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マクドナルド“ストローなしで飲めるフタ”を試験導入。「飲み物がマズくなる」脱プラの流れで登場した紙ストローへの止まぬ不満の声にいよいよ対応か

マクドナルドで数年前から提供されている紙ストローを巡って、廃止されるとの噂が一時SNS上で流布する事態となったようだ。

SNS上で拡散していた画像を見ると、恐らくは店側が用意したであろうカード型のチラシに「2024年7月3日からコールドドリンクは順次ストローなしで飲めるフタでご提供します。」との文言が。ちなみに“ストローなしで飲めるフタ”自体は、100%リサイクルペット素材を用いていることも併記されている。

長らく紙ストローの提供を続けていたマクドナルドだったが、ここに来ていよいよ方針転換か……と取沙汰されたこの投稿だったのだが、しかしその後、一部メディアが日本マクドナルドに取材をしたところ、広報担当者はSNS上での噂の流布を認めたうえで「紙製ストローは今も使っており、廃止していません」とコメントしたとのこと。

いっぽうで、拡散していた画像にあった“ストローなしで飲めるフタ”については、埼玉県の一部の店舗において、あくまでテストという形で導入したものだとし、今後このフタに全国的に変更されていくのかに関しては、明確な回答を避けたようだ。

料理研究家のリュウジさんも苦言

2022年4月1日に施行された「プラスチック資源循環法」を契機に、日本国内で俄かに巻き起こった脱プラスティックの動き。

同法ではプラスチック製の「フォーク」「スプーン」「ナイフ」「マドラー」「ストロー」「ヘアブラシ」「櫛」「剃刀」「シャワー用のキャップ」「歯ブラシ」「ハンガー」「衣類用のカバー」の12種類が、いわゆる特定プラスチック使用製品に指定され、排出の抑制が求められることに。

取り組みが不十分な事業者には勧告どころか罰則を受ける可能性があるということで、ファストフード店やコンビニ、さらにホテルなどの宿泊施設では、それらの提供を止める、あるいは代替のものを用意するといった対応に追われることとなった。

当時は海洋プラスチック汚染の問題なども殊更に叫ばれ、利用者側もそういった“脱プラ”の動きに対して概ね肯定的だったのだが、唯一不満の声が多数あがることとなったのが、プラスチック製ストローの代わりに提供されるようになった紙ストロー。

巷からは“飲み物がマズくなる”“トイレットペーパーの芯みたい”“時間が経つとふやける”などの不評が、2年前から噴出していた紙ストローなのだが、そういった声は今も変わらずあがっている状況で、少し前にも料理研究家のリュウジさんが自身の動画内で、マクドナルドの紙ストローに対して「全然おいしくない」と発言したことが、大きな共感を呼んだこともあった。

このように紙ストローの存在に対して辟易する空気が広く漂うなかで、マクドナルドが“脱・紙ストロー”に舵を切ったという情報が流れたことで、多くの者がそのことを歓迎する反応を示すとともに、ある意味で“誤情報”の拡散に一役買うことになったというのが、今回のあらましのようだ。

“ストローなしで飲めるフタ”対象地域拡大は既定路線?

しかしながら、先述した通りマクドナルド広報担当者から「紙製ストローは今も使っており、廃止していません」とのコメントもあったように、どうやら今回の件はネット上のいわゆる“先走り”“早とちり”だったというオチに。

“脱・紙ストロー”の流れに期待を寄せていた向きにとってはぬか喜びとなり、逆に失望が広がる展開となってしまったわけだが、とはいえ今のところは一部店舗のみとはいえ“ストローなしで飲めるフタ”のテストを始めているということは、これまで2年間続けてきた紙ストローの提供に対して、顧客からの不満の声が相当に多く、マクドナルド側としても看過できないほどの状況だったことが見て取れるところ。

現に一部メディアでは、“ストローなしで飲めるフタ”のテスト導入に関して、「利用者の反応を見ながら対象地域を広げることを検討する」と報じており、現地での実際の評判にくわえ、今回のネット上での反応も鑑みて、案外早い段階で“ストローなしで飲めるフタ”が普及することも考えられそうだ。

今年2月に発表された2023年12月期連結決算では、全店売上高が過去最高となる7,777億円を達成するなど、飲食業界における巨人であるマクドナルドが、仮に“脱・紙ストロー”へと舵を切れば、他の飲食チェーンにおける紙ストローの扱いに関しても少なからず影響が出ることも……。いわゆる“脱プラ”のために美味しさが犠牲になるという状況に不満を抱いていた向きの多くは、そんな良い変化を期待して待っているといった状況のようだ。

Next: 「味が大事な飲食店で不味くなるストローを使用するって…」



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Image by:Henry St John / Shutterstock.com

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