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日経平均は3日ぶりに反発、円安進行で40800円台まで上昇

 日経平均は3日ぶりに反発。前日比406.82円高(+1.01%)の40804.85円(出来高概算8億株)で前場の取引を終えている。

 26日の米国市場は続落。ダウ平均は31.31ドル安(-0.08%)の39282.33ドル、ナスダックは68.77ポイント安(-0.42%)の16315.70、S&P500は14.61ポイント安(-0.28%)の5203.58で取引を終了した。利下げ期待を受けた買いによって、寄り付き後は上昇。ソフトランディング期待も支援し、相場は終日堅調に推移した。しかし、終盤にかけ月末、期末絡みの調整で売りに転じ終了。

 米国株は弱かったものの、為替の円安推移などを材料に東京市場はやや買い優勢で取引を開始した。日経平均は40500円台でスタートした後はじりじりと上げ幅を拡大。為替が1ドル151円80銭台まで円安ドル高が進行したこともあり、幅広い銘柄が買われる全面高の展開に。一部では、配当再投資に絡んだ先物買いも入ったとの声も聞かれ、日経平均は40800円台まで上昇した。

 日経平均採用銘柄では、2024年公示価格で全用途の全国平均が前年比2.3%上がったことから、住友不動産、東京建物、東急不HD、三菱地所、三井不動産がそろって上昇。また、大日本印刷は、最先端半導体の国産化を目指すラピダス向けに回路形成に使う原版「フォトマスク」を2027年度に国内で量産と報じられ買われた。このほか、りそなHD、スズキ、TOTOも上昇。

 一方、足元買われていたフジクラ、川崎重、三菱重が利益確定売りに押されたほか、スクリーンHD、ニデック、SUMCOが下落した。日経平均採用以外の銘柄では、三井E&S、さくらインターネット、小林製薬の下げが目立った。

 全セクターが上昇するなか、不動産業、その他製品、銀行業、ゴム製品、パルプ・紙の上昇が目立った。

 10時過ぎ、田村直樹日銀審議委員は青森県金融経済懇談会であいさつし、「大規模緩和の修正によって金融政策の正常化へ第一歩を踏み出したとは言っても副作用も残る状況が続いている」と述べた。正常化の最終的なゴールに対しては「2%物価目標の下で金利の上げ下げを通じて需要を調整し、物価に影響させるという金利の機能が発揮できるような水準まで金利を戻す」などと発言。9人の日銀政策委員のなかで最もタカ派と見られていた田村日銀審議委員から「追加利上げ実施の時期」といった踏み込んだ話が出なかったことで、ランチタイムの為替は1ドル151円90銭台まで円安が進行。政府・日銀による為替介入警戒ゾーンに入ったことで、午後は、神田財務官など要人発言などに注目が集まろう。後場の日経平均は為替を横目に見た展開となりそうだ。

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