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目先は1万6500円前後で収束か メジャーSQ通過後の米国株安・原油安に要警戒

6月もやはり月初から売られるパターン。ならばSQ通過後の来週からは大丈夫かというとそう簡単ではありません。1日の消費増税再延期以降、明らかに日本売りが進んでいます。(『KA.Blog(有料版)』)

※本記事は有料メルマガ『KA.Blog(有料版)』2016年6月5日号を抜粋・再構成したものです。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に無料のお試し購読をどうぞ。月初の購読は特にお得です!

進む外国人投資家の日本売り/原油価格に大きな「上蓋」

米雇用統計で一気に6月利上げなし→ドル売りの流れ

金曜の雇用統計は非農業部門雇用者数の伸びが予想を大きく下回るわずか+3.8万人に止まり、一気に6月利上げなし→ドル売り、金買いの流れになりました。

【関連】米雇用統計でドル円急落、今後の注目点/消費増税延期不況がやってくる?

アメリカの方は緩和継続期待感からそれ程下がらなかったものの、とばっちりを受けるドル円は一気に106円台半ばまで円高が進み、それを受けてシカゴ225先物は16330円と下値の抵抗線16500円を割り込む格好になっています。(編注:本稿執筆6/5時点)

ADP雇用統計も悪かったことで、ある程度の下ブレは見込まれていたと思われましたが、それを上回る内容の悪さだったということでしょう。ただアメリカ側にしてみれば利上げ先延ばしで良かったね、ということで特段大きな下落にはなっていません。

ドル安は一方でここまで下がってきた元安に対する歯止めもかかりますから、中国不安が後退しプラスの面もあるにはあります。元々株式の材料には二面性があることがほとんどで、その場面場面で説得力や雰囲気の強い方向に流れるものですが。

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

メジャーSQを控え16500円前後に収束か

一応ここまで意地でも「やや売り」と言ってきたのがようやく生きてきた感じにはなりました。まあ下がる下がると言っていればそのうち下がる類いのものですが……。2日、3日と空売り比率は久しぶりに40%を超える水準になってきています。

ただ一方でガシガシ下がる感じではなく、引き続き16500円を挟んだ辺りでの値動きを想定します。とりあえず水曜くらいまでの3日間に関して言えば、月曜の寄り付き辺りが一番安いところではないかと思います。

その根拠はやはり出来高の薄さとオプションの建玉の集中度合いによるもの。今週末はいよいよメジャーSQを控えることで、一層オプションや先物といった金融派生商品に振らされる動きになると思います。

最終的には16500円に建玉が集まって、その辺りに値を寄せるのではないでしょうか。また一応チャートに関しても2、4、5月の安値をそれぞれ結ぶ下値支持線に迫っており(現状16400円弱程度)、その水準では一定の底堅さを見せるとは思います。

イベント的にも今週一番大きいのがメジャーSQで、それ以外は特にありません。その代わり、来週になるとアメリカのFOMCや日銀金融政策決定会合があります。

ということで、今週も引き続き様子見ムードが強い出来高の薄い展開が続きそうです。一応月曜のアメリカ時間にはイエレン議長の講演も予定されており(恐らく利上げ姿勢を堅持すると思いますが)、今回の雇用統計の直後ということもあって発言が一層注目されると思います。

Next: SQ通過後に気をつけろ! 本格的な米国株安、原油安の兆候



SQ通過後も油断は大敵

しかし6月もやはり月初から売られるパターン。ならば6月もSQ通過後の来週からは大丈夫か……というと、なかなかそう簡単にはいかないようにも思います。

1日の消費増税再延期以降、明らかに日本売りが進んでいます。今までも「日本だけ下がる」ということはありましたけれど、今回ほど日本だけが売られる理由が明確な時も珍しく、売られるべくして売られる、という感じです。

もう外国人投資家は明らかに日本の政治家、官僚を信用していません。

いつ始まってもおかしくない米国株安、原油安

そして個人的にはここからアメリカ株、原油安の波動が始まると見ています。幸いOPEC総会を通過して、また雇用統計も通過して、それぞれそこまで大きく売られるような反応は見せていません。むしろ今回のドル安を受けて、それが原油高圧力に繋がる線も出てきました。

ただWTI原油先物は昨年も1月と3月に50ドル弱でダブルボトムを付けましたが、50ドルが一つの節目になっていることで上値抵抗線として機能しそうなこと、また昨年10月の戻り高値→今年2月の安値までの日柄4ヶ月と、そこからカウントした4ヶ月後が現在に当たってくるため、日柄的にもトレンド一巡感は出そうな感じがあります。

WTI原油先物 日足(SBI証券提供)

なので、多分もう一度50ドルトライの素振りを見せたとしても、結局そこを超えられず、ダブルトップを形成するような形であとは下がっていくのではないかと。原油需要と供給のバランスを考えても、更に原油在庫がドンドン減っていくような感じもありません。

50ドル水準が維持されれば息を吹き返すシェール業者も多いであろうことから、価格形成には大きな「上蓋」があると考えます。夏のドライブシーズンが次第に近づいてはくるものの、昨年も7月からドンドン下がりましたしね。

先行きは弱気

というわけで、まだアメリカ株や原油が完全に崩れたわけではないので投資判断は「やや売り」継続ですが、これらが崩れてきたら更に投資判断は引き下げる見込みです。総合的には引き続き先行きは弱気に見ています。

【関連】オバマを恫喝する9.11“真犯人”サウジアラビアの「米国債売り」という切り札

KA.Blog(有料版)』(2016年6月5日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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