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日本化薬、バイオシミラー・自動車安全部品・半導体材料が好調 通期売上高・営業利益予想を上方修正

2027年3月期第1四半期決算説明

井上晋司氏(以下、井上):取締役・常務執行役員の井上です。決算説明の前に、一言だけお時間をいただきたいと思います。

7月14日、姫路地区で新製品開発中の試験中に事故が発生しました。関係者のみなさまにご心配をおかけしていることをお詫び申し上げます。

現在、事故原因および再発防止策について、関係当局のご指導をいただきながら詳細な調査を進めています。現時点で原因の特定には至っていませんが、安全の確保を最優先に必要な対応を講じていきます。

なお、本件は自動車向け安全装置とは別の開発品であることをお伝えします。原因究明を徹底し、必要な対策を確実に実施することで、安全文化のさらなる強化に努めていきます。

本日お伝えしたいこと

本日お伝えしたいことは、大きく2点です。

1点目は、2026年度第1四半期の業績です。売上高は、前年比126億円増の674億円、営業利益は24億円増の67億円、四半期純利益は18億円増の61億円となりました。売上高は、四半期決算としては過去最高を更新しました。

もう1点は、第1四半期の状況を踏まえ、上期の見通しを上方修正しています。一方、下期は外部環境の不確実性を考慮し、現時点では据え置いていますが、事業の勢いの変化を織り込んだものではありません。各領域とも直近の状況は総じて堅調に推移しており、下期も現時点で事業環境に大きな変化は見込んでいません。

ただし、為替や地政学的要因など、当社がコントロールできない外部要因の影響を見極める必要があるため、今回は下期予想を据え置く判断としました。

その上で、年間業績見通しを上方修正しました。売上高は2,709億円、前期比290億円の増収となります。営業利益は前期比48億円の増益で273億円、当期純利益は前期比17億円の減益ですが、今回の修正によって6億円上方修正し、229億円となります。

2026年度 第1四半期 業績

詳細についてご説明します。2026年度第1四半期の数字は先ほどお伝えしたとおりですが、補足情報をお伝えします。

まず、1株当たり四半期純利益は41.08円となっています。PBRは前年が0.77倍でしたが、第1四半期は1.04倍です。

また、為替は前年の144.59円に対し、第1四半期は159.57円となっています。この円安により、第1四半期は売上で33億円、利益で1億3,000万円の数字を押し上げる効果がありました。

2026年度 第1四半期 業績 セグメント別

セグメント別の状況です。第1四半期のモビリティ&イメージング事業領域では、前期比45億円増収の269億円となりました。内訳としては、セイフティシステムズ事業領域が前期比38億円増の217億円、ポラテクノ事業が8億円増の52億円となっています。

ファインケミカルズ事業領域は前期比38億円増加し、206億円となりました。内訳としては、機能性材料事業部が17億円増の108億円、色素材料事業部が5億円減の69億円、触媒事業部が27億円増の29億円となっています。

また、ライフサイエンス事業領域は前期比43億円増加し、199億円となりました。内訳としては、医薬は37億円増の170億円、アグロ事業は5億円増の24億円となっています。

以上のように、売上の増加などの影響により、各部門の利益も前期比で増加しています。モビリティ&イメージング事業領域は対前期10億円増の34億円、ファインケミカルズ事業領域は8億円増の33億円、ライフサイエンス事業領域は3億円増の22億円となっています。

2026年度 第1四半期 売上高 サブセグメント別

サブセグメント別についてご説明します。

医薬部門では、BS(バイオシミラー)が前期比20億円増の52億円となり、長期収載品は新薬の効果により前期比7億円増の28億円となりました。

また、セイフティシステムズ事業領域もすべての拠点で増収となっています。特に増加した拠点としては、KSE(チェコ)が10億円増加して60億円、KSH(中国)が15億円増加して59億円、KMY(マレーシア)が8億円増加して35億円となっています。

2026年度 業績見通し

ここからは、2026年度の業績見通しについてです。先ほども申し上げましたが、上期の業績を上方修正しています。一方、下期は年初に設定したものから据え置いています。

その結果、2026年度通期で売上高は2,709億円、5月の発表に対して103億円の上振れとなりました。営業利益は273億円で5月発表比19億円の上振れ、当期純利益は229億円で、同じく6億円の上振れとなっています。

なお、今回の上期の為替設定は年初の148.00円から160.98円へ修正しました。直近では為替介入の影響もあり156円程度まで円高が一気に進みましたが、今回の計算では上期は160.98円で算出しています。

ただし、下期の販売計画などは年初計画のままで、その際に使用している為替は148.00円と設定したまま計算しています。今回の修正により、ROEは8.2パーセントから8.4パーセントへ、ROICは5.6パーセントから6.0パーセントへ、それぞれ上方修正を見込んでいます。

2026年度 業績見通し セグメント別

2026年度のセグメント別業績についてです。こちらも上期に修正があり、下期は年初の計画を維持しています。

その結果、モビリティ&イメージング事業領域の通期売上は、5月時点から38億円増加して1,074億円、ファインケミカルズ事業領域は32億円増加して787億円、ライフサイエンス事業領域は33億円増加して848億円を見込んでいます。

また、部門の営業利益は各事業領域で10億円、9億円、1億円の上振れを見込み、トータルで371億円としています。

2026年度 売上高見通し サブセグメント別

サブセグメント別の年間見通しです。大きなポイントとして、セイフティシステムズ事業領域のKSE(チェコ)が、5月の発表時と比較して13億円上振れしています。

また、KMY(マレーシア)は10億円上振れし、141億円と見込んでいます。機能性材料事業は22億円ほど上振れして404億円、色素材料事業は13億円上振れして258億円と見ています。

さらに、医薬事業ではバイオシミラーが25億円増加したこともあり、29億円上振れとなっています。

モビリティ&イメージング事業領域

ここからは、各事業領域別の業績概況についてご説明します。

スライド左上の棒グラフは、2025年の上期・下期、2026年度の上期の見通しおよび下期のデータを掲載しています。折れ線グラフは利益を示しており、下段には四半期別のデータを載せています。

2026年度第1四半期について、セイフティシステムズでは、アジア生産拠点においてインフレータおよびマイクロガスジェネレータの販売数量が増加しています。また、ヨーロッパ生産拠点においてスクイブの販売数量も増加しました。

ポラテクノ事業についてご説明します。ヘッドアップディスプレイ用遮光板は、中国車向けで回復しています。加えて、日本車およびヨーロッパ車向けの需要が堅調に伸びている状況です。

また、X線分析装置用部材も好調に推移しており、第1四半期の部門営業利益に関しては、セイフティシステムズで価格転嫁の効果が見られました。継続していた原材料高騰は一服傾向にあり、さらに円安も寄与して、結果的に増益になったということです。

ポラテクノ事業では、製品ポートフォリオの再編による採算性の改善が進みました。また、円安も寄与し、増益となっています。

第2四半期以降の見通しについては、大筋は第1四半期と大きな変化はなく、中国顧客向けインフレータ、韓国顧客向けマイクロガスジェネレータ、ヨーロッパ顧客向けスクイブのいずれも好調を維持すると見ています。

さらに、ポラテクノ事業のヘッドアップディスプレイやX線分析装置用部材も、引き続き好調を維持すると見込んでいます。また、エアロ事業(ドローン用パラシュート)については、北米市場での販売先の拡大に加え、中国市場への出荷開始も予定しています。

部門営業利益については、売上が堅調に推移すること、セイフティ分野で進めていた価格転嫁が第1四半期に続きさらに進むこと、グローバルでの原材料費低減活動が進展することなどを踏まえ、堅調に推移すると見込んでいます。

また、ポラテクノについては、ヘッドアップディスプレイやX線分析装置が引き続き好調に推移すると予測しています。

ファインケミカルズ事業領域

続いて、ファインケミカルズ事業領域についてです。

第1四半期における機能性材料事業部では、AIやハイエンドサーバーをはじめとする先端分野の半導体市況の影響を受け、各種材料が拡大傾向にあります。機能性材料の主な市場である封止材についても、市況は非常に堅調に推移しています。

次に、色素材料事業について、前期第1四半期は関税問題の懸念による前取り需要が発生し、大きな売上高である75億円を記録しました。その影響もあり、対前年度比では減収となりましたが、前期が特需による一時的な高水準だったことが要因です。

産業用インクジェットインクおよび感熱顕色剤は、いずれも需要が非常に堅調に推移しています。触媒については、出荷時期の違いにより増収となりました。

全体を通じて、第1四半期は売上高の増加に伴い、利益額も増加しました。説明は割愛しますが、第2四半期も第1四半期とほぼ同様の状況であると考えています。

ライフサイエンス事業領域

ライフサイエンス事業についてご説明します。医薬分野においては、バイオシミラーと新製品が第1四半期は好調に推移しました。新薬に関しては「イブトロジー」が市場で浸透しつつあります。

バイオシミラーについても、「アダリムマブBS」が3月時点では市場シェア19パーセントと発表していましたが、この6月時点では2ポイント増加し、21パーセントの市場シェアへと拡大しました。

ジェネリック抗がん剤のアビラテロン錠250mg「NK」も、市場での浸透が進んでいます。アグロ事業はフロメトキンの販売増加により、好調に推移しています。

事業全体では、基本的に売上高の増加に伴う利益額の増加が第1四半期で見られました。第2四半期以降の見通しについては、新薬の浸透やバイオシミラーの数量増により増収を見込んでいます。

新薬では、「イブトロジー」に加えて「ポートラーザ」も含めた2剤の市場浸透がさらに進む予定です。また、泌尿器領域の「アラグリオ」も市場浸透、およびコ・プロモーションの推進が利益増加に貢献していくと見ています。

利益に関しても、新薬の市場浸透やバイオシミラーの数量増により補い、増益を見込んでいます。

開発パイプラインの状況 【2026年8月3日 現在】

医薬のパイプラインの状況です。5月に発表した内容から大きな変更はありませんが、着実に進捗しています。

中東情勢の影響

中東情勢の影響についてです。5月にも発表していますが、原料高騰などの影響はあるものの、生産等には大きな影響を及ぼしていません。

また、原料高騰分に関しては自社努力で吸収し、吸収できない場合には価格転嫁を基本方針としています。こちらは、3ヶ月前から大きな変化はありません。

直近では熊本県で大きな地震がありましたが、当社への直接的な被害はありませんでした。一方、顧客側では一部生産等に影響がありましたが、当社への影響は非常に限定的であると見ています。

なお、今後時間の経過とともに状況が変化する可能性がある場合には、速やかに開示を行う予定です。私からの発表は以上です。

質疑応答:セイフティシステムズの売上増加要因について

質問者:モビリティ&イメージング事業のうち、セイフティシステムズについて質問です。売上が大幅に伸びているようですが、こちらは主に数量が大幅に増加しているという理解でよろしいでしょうか?

また、中国での伸びについては、新しい設備が貢献しているのか、その背景を教えていただきたいです。さらに、ヨーロッパにおけるスクイブの売上増加についても、数量が伸びている理由をご説明いただけますか?

井崎直樹氏(以下、井崎):モビリティ&イメージング事業領域企画部長の井崎です。ご質問いただいた全体の数字については、数量が伸びていることに加え、為替の影響もあり、前年よりもかなり伸びています。

全体像としては、中国向けのインフレータが好調です。中国拠点だけでなく、日本の姫路拠点やKMY(マレーシア)拠点でもインフレータのバックアップを行っており、これが昨年に比べて数量が増加しています。

欧州のお客さまについては、マイクロガスジェネレータの内製化に関する計画があります。こちらはお客さま側で進めているもので、少し後ろ倒しになっているため、上振れが見られます。

また、こちらも欧州のお客さまについてですが、インフレータに使用するスクイブ「GTMS」を供給しています。このインフレータが非常に売れており、需要が好調です。

次に、「中国の設備増強が寄与していますか?」というご質問については、ディスク型インフレータがかなり増えています。そのため、設備増強を行うというよりはかなり高稼働で運転しており、日本とマレーシアからのバックアップによって増加に対応しています。

質問者:1点補足をお願いします。中国のディスク型インフレータが増えている要因は、マーケット全体の生産台数が増えているというより、御社のシェアが上昇しているということでしょうか? 

井崎:そのとおりです。当社のシェアが増えている状況です。

質問者:シェアが上昇している理由には、どのような要因があるのでしょうか?

井崎:現在、中国の自動車市場は国内販売が不調ですが、輸出でカバーしており、ほぼ100パーセントという状況です。その中で、中国のTier1メーカーのシェアが増加していることが要因となっています。

日本化薬のKSH(中国)が中国のTier1メーカーに非常に強い影響力を持っている状況があり、その結果として数量が増加しています。

質疑応答:ファインケミカルズの好調要因と第2四半期の見通しについて

質問者:ファインケミカルズの機能性材料について質問です。非常に好調ということで、1月から3月もそうでしたが、ここにきてモメンタムがさらに強まっている印象を受けます。AI・ハイエンドサーバー向けの需要がかなり効いているという理解でよいのでしょうか?

また、第2四半期についても若干上振れる可能性があるように感じますが、そのあたりのイメージについて教えていただけますか?

北山弘和氏(以下、北山):ファインケミカルズ事業領域企画部長の北山です。まず、AI関連が影響しているのかというご質問については、今回の資料にも記載しましたとおり、封止材の市況が今期、特に4月以降は一段と需要が高まった状況です。

封止材については、AI関連のハイエンドサーバー向けが堅調であることに加え、中国市場では堅調が継続していること、さらには車載向け需要が回復したことが大きな要因となり、堅調に推移しています。また、基板も引き続き堅調な需要が継続しています。

下期については、冒頭に井上が説明しましたように、さまざまな背景があり、現時点では計画の見直しは行っていません。ただし、市況の状況としては、半導体関係においてWSTSも大幅に上方修正され、足元は非常に良好な状況にあります。

質問者:第2四半期も上振れしそうな印象を受けますが、第2四半期は現在、そのような見通しということでよいでしょうか?

北山:第2四半期については、基板の一部のお客さまのところで汎用系のサーバーが若干調整されることを見込んでいます。そのため、かなり堅めの数字となっており、第1四半期よりも若干落ちた数字になっています。

質疑応答:モビリティ&イメージングにおける設備投資と生産計画について

質問者:モビリティ&イメージング事業について質問です。設備投資について、「中国、メキシコ、マレーシアでの増強」とありますが、増強される品目はシリンダー型のインフレータが中心でしょうか?

また、KSE(チェコ)ではスクイブの需要が伸びているとのことですが、チェコでのスクイブ増産状況や展望についても教えていただけますでしょうか?

井崎:設備投資に関するご質問のうち、まず、中国のKSH社とマレーシアのKMY社については、どちらも昨年度および今年度に新型のシリンダー型インフレータの設備投資を行い、SOP(量産開始)を迎える予定です。

KSH社に関してはスクイブの設備投資も進めており、来年度の立ち上げを予定しています。メキシコのKSM社は、新たにデュアルタイプのインフレータの設備投資を計画しています。

KSE社でのスクイブ需要が好調である件については、現有のキャパシティで生産稼働体制に対応することが可能なため、現時点で新たな投資は考えていません。

質疑応答:ポラテクノ事業の製品動向と主要製品のシフトについて

質問者:ポラテクノ事業について質問です。ヘッドアップディスプレイとX線の分析装置が伸びているとのことですが、既存の車載向け偏光板はどのような状況でしょうか? 

また、既存の偏光板が減少し、ヘッドアップディスプレイとX線の分析装置向けが新たな主力、つまり柱になりつつあるという認識でよろしいでしょうか?

井崎:おっしゃるとおり、大きな状況としてはそのとおりです。特にヘッドアップディスプレイ用の遮光板については、中国、日本、欧州のいずれにおいても好調で、上位グレード車を中心に拡大しています。また、X線装置もご質問のとおり、好調を維持しています。

質問者:既存製品は好調ではないという認識でよろしいですか? 車載用の偏光板などを手掛けていらっしゃったと思いますが、どのような状況でしょうか? 

井崎:既存製品については好調とは言えませんが、その分を先ほど申し上げたヘッドアップディスプレイ用とX線装置でカバーしています。

質疑応答:感熱顕色剤の非フェノール系への置き換えについて

質問者:ファインケミカルズ事業について質問です。感熱顕色剤について、非フェノール系製品の置き換えが進捗したとのことですが、既存のフェノール系製品が減少し、それ以上に非フェノール系製品が増加したという認識でよろしいでしょうか?

北山:ご質問のとおりです。非フェノールタイプが伸びており、その分、フェノールタイプの従来品が減少しています。

質疑応答:ファインケミカルズ事業のエポキシ樹脂における特需について

質問者:先ほどの質問者の方も少し触れていましたが、機能性材料が非常に好調だと感じています。私の認識が正しければ、前期第4四半期には、エポキシ樹脂の前倒し出荷があったと記憶しています。この四半期も同様の状況があったのか、教えていただけますでしょうか?

北山:前期第4四半期については、一部の基板関係のお客さまに特需があり、それに伴い数量が増加しました。一方で当第1四半期は、そのような特需は一切ありませんでした。しかし、特需を除いた場合でも、第1四半期はエポキシ樹脂を含めて伸長しています。

質問者:「第4四半期に特需が発生した」とコメントがありましたが、このような剥落は、第2四半期あるいは下期に向けてもリスクとして懸念する必要はないという理解でよろしいでしょうか?

北山:はい。前期第4四半期のみの特異的な事象のため、第2四半期や下期においてそのような影響が生じることはありません。

質疑応答:ファインケミカルズ事業におけるシェア変動について

質問者:ファインケミカルズ事業のシェアの変動について質問です。御社はエポキシ樹脂において、非常に高いシェアを持っていると思います。この結果は、単純に需要が増加したためでしょうか? それとも、御社のシェアがさらに上がったことによるものでしょうか? 変動などがあったかどうかについて教えてください。

北山:シェアについて、日本化薬のエポキシ樹脂は非常に特殊なタイプのものです。さらに、封止材や基板関係に特化しており、そのため比較が難しい分野となっています。

ただし、当社で把握している範囲では、日本化薬が他社と比較して劣っている状況ではないと考えているため、その点をお伝えしておきます。

質疑応答:エポキシ樹脂の値上げ検討と現段階の方針について

質問者:材料に関する質問で恐縮ですが、エポキシ樹脂の今後の値上げ検討について質問です。御社では、封止材向けに非常に大きな数量を出されており、基板向けでもAI・サーバー関連の好調が見込まれています。

一方で市場全体を見た場合、能力増強がそれほど進んでいないという状況があり、今後は稼働率や供給の逼迫が徐々に進んでいく可能性があると考えられます。そのような状況を踏まえ、原材料価格の上昇を超えた値上げ、すなわち御社の収益性を向上させるための値上げについては、現時点でどのようにお考えでしょうか?

北山:値上げについて、必要な値上げはその都度実施しています。また、昔からある、例えば臭素系のエポキシなど、急激に需要が減少している製品については、事業を継続するために値上げを行っています。このような状況を考慮し、日本化薬としても必要に応じて値上げを実施する予定としています。

質問者:現時点では、半導体関連でさらなる値上げは考えていないという認識でよろしいでしょうか? 

北山:そのとおりです。中東情勢の影響で、4月と5月に新聞を含めて打ち出しを行いました。この2度の値決めの部分をしっかりと調整したため、現時点で追加の値上げは考えていません。

質疑応答:ライフサイエンス事業における製剤工場の設備投資計画と進捗について

質問者:資料20ページにある、設備投資について質問です。ライフサイエンスの項目のうち、最下部に記載のある検討中の製剤工場、バイオ医薬品の設備投資についてお聞きします。

こちらの進捗状況、および7月に発表されたセルトリオン・ヘルスケア・ジャパン社(以下、セルトリオン社)との提携はこの設備投資の判断に影響を与えるものなのかについて、コメントをいただけますか?

寳積祥令氏(以下、寳積):ライフサイエンス事業領域企画部長の寳積です。よろしくお願いします。

まず、第4工場について、当初はこちらを高活性医薬品を含めた第4工場として計画していました。しかし、今年3月末に富士薬品の富山第二工場を当グループに買収するという決定を受け、設計内容の一部を変更することも検討しています。

第4工場は大規模な工事となるため、回収可能かどうかを含めて内容を鋭意検討しており、今後、判断を進めていきます。

次に、セルトリオン社との包括的な提携についてです。国内におけるバイオ医薬品の安定供給に向け、セルトリオン社が持つ優位性と、当グループがこれまで培ってきた技術・安定供給体制、検査、包装などをコラボレーションすることで、中長期的に協力関係を強化していく方針です。

なお、具体的な品目については現在検討中です。こちらも含め、第4工場の検討と合わせて将来の体制を考えていきます。

質問者:投資の判断自体は、例えば今期中に結論を出したいというイメージでしょうか? 

寳積:非常に難しいところではありますが、当社としては、今年度を含めて時間をかけて設備投資を行っても、竣工が現時点では2030年から2031年になると想定しています。そのため、2026年からのPhase1の前半に決定していきたいと考えています。

質問者:補足質問です。統合品質保証棟は10月に完成すると聞いていますが、予定どおりですか? 

寳積:はい。外観はほぼ完成しているため、高崎工場の周辺を車で通っていただければ、大きな建物が建設されている様子が確認できるかと思います。我々としては、10月から11月に竣工式を開催する予定で進めています。

質疑応答:バイオシミラーの成長要因と今期の見通しについて

質問者:私が一番驚いたのは、バイオシミラーの大幅な成長です。この大きな伸びの背景、および今期増額されている25億円の内訳について解説をお願いします。

また、第1四半期で50億円以上を売り上げていますが、年間178億円の観点から、後半は売上が下がる見通しなのかについても補足いただけますか?

寳積:ご質問のとおり、バイオシミラーは好調に推移しています。その要因の1つとして、診療報酬改定が6月に行われ、バイオシミラーの一般名処方が開始されたことが起爆剤となり、後押しになったと考えています。

実際、「アダリムマブBS」はペンタイプやシリンジタイプの製剤で、患者さまがご自身で自己注射を行うものですが、こちらを扱う調剤薬局数が6月に大きく拡大しました。このような点から、政府の方向性や方針が我々を後押ししている部分もあるため、さらなる安定供給に努めていかなければならないと考えています。

この傾向は第2四半期、第3四半期と続くことを見込んでいますが、最終的な第4四半期には、毎年の薬価改定などの影響を考慮する必要があります。

また、先ほど井上から説明があったように、下期の変更は行っていないため、今回はこのような発表になっています。ただし、第2四半期の売上推移を踏まえ、再度検討することになると考えています。

さらに、自己注射が可能な「アダリムマブBS」以外のバイオシミラーも比較的堅調に進んでおり、この点でも診療報酬改定の影響があると考えています。バイオシミラーに関連する病院の加算取得の仕組みのうち、最終日に算定するという小さな変更があり、この点も一部後押ししているのではないかと考えています。

こちらについては、第2四半期の中で病院との話し合いを通じて、しっかりとした成長のエビデンスを私たち自身も確実に認識していきたいと考えています。

井上氏からのご挨拶

井上:本日はお忙しい中、当社の決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございました。今後とも引き続きよろしくお願いします。

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