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マツモト、非認知能力を資産化する次世代DAT構想を推進 ステーブルコイン活用の実証実験に向けJPYCと基本合意

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司会者:みなさま、こんばんは。本日はご多忙の折、株式会社マツモトの機関・個人投資家向け説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。

本日の説明会は、以下の流れで進行します。

はじめに、当社代表取締役社長の松本大輝より、2026年4月期第3四半期の決算概要、および2026年度の業績予想についてご説明します。あわせて、当社の新たな柱となる「成長戦略・次世代DAT構想」についても詳しくお伝えします。

また、プレゼンテーションの最後には、2026年3月16日に発表した「JPYC株式会社との基本合意書締結」、ならびに新DAT構想におけるステーブルコインの実証実験についても、社長より直接ご紹介します。

プレゼンテーション終了後には、事前にみなさまからお寄せいただいたご質問に対する回答の時間(質疑応答)を設けています。

事業ドメインの再定義

松本大輝氏(以下、松本):株式会社マツモトの松本です。本日はよろしくお願いします。

本日は、「株式会社マツモトの再定義」からお話しします。当社はこれまで、全国約7,000校との取引、卒業アルバム業界シェア第2位という確固たる地位を築いてきました。

一方で、社会環境の変化により教育のあり方、記録のあり方、価値の定義そのものが大きく進化しています。

私たちはこれを「再構築のチャンス」と捉え、教育分野への新しいサービスやデジタルプラットフォームの開発を進めています。

伝統的な事業基盤をどのように進化させ、新たな価値を創造していくのか、後ほど詳しくご説明します。

市場評価の振り返り

当社の市場評価に対する振り返りと、今後どのような姿を目指していくのかについてご説明します。まずは、これまでの株価推移についてです。

少子化による生徒数の減少に伴い、卒業アルバム事業への成長期待が低下していたため、当社の株価はしばらく低迷していました。しかし、2022年6月頃から当社の株価が急上昇し、この時期におおよそ10倍にまで達しました。

それが期待値だったかどうかは市場の評価に任せるしかありませんが、2022年秋頃に当社がWeb3.0への取り組みを公表して以降、株価は再び上昇しました。その後、現在は少し落ち着いており、「次にマツモトさんは何をするんだ」と、多くの方々が不安と期待を抱きながら待っている状況だと感じています。

現在、時価総額は約14億円から15億円となっています。この金額は、当社としても「あまりにも低い」「もっと上げていかなければならない」と考えており、厳しい評価として真摯に受け止め、最大限努力していきたいと考えています。

中期成長ビジョン

そこで、「マツモトの再定義」をかたちにするため、「時価総額100億円企業」という目標を掲げました。

「2027年4月期」を事業構造転換の年とし、既存のアルバム事業と新規事業のシナジーを最大化する体制を整えます。

「2028年4月期」には、それらの施策を結実させ、「AI×EdTechの参入+成長投資枠の拡大」を目指します。

そして最終年度となる「2029年4月期」には、売上50億円、営業利益6億円という高い目標を達成し、社会に新たな価値を提供する企業へと進化を遂げます。

単なる規模の拡大ではなく、利益を伴った持続可能な成長を実現することで、株主のみなさまの期待に応えていく所存です。

会社沿革

当社の歴史についてご説明します。当社は90年以上の歴史がありますが、社会構造の変化のたびに業態を変えながら成長してきました。

当社は1932年、小さな写真工房からスタートしました。戦地へ赴く兵士の写真撮影を行ったことが原点と聞いています。その後、卒業アルバム事業へと発展し、現在では全国約7,000校と取引を行うまでに成長しました。

また、アルバムメーカーでは唯一の上場企業でもあります。「成長の瞬間を、形に残す」という使命を90年間一貫して守り続けています。

1994年の上場、2003年のネット事業参入を経て、2022年には私、松本大輝が代表取締役に就任しました。現在はWeb3.0サービス『ShinoVi』の開始など、デジタルシフトへの挑戦を加速させています。

このように歴史を見ていくと、当社のDNAというものは、「人の形を次の時代に残す」ということであると考えています。創業時は写真を撮り「人の形を残した」、その後印刷機を入れて「人の思い出を印刷機を使って多くの人に届けた」、そして今からは「人の歩みをデータとして次の時代に残す」ということだと考えています。

既存事業の強みを活かした新規事業展開

事業多角化における大きな強みとなるのが、既存事業と新規事業が互いに高め合う「成長のフライホイール」です。

90年培った「信頼」と「7,000校のネットワーク」という当社の強固な基盤、ここに、海外アライアンスを通じて国内へいち早く導入するAI分析やWeb3ソリューションといった先端技術を融合させます。リアルな製造基盤と、AI・Web3という先端技術、この両輪を回すことで、マツモトにしかできない独自の成長サイクルを構築していきます。

新規事業の成長をサポートする外部体制

さらに成長を加速するため、私たちは資本体制も強化しました。2025年5月、筆頭株主をBrand New Retail Initiative Fundに戦略的に移行しました。これは単なる株主変更ではありません。

投資銀行出身者により設立されたファンドであり、「資本政策の設計」「事業投資の評価」「資金調達戦略」「M&Aやアライアンス設計」といった分野で専門性を持っています。

さらに、AIやブロックチェーンといった先端テクノロジー領域にも深い知見を有しています。特にDAT構想のような、「トークン設計」「エコシステム構築」「資金循環モデル」を伴う事業においては、金融とテクノロジーを横断的に設計できるパートナーは不可欠です。

この新しい体制により、先端テクノロジー領域の知見を直接事業に取り込み、個人の成長を価値に変える新たな教育・金融インフラを、最速で社会に実装していきます。

3Qトピックス

第3四半期のトピックスです。第3四半期においては、3つの特別利益を計上しました。

保険解約金、工場の一部の土地売却、不動産違約金の収入において、特別利益を計上し、そのうち、保険解約金は業績予想に織り込んでいましたが、工場の一部の土地売却、不動産違約金収入は業績予想に織り込んではおらず、これらの特別利益を含め、3期ぶりの黒字化へ向けてさまざまな手段を講じています。

2026年4月期 第3四半期 決算ハイライト

続いて、2026年4月期第3四半期決算について概要をご説明します。

まずは第3四半期の業績ハイライトです。今期第3四半期の売上高は6億5,700万円、営業利益はマイナス5億5,000万円、経常利益はマイナス4億7,300万円、四半期純利益はマイナス2億2,700万円となりました。

今期は新規事業へのリソースを投下している状態ではありますが、第3四半期は既存事業が中心の業績となりました。

販売管理費の推移

販売管理費についてご説明します。これまで四半期ごとの販売管理費は、毎四半期同水準で推移してきましたが、直近における外部の開発パートナーとの業務連携を見据えた共同プロジェクトへの投資が一時的に増加したため、第3四半期の販売管理費の合計は、1億5,700万円となりました。

今後も同様の一時的な費用は発生する可能性もありますが、概ねこれまでどおりの販売管理費の推移を想定しています。

2026年4月期 業績予想

次に、2026年4月期の業績予想についてご説明します。

今期の業績予想については、売上21億5,500万円、営業利益マイナス9,300万円、経常利益マイナス1,200万円、当期純利益5,700万円を予想しています。

当期純利益においては3期ぶりの黒字化を予想しており、前期比7億1,000万円の改善を見込んでいます。

今期は既存事業で、工場の一部の土地の売却など保有資産の縮小を行い、新規事業へ向けた投資を進めてきました。

Digital Asset Treasury

次に、当社の未来を担う最重要プロジェクト「次世代DAT構想」について詳しくご説明します。

DATとは「Digital Asset Treasury」、つまり「デジタル資産金庫」を意味します。

私たちのビジョンは、子どもたちの「見えない力」を資産に変えることです。テストの点数だけではない、日々の挑戦や努力のプロセスを信頼できるデジタル資産として確立し、教育資金が持続的に循環する新しいエコシステムの構築を目指します。

現状の評価システムにおける課題

なぜこれが必要なのかというと、現在の評価システムには3つの大きな課題があります。

1つ目は「成長記録の分断」です。成績、部活、家庭での活動がバラバラに記録され、統合されていません。

2つ目は「客観的証明の欠如」です。日々の継続力や改善の過程といった「頑張ったプロセス」を証明する仕組みがありません。

その結果、3つ目の「企業との人材ミスマッチ」が起きています。企業は面接などの限られた情報でしか判断できず、数値化しにくい真の潜在能力、いわゆる「非認知能力」を把握しづらい状況にあります。

Proof of Growth

DAT構想では、この課題を「計測・証明・価値化」の3ステップで解決します。

まず、AIと行動科学を用いて非認知能力を「計測」します。 次に、Solanaブロックチェーンを活用し、改ざん不可能な活動履歴として「証明」します。そして最後に、トークンエコノミーを通じてその学習記録を「価値化」し、次なる挑戦への資金提供へとつなげます。

結果という「点」ではなく、プロセスという「線」を価値に変える仕組みです。

非認知能力の科学的定量化

それでは、どのようにして個人の能力を可視化するのかというと、私たちは、科学的根拠をもってこれらを定量化します。

自己認識や社交性といった、従来は数値化が困難だったソフトスキルを、単なる多面評価にとどめず、「潜在的連合テスト(IAT)」を用いて測定します。

これにより、本人も自覚していない潜在的な意識や特性までを、客観的なデータとして抽出することが可能になります。

マルチモーダル AI解析

さらに、この客観性を極限まで高めるのが「マルチモーダルAI」の活用です。

本人の音声、表情の変化、記述したテキスト、そして日々の行動ログ、これらを多角的に解析することで、人間の主観によるバイアスを完全に排除します。

誰に対しても真に公平な評価を実現する、これがマツモトの提供する新しい評価のスタンダードです。

Solanaブロックチェーンを活用し、個人の実績をデジタル上で安全かつ低コストで証明

このように測定された膨大な活動履歴は、Solanaブロックチェーンによって、改ざん不可能なかたちで永続的に保存されます。

これにより、偽造不可能な信頼性を担保しながら、個人の実績を安全かつ低コストで証明できます。

ここから発行されるデジタル証明書は、単なる記録ではありません。世界基準の信頼性を持ち、進学や就職の際に個人の実績を安全に証明できる、一生涯の「信頼インフラ」となります。

これにより、偽造不可能な信頼性を担保しながら、個人の実績を安全かつ低コストで証明できます。

Sustainable Ecosystem

このような技術の先に、私たちが最終的に目指す姿があります。それは、人材と資金が永続的に循環する自律型の循環経済圏の構築です。

中央銀行の役割を果たす「DATトレジャリー」が、学習者の成長プロセスに対して資金を給付・投資します。資金を得て成長した学習者が社会へ出た際、企業はその検証済みデータに基づいて精度の高い採用を行います。採用した企業からのフィーや、成功した学習者からの収益還元が再びトレジャリーへと戻り、次の世代の学習者へと引き継がれます。

教育を「コスト」ではなく「投資と循環」へと変えていく、これが私たちの目指す自律型経済圏です。

提供価値の総括 個人と企業のWin-Winを実現するソリューション

このエコシステムが完成すれば、個人は正当な評価と支援を受けられ、企業はミスマッチのない採用が可能になります。まさにWin-Winの関係が生まれます。

教育を「コスト」から「投資と循環」へ

このエコシステムにおける具体的な支援のかたちは、大きく2つあります。

1つ目は、「即時給付型」です。これは学習時間や課題の提出状況といった「現在のプロセス」を評価し、学習の継続を支えるものです。有能な人材が経済的理由で離脱するのを防ぎ、プールに引き止めるための重要なコストと捉えています。

2つ目は、「将来投資型」です。こちらはキャリアアップや起業による収益など、将来のアップサイドを狙うものです。学習者が社会で大きな価値を生むことで、システム全体の資産価値を増幅させる強力なエンジンとなります。

中央プールを介して学習者の成果を資産化し、還元し続ける、この仕組みこそが、マツモトが提唱する新しい時代の教育支援のあり方です。

実装ロードマップ 構想から社会インフラへ

この構想を現実のものとするためのロードマップです。現在は実証実験の段階にありますが、今後は試験的運用、システムのブラッシュアップを経て、速やかに社会実装へと移していきます。単なるビジョンで終わらせず、着実なステップで市場への浸透を図ります。

JPYC株式会社と新DAT構想におけるステーブルコインの実証実験に向けた基本合意書(MOU)を締結

2026年3月16日に発表した、今回のJPYC株式会社とのIR、「新DAT構想におけるステーブルコインの実証実験に向けた基本合意書(MOU)を締結」についてご説明します。

JPYC株式会社は現在、日本で初めて法的な「電子決済手段」としての地位を確立し、広く普及させた先駆者的な会社です。そのJPYC株式会社と、当社が推進する「DAT構想」においてステーブルコインを活用した社会実験および事業化の可能性について協議を開始する運びとなりました。

この基本合意は、「①JPYCのステーブルコインを利用した新・DAT構想実現に向けての社会実験の早期立ち上げ」「②ステーブルコインのインセンティブとしての設計構築の協議」「③DAT構想収益化に向けての協議の推進」の3項目につき、両社にて協議および検討を進めていくものです。

これにより、社会実験の範囲はより広大になり、きわめて大きく、大事な社会実験を行うことが可能となります。今後の両社の取り組みにぜひともご期待ください。また、何か進展がありましたらIRにて開示します。

マツモトが掲げる3つの柱

最後になりますが、株式会社マツモトは、90年の歴史で築いた信頼をベースに、最先端のAIとブロックチェーンを融合させ、「未来の教育と記録」を再定義します。株主・投資家のみなさまには、このマツモトの大きな変革と挑戦を、ぜひ末永く見守っていただければ幸いです。

子どもたちの挑戦と成長を支える新しい仕組みは、まだ構想段階の部分も多くありますが、学びのプロセスを大切にし、社会全体で支えていくという考え方は確かなものであると考えています。

これからも、教育現場や企業、地域と連携しながら、実現可能なモデルを一歩一歩丁寧に作り上げていきます。

当社のご説明は以上となります。ありがとうございました。

質疑応答:上場廃止の回避について

司会者:ここからは、事前にお寄せいただいたご質問の中から、特に多くいただいた内容や代表的なものをご紹介し、回答します。

質問:上場廃止の回避にかかる、御社の2026年2月から4月の終値の平均株価はおいくらですか? また、ウェビナー前日の終値から4月末日までの平均株価は、いくら達成すれば上場廃止を回避できるのかご教示ください。

松本:当社では、平均株価の具体的な金額については明言を差し控えますが、現在、大株主とは株式の流動性向上および流通株式比率の改善に向けて具体的な協議を進めています。

2月から現時点の平均株価においては、上場維持は十分に可能であると認識しています。

当社はこれまで、上場会社として企業価値および株式価値の最大化に向けてさまざまな取り組みを進めてきましたが、直近ではそれらの施策が着実に具体化し、手応えを感じています。

今後は、単なる上場維持に留まらず、現在の株価水準において市場流動性を一段と高め、より幅広い投資家のみなさまに株主としてご参画いただきたいと考えています。

このような当社の戦略に対し、筆頭株主からも深い理解を得ており、流動性の向上が市場からの成長シナリオに対する理解促進に資するのであれば、協力を厭わないとの意向を確認しています。引き続き、適切な情報開示と積極的な広報活動に努め、当社の事業内容や取り組みへのご理解を深めていただけるよう邁進していきます。

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