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韓国「空売り禁止措置」にジム・ロジャーズが猛批判、ウォンもKOSPIも乱高下へ。なぜ大胆に為替介入も米国の“為替操作国”から除外されたのか?

今回は韓国経済について2つの話題を特集する。どちらの同じ週で起きた重要な出来事である。前者は韓国がいきなり空売り禁止を発表して証券市場が大混乱となったこと。後者は米国が為替操作国から韓国を除外したことである。いったい何が起きているのか、1つずつ解説したい。(『 2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済) 2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済) 』)

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※本記事は有料メルマガ『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』2023年11月13日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

ジム・ロジャーズも韓国政府の「空売り禁止」措置を猛批判

韓国政府が11月6日、いきなり来年の6月まで空売り禁止措置を行うと発表した。

対象となるのは国内の株式市場に上場するすべてである。つまり、KOSPI(韓国総合株価指数)やKOSDAQなどもすべて対象となる。

海外の証券専門家は、この措置によって外国人投資家たちはもう韓国証券市場を信頼しなくなる可能性があると指摘している。

あの世界的な投資家であるジム・ロジャーズ氏も「(韓国政府の)空売り禁止措置はミステイク(mistake)だ」「このようにばかげたことを続けているため、韓国はメジャーな国際金融の中心地にはなり得ない」と強く批判した。

「政争の具」となった韓国株式市場

海外の証券市場からは、空売り禁止措置について批判的な意見が殺到した。

問題は、この措置が個人投資家への不満解消と、来年の選挙の票目当てによるポピュリズムであることだ。結局、ユン氏も選挙に勝つためにポピュリズムに走ってしまったわけだ。

ただ、韓国が空売り禁止をしたのは、今回が初めてではない。文在寅政権時代でも、空売り禁止措置はコロナ禍にもやっていた。

韓国KOSPI 週足(SBI証券提供)

そのときはKOSPIは3,000を超えたわけだが、今回はどうなるのか。

株価乱高下。海外投資家のポジション調整はこれから……

最初に空売り禁止を発表した日、なんとKOSPIは5.6%高の134ポイント上昇。2,500台に到達した。しかし、次の日は58ポイント下がり急落。8日でも22ポイント下がり、これで残りが54ポイントとなった。9日目は5ポイント上昇するも、10日目に14ポイント下がったので、5日間で空売り禁止効果での上昇はほぼかき消された。

韓国KOSPI 日足(SBI証券提供)

今のところ、空売り禁止措置はほぼイーブンといったところ。しかし、ここから外国人や機関投資家は空売りできなくなればポジション調整を余儀なくされるので売られやすくなるとみている。

Next: 大規模介入しても、米国が指定する「為替操作監視国」からは除外?



大規模介入しても、米国が指定する「為替操作監視国」からは除外?

もう1つのニュースは、米国が韓国を「為替操作監視国」から除外したことだ。為替操作国に指定される条件は、次の3つである。

1. 商品・サービスなど対米貿易黒字150億ドル以上
2. 経常収支黒字が国内総生産(GDP)の3%超過
3. 8カ月間にGDPの2%を超過するドル買い越し

この中で今回、韓国が満たしたのは(1)だけである。

2つを満たせば為替操作監視国、全部を満たせば為替操作国となる。(2)と(3)は満たしてないから、為替操作国から除外されたということだ。正確に述べれば「為替操作監視国からの」除外である。

なお、韓国が満たさない理由は、(2)の経常収支が今年の上半期は酷かったからだ。言い換えれば,韓国経済が絶望的で輸出が伸びなかったのだ。

そのため、韓国メディアも「喜んでいる場合ではない」と指摘している。

読者のなかには「(3)も満たさないのか?」と驚く向きがあるかもしれない。しかし、(3)はあくまでもドル買い越しである。韓国は「ドル売り一辺倒」なので、満たさないのだ。

昨年、韓国銀行は460億ドルを為替介入に使用した。そのため、外貨準備高も4,600億ドルあったが、今は4,100億ドルまで減少している。

毎日、あれだけ介入しても、為替操作国とはみなされないのだ。一般的にはおかしな基準だと思う。実際、ドル高に悩む米国にとっては、韓国が米国債をわざわざ売り払って、手に入れたドルで為替介入してくれるのは、米国債の利息が減るので悪くないということなのだろう。

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今週の韓国証券市場

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image by:Paul Froggatt/ Shutterstock.com

2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済) 2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済) 』(2023年11月13日号)より一部抜粋・再構成
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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