■フィード・ワンの事業概要
3. 水産飼料事業
【強み1:北九州水産工場を中心とした安定的な生産供給体制】
【強み2:水産研究所を中心とした先進的研究開発体制】
水産飼料事業の事業プロセスは畜産飼料事業と類似点が多い。原料を仕入れて、配合飼料を製造し、全国の養殖業者に販売している。原料の約4割を占める魚粉は天然資源に依存しており、世界的に枯渇や需給ひっ迫などが懸念されていることから価格の上昇圧力が強い。製造は知多工場と最新鋭の北九州水産工場が担う。日本の海面養殖市場はマダイとブリが主要魚種であり、同社はマダイ用飼料に強みを持つ。環境配慮型飼料である無魚粉飼料「まだいDPサステナZERO」は統合以来の同社を代表する製品となっており、今後の展開にも注目したい。2026年3月期は、高水温や養殖尾数の減少などによる販売数量の減少、平均販売価格が前期を下回ったことなどの影響で減収となったが、原料価格の低下や採算管理の徹底等により収益が向上した。飼料の製造販売会社でありながら、独自の飼養技術の確立や新原料の採用にも積極的に取り組んでいる。一例を挙げると、一時的に給餌を制限することで、ダイエット後のリバウンドのような体重増加を期待する「補償成長」技術である。サステナブルな次世代養殖の実現への取り組みが同社の競争優位性と言えよう。ROICの観点では、2026年3月期に前期比2.1ポイント減の6.6%となったが、現在建設中の水産新工場への投資(約70億円)の影響が反映されており、これを除くとROICは12.1%となり、改善が順調であることがわかる。
4. 食品事業
【強み1:配合飼料メーカーだからこそ実現できる安心安全な食品】
【強み2:消費地に生産拠点を構えるパッカーとして、細かなニーズに合った製品供給】
食品事業は、配合飼料の販売先から、生産物(鶏卵、豚肉等)を買い取る取引から始まった事業である。仕入れた生産物や加工した製品は大手量販店や外食産業などに販売し、大手量販店では高いシェアを獲得しており、サプライヤーとしての地位を確立している。仕入価格は日々の鶏卵相場や豚枝肉相場を基準とする一方、販売価格は取引先によって価格変動の反映にタイムラグが生じる場合があり、相場が下がるタイミングで利益が出やすい。なお、同社子会社のマジックパール(株)が販売する味付ゆでたまご「マジックパール」は1980年に販売開始し、駅売店を中心に販売されるロングセラー製品である。ゆでたまごは「作る時代」から「買う時代」となり、市場は大きく成長している。そのような中で同社は、2025年3月に製造能力を増強した新工場を稼働開始しており、今後も成長が期待される。ROICの観点では、2026年3月期に前期比1.5ポイント減の2.2%であり、構造改革が続けられている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)