日経平均は反発。31日の米株式市場でダウ平均は134.51ドル安と続落。債務上限問題を巡り財政責任法案の下院採決を控えた警戒感から売りが先行。一方、米連邦準備制度理事会（FRB）高官らの発言を受けて利上げの一時停止機運が再浮上すると下げ幅を縮めた。ナスダック総合指数は－0.63％と4日ぶり反落。本日の日経平均1.87円安からスタート。月末のリバランス（資産配分の再調整）目的の売りが一巡したあく抜け感などから買いが先行し、前場中ごろには31185.05円（297.17円高）まで上昇した。しかし、米財政責任法案が下院で可決されたと伝わってからは好材料出尽くし感から売りが強まり、一時再び下落に転じる場面があった。ただ、前引けにかけてプラス圏に再浮上すると、午後はアジア株高や為替の円安含みが支えとなるなか、ハイテクに買い戻しが入り、堅調な展開が続いた。
大引けの日経平均は前日比260.13円高の31148.01円となった。東証プライム市場の売買高は13億8403万株、売買代金は3兆5971億円だった。セクターでは銀行、卸売、精密機器が上昇率上位に並んだ一方、ゴム製品、パルプ・紙、繊維製品が下落率上位に並んだ。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の52％、対して値下がり銘柄は44％だった。
個別では、ソシオネクストが急伸したほか、レーザーテック、ルネサス、東エレクなどの半導体株が大幅高。ソフトバンクＧ、ソニーＧ、HOYAなど値がさ株の一角も高い。前日に大きく売られた商社株が買い戻され、三菱商事、三井物産、伊藤忠などが上昇。三菱UFJやSOMPO、第一生命HDの銀行・保険の一部でも強い動きが見られた。日本製鉄、郵船など景気敏感株の一部も買われた。ほか、JAL、寿スピリッツ、マツキヨココカラ、パンパシHDのインバウンド関連、ニトリHD、7＆I-HD、エーザイ、アステラス製薬などディフェンシブ系の一角も高い。
ダイキンは3カ年の戦略経営計画が好感されて上昇。傘下の新光電工の株式を売却する方針と伝わった富士通が新光電工と共に急伸。目標株価が引き上げられた日本CMKは急騰し、芝浦機械、日本製鋼所も目標株価の引き上げで大幅高。業績・配当予想を上方修正した菱洋エレクはストップ高となり、自社株買いを発表したシグマクシスも買われた。
一方、京セラ、ファナック、イビデン、TDKなどのハイテクの一角が軟調。為替の円高を嫌気して三菱自、マツダ、ブリヂストンなど自動車関連は大きく下落。大平洋金属はレーティング格下げを受けて大幅安となった。