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日経平均は3日続落、相次ぐタカ派発言で利上げ停止期待後退

日経平均は3日続落。8日の米株式市場でダウ平均は207.68ドル安と反落。雇用状況が予想よりも強いことを理由に、米連邦準備制度理事会(FRB)高官から相次いで追加利上げや高水準の金利据え置き長期化の必要性が示され、売りが先行、そのまま終日軟調に推移した。ナスダック総合指数は-1.67%と反落。米株安を引き継いで日経平均は153.06円安からスタートすると、取引開始直後27424.69円(181.77円安)まで下げ幅を拡大。ただ、為替の円高進行が一服している中、27500円を意識した押し目買いも入り、下げ渋った。午後は時間外取引のナスダック100先物やアジア市況が上げ幅を広げたことが支援要因になったほか、取引時間中に発表されたトヨタ自の決算が市場予想を上回ったことが安心感を誘い、東証株価指数(TOPIX)がプラス転換、日経平均も前日終値近くまで下げ幅を縮めた。

 大引けの日経平均は前日比22.11円安の27584.35円となった。東証プライム市場の売買高は10億4373万株、売買代金は2兆5791億円だった。セクターでは電気・ガス、ゴム製品、陸運が下落率上位となった一方、繊維製品、ガラス・土石、非鉄金属が上昇率上位となった。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の41%、対して値上がり銘柄は53%だった。

 個別では、米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の下落を受けて東エレク、アドバンテスト、ディスコなどが下落。米ナスダック指数の下落により、イビデン、村田製、TDK、ファナックなどのハイテク株のほか、エムスリー、Sansan、JMDCなどのグロース株の一角も軟調。前日に決算が好感されたメルカリは急反落し、前日上昇分以上に下落。決算発表を延期したツバキ・ナカシマのほか、業績・配当予想を上方修正も出尽くし感が先行したハピネット、今期増益見通しも出尽くし感が強まったサンアスタリスクなどが急落。業績下方修正と減配を発表した武蔵精密も大幅安。業績予想を下方修正したヨコオは後場から急落した。

 一方、業績・配当予想を上方修正した芝浦メカが急伸。住友鉱山も業績上方修正と増配を発表して大幅高。ほか、好決算を材料にクラレ、DMG森精機が大きく上昇し、ユニ・チャームも買い優勢。AGCは冴えない決算ながらも高水準の自社株買いが好感された。堅調決算と株式分割を発表した第一興商、業績上方修正と増配を発表したファルコHD、好決算が材料視された今仙電機なども急伸し、東証プライム市場の値上がり率上位に入った。業績予想を上方修正したセガサミーHD、今期見通しが好感されたトラスコ中山が後場から急伸となった。

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