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巨人・坂本、2億4000万円の確定申告漏れに噴出する同情論。自主トレ費用はプロ野球選手の必要経費にあらず?

先週開幕したばかりの日本のプロ野球だが、巨人の坂本勇人選手が東京国税局の税務調査を受け、およそ2億4000万円の申告漏れを指摘されたと報じられたことが、大きな話題となっているようだ。

報道によれば、坂本選手は同僚の選手との料亭やクラブでの飲食代などを、必要経費に含めて計上。年俸などの収入から差し引いて、所得税の確定申告を行っていたものの、東京国税局は経費とは認められないと判断。2022年までの3年間でおよそ2億4000万円の申告漏れを指摘したという。

ただ国税局は、意図的な税逃れではなく悪質ではないとして重加算税は課さず、過少申告加算税を含めておよそ1億円を追徴課税したという。

この件に関して、坂本選手が所属する巨人は「従来認められていた自主トレなどの費用も含め否認されましたが、税務署の指示に従って申告し、納税しました。いわゆる脱税にあたる悪質な申告漏れまたは所得隠しにはあたりません」とコメントしているという。

ファンからは「スキャンダル打法」を期待する声も

2024年シーズンまでの通算安打数は2415本、本塁打も295本放つなど、現役バリバリの選手なからもすでにレジェンド級の成績をこれまで残している坂本勇人選手。

ただその反面で坂本選手といえば、グラウンド外での醜聞で世間を騒がせることも多く、2022年には知人女性との間で“中絶トラブル”が起きていると報じられたことが。

その際に一部メディアに晒された、女性とのLINEのやり取りの中にあった「けつあな確定」という言葉はいわゆるミーム化され、ある意味で坂本選手の“悪しき代名詞”となったことも記憶に新しい。

それだけに今回の件を巡っても、ネット上では「けつあな確定申告漏れ」というワードが生まれ、早々にトレンド入りを果たすという展開となっているようだ。

いっぽうで、この“中絶トラブル”にくわえ、実は昨年5月にも銀座や六本木の高級クラブなどの飲食費を必要経費として計上したとして、申告漏れを税務当局から指摘されていたとの報道があった坂本選手だが、この手の報道の直後はなぜかよく打つというジンクスあるようで、「スキャンダル打法」なるワードも巨人ファンの間では実しやかに囁かれている状況。

昨シーズンは打率.238、7本塁打と打棒が低迷し、今シーズンもまだ開幕したばかりだとはいえ、これまで9打席ノーヒットといいところがない坂本選手だが、今回の不祥事報道を契機に調子が上向くのでは……との期待するファンも少なくはないようだ。

プロ野球選手の必要経費はどこまで?

そもそもプロ野球界の“申告漏れ”といえば、1997年に複数の選手やコーチらが、名古屋のとある経営コンサルの手引きのもと、偽領収書での架空経費計上や、架空の顧問料支払いなどの手口で所得隠しをしていたことが露見。その行為の悪質ぶりから、多くの選手やコーチに執行猶予付きながらも有罪判決が下り、またコミッショナーからも多額の制裁金を科されたという、いわゆる「プロ野球脱税事件」があまりにも有名だ。

またそのいっぽうで、プロ野球を統括する大元の日本野球機構も、2008年に審判員や記録員のペナントレースへの派遣を巡って、その人件費が経費と認められず、4年間で7億数千万円の申告漏れを指摘されたことが。悪意の有無の違いは大きいとはいえ、いうなればプロ野球界といえば、こういう申告漏れはよくある話といったところ。

そんななかで今回の坂本選手の申告漏れ報道なのだが、一部からは「これはかわいそう」といった声も。というのも先述の巨人側のコメントにもあるように、プロ野球選手が2月のキャンプイン前に行う、いわゆる「自主トレ」の費用が、従来経費として認められていたのが今回認められなかったようなのだ。

今年1月に報じられた記事によれば、坂本選手は今シーズン、沖縄・那覇市内で合同自主トレを実施。今年はオコエ瑠偉ら同チームの後輩選手なども含めた総勢6人で行っていたというのだが、プロ野球界の慣例として自主トレ期間中にかかる宿泊費や食費などは、高給取りのベテラン選手がすべて負担するケースが多いとのこと。

3年間でおよそ2億4000万円、1年に均すと8000万円という申告漏れには、こういった費用を経費計上したものも多分に含まれていたようなのだが、それが認められなかったということで、ネット上からは驚きの声とともに「自主トレはどう考えても必要経費では?」との意見が多くあがっているのだ。

もっとも自身の自主トレ費用は必要経費だが、若手選手の費用負担分は経費に認められなかった、といいった可能性も考えられるなど、その線引きがどこにあるのか詳しいところは不明。とはいえ後輩を連れて自主トレ……といった話は、坂本選手に限らず他球団を含めた他選手にもあるわけで、今回の件を契機に同様の指摘が相次ぐといった事態も、ひょっとすると考えられなくもないといった状況のようだ。

Next: 「いい加減目を覚ませ坂本」



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Image by:Ned Snowman / Shutterstock.com

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