■property technologiesの業績動向
3. 2026年11月期の業績見通し
中期経営計画「VISION2026」最終年度となる2026年11月期の業績については、期初予想を据え置き売上高58,000百万円(前期比13.9%増)、営業利益2,500百万円(同22.4%増)、経常利益2,100百万円(同24.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,300百万円(同20.1%増)と、引き続き2ケタの増収増益を見込んでいる。中期経営計画の数値目標には未達の予想となっているが、プレミアムマンションが高額ゆえ競争環境面で保守的な前提を採用したことが要因である。一方、スタンダードマンションで第1四半期に長期在庫の処理が終わったこと、テクノロジーによって可視化されたエリア利益率などの傾向をAIでチェックすることで厳選仕入の効果を高める動きを進めていること、下期に向けてプレミアムマンションとソリューションの販売増が予定されていることから、通期で業績が上振れ、中期経営計画の目標数値を達成する可能性が高まったと見られる。
下期の取り組みとしては、ホームネットのスタンダードマンションにおいて、DXなどによる効率的な業務運営の進行、市場分析を踏まえた厳選仕入の高度化、単価と回転期間のさらなる向上により、業績予想を上回る着地を目指す。また、厳選仕入の効果が下期以降さらに拡大すると見込まれるため、エリア価格帯分析とヒトの適正配置を強化して良質な在庫を増やす。プレミアムマンションについては、利益を追う物件と回転重視の物件を仕分け、物件に適した販売方法により計画通りの売上を確保するとともに、利益の上積みを目指す。というのも、都心の高級マンション市場は在庫水準が上昇して回転期間が長期化する傾向にあり、高額物件に対して日本人顧客は様子見の傾向を強めていること、立地や高層の眺望だけでなく土地の所有率が高くなる低層の付加価値が高まっていることなど、販売動向に変化が出ているからだ。このため同社は、物件によってペルソナ設定を変更し、短期的に期初在庫は利益重視、期中仕入は回転重視で臨み、中期的には多様化する顧客ニーズに沿った差別化できる品揃えへシフトする考えである。ソリューションについては、第4四半期に予定されている大型案件を着実に仕上げるとともに、2027年11月期以降の収益確保に向けて組織体制を強化しつつ、仕入を促進する。なお、大型案件は業績への影響が大きいため、中間期のように計画外の案件も確保し、ソリューションによる業績変動の縮小化も検討している。なお、販売単価上昇と回転期間短縮の効果は下期も継続する見込みであり、広告宣伝費や予備費は2026年11月期の業績進捗と2027年11月期への布石のバランスを見て適宜使用する方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)