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日経平均は二番底形成か底割れか?もしこの局面で株を買うなら=炎

日経平均が二番底を形成するには15000円台前半で下げ止まる必要があります。先週の15395円が二番底になるかは予断を許さず、英国がEUを離脱した際の影響も未知数です。(『億の近道』炎のファンドマネージャー)

プロフィール:炎のファンドマネージャー(炎)
小学生から証券会社に出入りし、株式投資に目覚める。大学入学資金を株式の利益で確保し、大学も証券論のゼミに入る。証券会社に入社後は一貫した調査畑で、アナリストとして活動。独立系の投資運用会社でのファンドマネージャーの経験も合わせ持つ。2002年同志社大学・証券アナリスト講座講師を務めたほか、株式漫画の監修や、ドラマ『風のガーデン』(脚本:倉本聰)の株式取引場面の監修を行う。

リーマンショック的展開もあり得る今の相場をどう見るか

先週の15395円は二番底となるか

今年の日経平均の安値は2月12日の14865.77円でしたが、先週は安値15395.98円でその水準に近づいてきました。これで二番底形成となるのか、はたまた英国のEU離脱で底割れとなるのか固唾を飲んで見守る投資家が多いと思います。

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本当に離脱となればその影響は計り知れないと言われますので離脱後にリーマンショックのような展開となる可能性も秘めているからこそ投資家は慎重になっている訳です。

仮に離脱となると欧米株の株価下落、上海、香港株の大幅な株価下落となりまた負のスパイラルも想定されるため、投資家は覚悟しておかないとなりませんが、皆さんには覚悟ができていますか。

救いは心配が先だって空売りが増えていることで、意外なことに結果がどうであれ案外、あく抜けの動きが見られる可能性があることです。

二番底形成では日経平均は15000円台前半で下げ止まる必要があります。先週の15395円が二番底になるかはまだ予断を許せません。1ドル=103.58円まで上昇した為替相場はドルが底割れしたばかりであり、まだ先高感が残っていますので日経平均もまだ下値模索の段階にあると言えます。

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

日銀期待と参院選

トレンドの反転のためには日本政府が市場に何らかのサプライズを与える施策を打ち出す必要がありますが、先週は日銀が現状の政策維持で新たな対応を打ち出すことなく、ネガティブインパクトをもたらしてしまいました。

7月10日に向けた参院選挙公示でいよいよ選挙ムードが高まり、政策よりも選挙という雰囲気が漂いつつあります。

こうなると政策催促相場に陥る恐れもありますが、安倍政権にとっても英国のEUからの離脱の結論が出る23日以降は財政政策も含めた景気刺激策を打ち出すタイミングを伺うことが求められます。

二番底形成か底割れかの時期ながら、これが最悪期だろうと願望を込めて皆さんの勇気ある行動にも期待をしております。

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ピンチはチャンス。もしこの局面で株を買うなら

株は安く買って高く売る…。誰しもが理想とするとても簡単な株式売買のツボではありますが、これがなかなか難しい。

100人の投資家がいるとして株式売買で大儲けする方は限定されていて、損する方が多い。簡単な株の売買のツボを実践するのは、とても難しいのです。

難しいけれど、それを乗り越えて資産形成に励む「億の近道」に集う読者の皆さんは一歩一歩卓越した投資家になって頂いているものと思います。

ところで皆さんが日頃関心を持たれている株式相場は様々な要因で変動を続けます。日経平均は選択された225銘柄の平均株価であり、TOPIXとともに日本株の代表的な指数です。全体相場の動向を示していて指数自体が先物として取引されています。

ですから一般的に日本株を象徴した指数としてメディアが日々取り上げてくれますので株価の動向に関心をお寄せの皆さんもまずはこれらの指数を見ることになります。

先週の日経平均は安値15395.98円。直近の5月31日高値17251.36円(消費税凍結相場)から10.8%下落した水準となってきました。英国のEU離脱を問う国民投票が23日に接近し、買い手控えられている中で為替が円高に進み、1ドル=103円台をつけるに至っています。

こうした円高基調の為替相場を横目に見切り売りが断続的に出ており、相場の基調は弱いまま推移しています。

週末の終値は安値から少し反転し15599.66円。2月安値14865.77円に対し一応の二番底形成だとみなせば、多少は気持ちも落ち着きます。

23日の結果待ちながら、結果離脱となって、そこから更に売られてもそこで悪材料は出尽くしとなる可能性があります。こうした局面で投げ相場にお付き合いする短期投資家もいますが、それでこの相場が形成されていますので、残り3日間の相場を過度に悲観視するよりは、前向きにこうした局面で買える銘柄探しをすべきではないかと思いますが、皆さんのお考えはいかがでしょうか。

この局面で買うこと自体は完全に成功するとは言い切れません。英国が本当にEU離脱となった場合の影響は未知数で、様々な観測が流れていてマクロ経済や株式市場へのマイナスの影響も予想されます。ですから、この局面での投資はリスクもありますが、個々の銘柄ごとに見ると全体相場の調整で信用取引の投げが出るなど本来の価値を逸脱した値動きが見られますので選定を誤らない限りはチャンスが来ていると見られます。

リスク分散では銘柄分散のほか時間分散というやり方があり、20日から23日のEU離脱の結果が出る局面と結果が出た局面での分散投資を行う段階に来ているものと思われます。

もしこの局面で買うなら皆さんはどの銘柄になさいますか?一杯あり過ぎて目移りされるかもしれません。

流動性重視でいくか企業価値で選定するか、ここは思案のしどころです。

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炎がこの局面で買いたい3つの個別銘柄

(1)テノックス<1905> 680円

テノックス<1905> 日足(SBI証券提供)

言わずと知れたバリュー株でこのところの流動性高まる。PER4.7倍、PBR0.47倍、配当利回り4.26%。配当利回りは配当性向20%の前提。30%だと6%台も想定可能です。この水準でなぜ売るのか。臆病な株主が多いのかも知れません。下値に並んだ買いに売りがぶつかり週末の出来高は5万株以上に増加。800円までついての調整で見事な買い場到来と見るか私の目に狂いがなければ、その確率は高いと感じます。

今のところ指標面では日本でもトップクラスの割安感あり。

PER面、PBR面では同じ震災関連業界のE・Jホールディングス<2153>の3倍台、0.3倍台には敵いませんが、流動性が高い同社にこの局面では注目したいと思います。出来高も100株単位移行で活発化しています。

問題はIR不足。この点のネックが解消されれば株価は糸の切れた凧の状態になると考えられます。

(2)アドソル日進<3837> 1284円

アドソル日進<3837> 日足(SBI証券提供)

IoT機器向けサイバーセキュリティ関連事業を展開するなどとても有望な銘柄であることは明らかですが、全体相場の流れに押されて調整が続いています。なぜ注目しているかの詳細は有料メルマガ(購読お申込みをお待ちしております)等でご報告しますが、そろそろLynxセキュアに関しての具体的な事業成果が表面化するものと期待されるからです。

また、単純に言えば過去の安値が2月12日1150円、4月6日1220円、6月16日1250円(暫定安値)と切り上がってきている点に注目しています。

億の近道月曜版では同社社長との交流会を来月27日に予定しておりますので詳細決まり次第お知らせします。

(3)インスペック<6656> 619円

インスペック<6656> 日足(SBI証券提供)

上げ下げ活発になってきましたが、全体相場が大きく売られた際にストップ高を演じるなど逆行高の動きが見られます。先週はそれ以上に売られて元の水準になるなどこのところの株価変動は激しいものがあります。

短期売買の投機家と中長期スタンスでこの株に注目する投資家とが入り交じり、株価の変動幅を大きくしていますが実体の企業内容をしっかり知れば驚かれる投資家が多いと思います。何よりも時価総額がたったの16億円未満という水準にあるR&D型企業ということを理解しないとなりません。

短期で上がったから売るという投資家と中長期スタンスで取り敢えずいくらでも良いからポートに入れておこうとする投資家がせめぎ合う中での週末の大きな株価下落をどう見るかですが、私はまだ動きは始まったばかりと見ています。

出来高面では申し分なく、強弱感対立する中で激しい値動きが見られますがこれも別途の有料メルマガにて詳細の内容報告を予定しておりますのでご購読のほど宜しくお願い申し上げます。

まだまだ出てきそうですが、本日のところはここまでとします。

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億の近道』(2016年6月20日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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