったことで、中銀の利上げの論拠は非常に強くポンド買い支援材料となる。

■今週の主な注目イベント

●IMF
30日:世界経済見通し

●米国
30日:1月ダラス連銀製造業活動
31日:10-12月期雇用コスト指数、11月FHFA住宅価格指数、S&P20都市住宅価格指数、1月MNIシカゴPMI、1月コンファレンスボード消費者信頼感指数
2月1日:1月ADP雇用統計、1月製造業PMI確定、1月ISM製造業景況指数、12月JOLT求人、FOMC、パウエル議長会見
2日:10-12月期非農業部門労働生産性、単位人件費、週次新規失業保険申請件数、12月製造業受注
3日:1月雇用統計、1月ISM非製造業景況指数

●欧州
30日:ユーロ圏経済信頼感、消費者信頼感
31日:ユーロ圏GDP、仏・独CPI・GDP
2月
1日:ユーロ圏製造業PMI、CPI、失業率、独・仏製造業PMI
2日:ECB定例理事会、ラガルドECB総裁会見

●英
2月
1日:製造業PMI
2日:英中銀金融政策決定会合

●中国
31日:製造業・非製造業PMI
2月
1日:財新製造業PMI
3日:財新サービス業PMI

●日本
31日:失業率、鉱工業生産、小売売上

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