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テノックス Research Memo(5):ジャパンホームシールドと資本・業務提携

■テノックスの業績動向

2. 資本・業務提携
2025年12月にジャパンホームシールドと資本・業務提携を行った。ジャパンホームシールドは、非住宅と同規模と言われる住宅市場において、大手ハウスメーカーなどに対して地盤調査や地盤保証を行っている企業で、シェアは25%で業界トップクラスを誇る。2025年2月期の業績は、売上高が11,576百万円、営業利益が336百万円となった。税効果会計の影響により、親会社株主に帰属する当期純損失が151百万円となったが、EBITDAは健全な水準を維持していると言える。2027年3月期より持分法適用会社として収益計上する予定である。

今般の業務提携では、大きなシナジーが期待されている。たとえば、一般に技術力が弱いと言われる戸建住宅向け基礎工事において、環境や耐震・液状化などに課題を持つハウスメーカーの需要を取り込むことで、ジャパンホームシールドの調査・保証のシェアをさらに高めるだけでなく、同社自身が住宅市場の基礎工事へ本格参入することもできるからである。このほか、データや営業基盤の相互活用、海外事業への応用展開といった面でもシナジーが期待できるため、持分利益のほかこうしたシナジーによる収益も取り込んでいく方針である。特にデータの相互活用では、240万件の地盤調査実績に加え、毎年10万件ずつ積み上がるジャパンホームシールドの地盤調査データと、4万件を超す同社の詳細な施工実績データを組み合わせることで、他社を圧倒するデータベースを構築することを目指す。さらに、こうした膨大なデータに地盤解析技術やAI技術、BIM/CIM技術※などを応用することで、顧客ニーズに高い精度で速やかに応えられる基礎工事のソリューションプラットフォームを開発する考えである。

※ 建築・土木分野のプロジェクトを3次元デジタルデータで管理する技術。

国内建築好調も、先行投資で減益予想

3. 2027年3月期の業績予想
2027年3月期の業績予想について、同社は売上高23,000百万円(前期比9.0%増)、営業利益1,150百万円(同10.8%減)、経常利益1,300百万円(同2.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,000百万円(同6.5%増)を見込んでいる。

日本経済は、緩やかな回復が続くことが期待されるものの、イラン情勢の悪化による原油問題などによる原材料価格やエネルギー価格の高騰といった下振れリスクをはらんでおり、先行きは不透明な状況が続くと予測されている。建設業界においては、公共事業は引き続き防災・減災・国土強靭化対策などにより底堅く推移すると見込まれ、民間投資も企業収益の改善を背景に堅調な推移が期待されている。しかしながら、原油や建設資材の高騰、人手不足などを背景とする投資計画の延期・見直しの懸念、現場従事者の慢性的な不足など、業界を取り巻く環境はさらに厳しくなることも想定されている。

このような環境下、同社は、期待していたリニア中央新幹線プロジェクトの受注が遅れる見通しとなったものの、中期経営計画に沿って重要戦略を推進していく計画である。この結果、売上高は、国内建築事業がけん引して2ケタ近い増加を見込む。しかし、人件費や新基幹システム稼働に伴う減価償却費の増加、本社移転関連費用の発生など、将来成長に向けた投資負担により、営業利益は減益見込みとなった。ジャパンホームシールドについては持分利益を若干想定するが、シナジーによる収益は見込んでいない。なお、中東情勢に関しては、原油や建設資材の高騰に対しては価格転嫁で対応する方針である。原油の調達については、2026年5月時点で半年は安定供給可能と確認できている。とはいえ、中東情勢を理由に工事案件が消滅する可能性もあるため、期首において売上高の4ヶ月分に当たる78億円の現預金を用意して備えている。

セグメント別では、主力の建設事業は、売上高22,275百万円(前期比8.8%増)、セグメント利益1,101百万円(同13.1%減)を見込んでいる。このうち国内土木事業は、北海道新幹線延伸事業のピークアウトとリニア中央新幹線の受注遅れにより、大幅な減収減益予想となった。国内建築事業は、引き続き地盤改良が好調なうえ、投資意欲が旺盛なデータセンター向けにTN-X工法が回復、新工法のCP-X工法とテノキューブ工法も増える見込みで、2ケタ増収増益を見込んでいる。海外事業は、自動車工場など大型案件の継続に加えて日系工場の案件が増加しているため急速に収益化が進み、大幅な増収増益予想となった。なお、ベトナムで進行していたコンクリートパイル製造工場の買収は中止となった。ベトナムでの事業買収におけるリスク顕在化が中止の原因で、バリューチェーンの強化については、リスクの小さい企業買収を軸に、中期的な視野で引き続き取り組んでいく方針である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)

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