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トーセ、ゲーム事業好調で売上高は前年同期比増収 「Nintendo Switch 2」向け開発プロジェクトも始動

業績ハイライト

渡辺康人氏:株式会社トーセ代表取締役社長兼COOの渡辺康人です。2026年8月期第1四半期決算説明を始めます。

当第1四半期においては、ゲーム事業の複数の主要プロジェクトで、2025年8月期の後半にかけて高まった開発活動が引き続き活発に進行したことから、売上高は前年同期を上回り18億5,500万円となりました。

利益面については、ゲーム事業の主要な開発プロジェクトがスムーズに進行し、収益性は良好に推移しています。一方で、レベニューシェア※が前年同期に比べて減少したことから、営業利益は2億3,200万円、経常利益は2億6,400万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億8,600万円となりました。

※開発したタイトルの販売に応じて分配される成功報酬であり、原価を伴わない収益のこと。

ゲーム事業

家庭用ゲーム機・PC関連については、2023年8月期以前から継続して取り組んでいるプロジェクトを含む複数の主要な開発プロジェクトで、開発活動が最も活発なフェーズが前期より続いており、それらの順調な進行に応じて売上が伸長しました。

また、「Nintendo Switch 2」向けも含め小規模な開発プロジェクトも複数始動しており、稼働も徐々に改善し、主軸事業であるゲーム開発は前期のV字回復に引き続き堅調に推移しています。結果、売上高は前年同期に比べて26.3パーセント増加し、14億7,100万円となりました。

スマートフォン関連については、スマートフォンゲーム市場の競争過熱が続いており、新規開発は家庭用ゲーム機向けの依頼を優先して対応しているため、現在、スマートフォンゲームの新規開発プロジェクトは進行していません。

継続して従事しているスマートフォンゲームの運営については安定して推移しましたが、いずれも配信開始から5年以上経過していることなどから、一部の収益は減少の傾向にあります。結果、売上高は前年同期に比べて17.2パーセント減少し、2億8,500万円となりました。

その他は売上高60万円となり、ゲーム事業の売上高は17億5,800万円となりました。

セグメント営業利益については、前年同期にはクライアントが実施したキャンペーン等によりエンドユーザーへの販売や課金が好調で、一時的にレベニューシェアが増加しましたが、当第1四半期では、クライアントによるソフトの販売時期などから貢献するタイトルが限られており、運営に携わるスマートフォンゲームも一部の収益は縮小傾向にあることから、家庭用ゲーム機・PC関連、スマートフォン関連ともに、レベニューシェアは減少しました。

しかし、先述のとおり家庭用ゲーム機・PC関連の主要な開発プロジェクトの貢献による増収と、それらのスムーズな進行によって収益性が良好に推移したことで、セグメント営業利益は2億2,300万円と、前年同期からの減益幅は4,400万円に抑制できました。

パイプライン情報

ゲーム事業において、2026年8月期通期で5億円以上の売上計上を予定している開発プロジェクトはご覧のとおりです。いずれも概ね良好に進⾏しており、売上高・利益ともに安定して推移しています。

その他事業

その他事業では、新しいビジネスの創出に向けて、複数のフィールドで市場やニーズの調査、それらに基づくサービスの企画等を進めています。

例えば教育関連分野では、学習状況等に合わせて教材内容を個別に最適化し、また解析した学習データを授業・教材の改善に活用する、インタラクティブなデジタル学習基盤の開発・保守等に参画しています。

エンタテインメント領域でも、他業種とゲームを組み合わせた企画やIPに関する提案等に取り組んでいます。しかし、前年同期の売上に大きく貢献した教育関連のコンテンツ開発は前期中に終了していることから、当第1四半期のその他事業の開発売上は減少しました。

家庭用カラオケ楽曲配信事業の収益は安定して推移し、前年同期とほぼ同水準となりました。

結果、その他事業の売上高は9,700万円と前年同期に比べ52.5パーセント減少し、セグメント営業利益は900万円と前年同期に比べ66.8パーセント減少しました。

業績予想ハイライト

2026年8月期の通期業績予想は、前回発表したものから変更ありません。

当第1四半期の業績は、これまでのご説明のとおり売上高・利益ともに好調に推移しており、前回発表した通期業績予想に対する進捗率も高い状況です。しかし、ゲーム事業の主要な開発プロジェクトのうちいくつかが終盤に差し掛かる予定であり、⼊れ替わりに下期において、複数の新しい開発プロジェクトが⽴ち上がる⾒通しです。クライアントと開始時期や要件等の調整を要するなど現時点では不確実性が高いプロジェクトもあることを考慮し、前回発表の業績予想を据え置くこととします。

スムーズなプロジェクト移行に努め、今後の事業動向を注視し、第2四半期以降の業績を勘案のうえ、通期業績の見通しの確実性がより高まり次第、速やかにお知らせします。

なお、土地の売却による特別利益は第4四半期に発生することを見込んでいるため、親会社株主に帰属する当期純利益の予想に対する第1四半期の同利益の進捗は、営業利益・経常利益に比べ、低くなっています。

通期売上高に対する1Qの進捗率

ゲーム事業の稼働が徐々に改善していることを背景に、通期の売上予想に対する第1四半期の進捗率は28.5パーセントと、過去2年の第1四半期に比べ、順調なスタートとなりました。

セグメント別概況

ゲーム事業については、第1四半期の売上高・利益は、ともに通期業績予想に対する進捗率は⾼いものの、今後立ち上げ予定の開発プロジェクトに関する不確実性を考慮し、現時点では前回発表の業績予想を据え置いています。

その他事業については、当初より、当期は新規事業の創出に向けての仕込みのフェーズとして、複数のフィールドで市場やニーズの調査、サービスの企画等に取り組む予定であり、計画どおり活動を進めています。第1四半期末時点では、セグメント営業利益の進捗率が低調ですが、計画の範囲内の進捗です。

【参考資料】特別利益の発生見込み

ここからは参考資料です。長岡京トーセビルの建替えに伴う土地の売却に関連して、2026年8月期に特別利益の発生を見込んでいます。

2025年3月24日の適時開示でお知らせしているとおり、当社が京都府長岡京市に有する、長岡京トーセビルおよび隣接する長岡ターミナルビルの老朽化が進んでいることから、その2棟を解体し新たなオフィスビル1棟を建設することを計画しています。

それに伴い、2棟のビル解体後、新オフィスビル建設予定地以外の土地を売却することとしました。当該売却益の計上を2026年8月期に見込んでいます。

なお、土地の売却による収入は新オフィスビルの建設資金として活用することを予定しています。

【参考資料】従業員数、人的資本に関する施策の推移

2025年8月期決算説明資料より、従業員数、人的資本に関する施策の推移です。

【参考資料】プラットフォーム別売上(3年平均)の推移

2025年8月期決算説明資料より、プラットフォーム別売上高の推移です。

【参考資料】売上高・営業利益の四半期推移

2024年8月期は次世代ゲーム機発表前の端境期であり、加速する市場の変化により、複数のゲーム関連会社において開発中または開発したタイトルの評価替えがされるなど、ゲーム開発の⽅針や考え⽅の転換が⾒られました。

当社においてもプロジェクトの中⽌や失注があったことに加え、新規クライアントとの開発プロジェクトでのトラブル等が重なり業績が⼀時的に低迷しましたが、地道に開発技術⼒の強化を進めてきたことで、2025年8⽉期に早期に復調し、現在は売上・利益ともに安定して推移しています。

【参考資料】報告セグメント別 売上⾼・営業利益の四半期推移

報告セグメント別売上⾼・営業利益の四半期推移については、スライドのとおりです。

【参考資料】会社概要

最後に、会社概要です。

質疑応答(要旨)1

Q:2026年8月期第1四半期の業績は通期業績予想に対し高い進捗率でしたが、通期業績予想は上方修正されないのでしょうか?

A:当第1四半期の業績は、ゲーム事業の複数のプロジェクトが活発に進行したことから、売上高・利益ともに好調に推移し、通期業績予想に対して高い進捗率となりました。

しかし、今後ゲーム事業の主要な開発プロジェクトのうちいくつかが終盤に差し掛かっていき、⼊れ替わりに下期において、複数の新しい開発プロジェクトを⽴ち上げる予定です。

クライアントと開始時期や要件等の調整を要するなど現時点では不確実性が高いプロジェクトもあることを考慮し、現時点では前回発表の業績予想を据え置きとします。

スタッフをスムーズに新しいプロジェクトへシフトさせ、今後の事業動向を注視し、第2四半期以降の業績を勘案の上、通期業績の見通しの確実性がより高まりましたら速やかにお知らせします。

質疑応答(要旨)2

Q:2026年8月期の下期に立ち上げを予定している開発プロジェクトに不確実性があるとのことですが、予定どおり開始できなかった場合、現在の業績予想を下回る可能性もあるのでしょうか?

A:現在の業績予想には一定のリスクを織り込んでおり、達成確度の高い水準としています。また、下期に開始を予定している主要な開発プロジェクトのうちいくつかは、受注確度が高まってきています。以上のことから、現在の通期業績予想を下回る可能性は低いと考えています。

質疑応答(要旨)3

Q:レベニューシェアについて教えてください。レベニューシェアは開発したタイトルのエンドユーザーへの販売に応じて入ってくるのでしょうか?

A:おっしゃるとおり、ゲーム事業におけるレベニューシェアは、開発したタイトルの販売実績などに応じて販売元から分配される成功報酬であり、原価を伴わない収益です。

当社が開発したタイトルのエンドユーザーへの販売のほか、運営するスマートフォンゲームにおけるユーザーからの課金額に応じて成功報酬が分配されるケースもあります。分配される比率(金額)はタイトルやクライアントによって契約内容が異なります。レベニューシェアはプロジェクト全体の収益性に大きく影響する重要な要素と考えています。

なお、当社ではその他事業でIPを活用したビジネスの展開を図っており、IPホルダーからライセンスを受けたIPをサブライセンスするなどのサービスを提供する場合もあります。このようなケースのレベニューシェア(ロイヤリティ収入)には、IPホルダーへ支払うライセンス費用が原価として発生します。

質疑応答(要旨)4

Q:当第1四半期のゲーム事業の売上は前年同期比増収であるのに対し、レベニューシェアが減少したことによりセグメント営業利益は前年同期比減益となったとのことですが、今後レベニューシェアが期待できるタイトルはありますか?

A:クライアントによるソフトの販売時期などから、レベニューシェアとして2026年8月期の収益に貢献するタイトルが限られていることや、運営に携わるスマートフォンゲームも一部の収益は縮小傾向にあることから、当第1四半期は前年同期に比べレベニューシェアは減少しました。

当社が開発するタイトルについては原則、レベニューシェアについてクライアントとの交渉に努めており、今後リリースが予定されているタイトルの販売状況によっては、レベニューシェアが増加する可能性もあります。

ヒットが期待されるタイトルに優先的に取り組み、高品質の開発サービスを提供することを軸に、レベニューシェアの増加を目指していきます。

質疑応答(要旨)5

Q:「Nintendo Switch 2」向けのゲームソフト開発の受注状況はいかがでしょうか?

A:「Nintendo Switch 2」向け商品については、同機種を含むマルチプラットフォーム対応のソフトの開発依頼を新たに数件受注し進行しています。また、開発中もしくは過去に開発したタイトルの同機種向け対応についてもご相談をいただいており、すでに進行しているものもあります。

加えて、同機種の性能や特性を活かした企画提案を当社からも行っており、今後の受注拡大に向けた取り組みを進めています。

質疑応答(要旨)6

Q:2025年8月期の下期から、ゲーム事業の収益水準が切り上がっているように見受けられますが、今後さらに伸ばしていくためにどのような施策を考えていますか?

A:今後の収益拡大に向けた施策としては、開発技術力と生産性を高め、開発人財の質向上を重視して開発リソースを拡大していくことで、高難度への対応と高い開発品質を軸に、開発プロジェクトの売上規模と収益性の両方を引き上げていくことを考えています。

また、適正な稼働水準を安定的に維持することも重要な課題であり、高度なプロジェクトマネジメントができる人財の育成や採用、開発スタッフのスキル底上げを図りプロジェクトとのマッチング度向上、クライアントとのコミュニケーション強化によるプロジェクトスケジュール等の柔軟な交渉等に取り組んでいます。

さらに、ヒットや長期運営が見込まれるタイトルの開発に優先的に取り組み、レベニューシェアや運営売上の拡大を図っていきます。

質疑応答(要旨)7

Q:パイプライン情報には4つのプロジェクトが掲載されていますが、掲載されていない小規模な開発プロジェクトはいくつ進行しているのでしょうか?

A:パイプライン情報に掲載していない小規模な開発プロジェクトについては、数億円規模のものが数件、さらにそれより小さい規模で部分的な制作などを複数進行しています。

数十億円規模のプロジェクトは、本制作には多大な開発リソースを必要とする一方、立ち上げ時や終盤には稼働が高まりにくく、プロジェクトと次のプロジェクトの間が想定以上に空いてしまうこともあるなど、適正な稼働を安定的に維持することが難しい局面も多いです。

そのことから、中小様々な規模の開発プロジェクトを組み合わせて並行して進行するとともに、クライアントとプロジェクトスケジュールを調整し、開発スタッフのプロジェクトへのアサイン最適化に努め、稼働の安定を図っています。

質疑応答(要旨)8

Q:現時点で、2024年8月期に起こったような開発トラブルを抱えているプロジェクトはありませんか?

A:プロジェクトマネジメント支援室の活動も奏功し、現時点では重大な開発トラブル等はありません。同室では、決算説明資料4ページのパイプライン情報に掲載している大型プロジェクトを中心に、プロジェクトチームとは別の第三者の視点で進捗や品質をモニタリングし、適宜指導を実施しています。今後も引き続き万全な管理体制のもと、トラブルのないよう進めていきます。

一方、当社のコントロールが及ばない要因による開発中止等の可能性は常にあるものの、クライアントとの関係性強化を図り、そのようなリスクを最小限に抑えるよう努めています。

万一、急な中止や失注が生じた場合にも、次のプロジェクトを速やかに立ち上げられるよう、複数のクライアントとの商談を並行して進め、開発時期等を相談するようにしています。そして、開発人財を柔軟にプロジェクトへアサインできるよう、専門性を高める育成や組織体制の整備にも注力しています。

質疑応答(要旨)9

Q:いわゆるスマホ新法が施行され、スマートフォンゲームを運営する企業には影響があるかと思いますが、御社の業績にも影響があるのでしょうか?

A:いわゆるスマホ新法※の施行により、ゲームアプリを配信するパブリッシャー各社においては、決済方法の多様化に伴う手数料負担の軽減などが進み、利益面でプラスの影響が生じるケースもあるものと認識しています。現時点において、当社の業績への大きな影響はない見通しです。

スマートフォン向けゲーム市場は競争が激しく新規タイトルの投入は慎重に検討される傾向が継続していますが、将来的に同法の効果で市場の活性化が進むようであれば、パブリッシャー各社の開発・運営投資が拡大した場合には、当社の受注増加や、課金に応じた当社のレベニューシェアの増加につながる可能性もあるかと思います。

※スマートフォンの利用に特に重要なソフトウェアについて、公正で自由な競争を促進することを目的として施行された新たな法規制。

質疑応答(要旨)10

Q:当第1四半期はその他事業の業績が低調だったようですが、今後の収益拡大に向けて、具体的にどのような取り組みを推進され、どのような事業を想定されているのでしょうか?

また、新規事業が業績に本格的に寄与し始める時期について、現時点での見通しがあれば教えてください。

A:当第1四半期のその他事業については、新しいビジネスの創出に向けて模索アクションを進めているフェーズであることに加え、前年同期の売上に寄与した教育関連のコンテンツ開発が前期中に終了していることなどから、前年同期比で減収減益となりました。

現在は、複数のフィールドで市場やニーズを調査し、それらに基づくサービスの企画等を進めています。具体的な例としては、教育関連分野で、学習状況等に合わせて教材内容を個別に最適化し、また解析した学習データを授業・教材の改善に活用する、インタラクティブなデジタル学習基盤の開発・保守等に参画しています。

エンタテインメント領域でも、他業種とゲームを組み合わせた企画やIPに関する提案等に取り組んでいます。より詳細な内容をご報告できるケースが出てきましたら、随時ご紹介します。新規事業が業績に本格的に寄与するまでには一定の時間を要する見通しですが、企画・試行・評価のプロセスを適切に繰り返し、中長期的に新たな収益基盤の構築を目指していきます。

質疑応答(要旨)11

Q:2026年8月期は土地の売却収入がある見込みとのことですが、獲得したキャッシュはどのように利用される予定でしょうか?

A:2026年8月期においては、長岡京トーセビルの建替えに伴い一部の土地を売却することにより、約7億8,900万円の特別利益の発生を見込んでいます。なお、この特別利益は、土地の売却価格から帳簿価格、譲渡に係る費⽤等の⾒積額を控除した概算額です。この土地の売却によって得られるキャッシュについては、新オフィスビルの建設資金として活用する予定です。

新オフィスビルは当社の主要な開発拠点とすることを想定しており、開発人財を集約することで、開発の効率性・生産性の向上を図り、大規模化・複雑化するゲーム開発への対応力の強化を目指します。あわせて、職場環境の向上と、よりクリエイティブで多様な働き方の推進ができるよう、現在、建設に係る各種計画を進めています。

※質疑応答部分は、企業提供の要旨になります。

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