セレンディップ・ホールディングス
■セレンディップ・ホールディングス 竹内様
人材確保および投資余力は継続的な課題ではあります。ただ、それぞれについて新しい開拓、開発を着実に行っています。
1つの事例として、当社は「JMS(株式会社ものづくり事業承継ホールディングス)」という会社をグループ内に設立いたしました。JMSは、資金を調達するためのプラットフォームです。
資金調達というと、株式で調達する、言い換えれば株式を希薄化させて調達するケースが、上場企業やM&Aを積極的に行う企業では常套手段になっています。しかし当社は、株主の皆様のご懸念もありますので、そうではない手段として、この新しい資金調達プラットフォームを開発しました。
これは、当社グループ企業として当社が出資するだけでなく、投資パートナー、共同投資家にご参画いただくスキームです。今回のケースでは、商工中金や京都銀行といった銀行系の皆様に、株式保有という投資の形でご参画をいただいています。
現在ちょうど20億円を調達できており、将来的には100億円の調達を予定しています。仮に100億円を調達できれば、今後、LBOローン、いわゆる買収ローンも含めて考えると、トータルで400億円程度の投資ができるようになります。企業数で言えば、事業規模によって変わりますが、7社から10社程度に投資ができるプラットフォームになるということです。資金面では、こうした新しい調達手段を開発し、当社にとっても既存株主の皆様にとっても不利益が生じない調達手段を確立できたことが、大きなポイントの1つです。
もう1点、人の部分も似ています。これまではPMIを実行する人員が、その会社に一度入ると2年、3年、4年とずっと張り付いていくというやり方でした。しかし昨今は、こうした人材をうまく入れ替えていくことができるようになっています。
高度専門人材は半年、1年という形でぐっと入り、その後は別の人材と交代する。こうしたローテーションができるようになり、数少ない高度専門人材を次のプロジェクト、また次のプロジェクトへと回せるだけの人員の層が厚くなってきました。これが、人材面で枯渇しない要因の1つとなっています。人の面でも資金の面でも、当面の活動においてボトルネックにならない体制がようやく確立できたことが、大きな変化点でございます。
●DAIBOUCHOU
このJMSという仕組みは、LBOローンで融資を引くだけでなく、銀行などから共同投資という形で資金を調達できるということですね。
■セレンディップ・ホールディングス 竹内様
そうですね。いま、多くの地方銀行に新たにお声がけをしている最中です。この調達スキームができ上がり、投資いただいた方々にリターンをお返しできるようになれば、100億円と言わず、その先も当然あります。まずは当面100億円程度を調達できれば、先ほど申し上げたとおり投資可能規模は全体で400億円程度になりますので、中期経営計画の期間中に資金で困ることはないと考えています。
●DAIBOUCHOU
ありがとうございます。次に、前期は30億円の負ののれんが発生し、買収子会社の業績の連結タイミングによって業績が大きく変わりました。実力値での業績が見えにくいのですが、投資家はどこで実力値の業績成長を判断すればよいでしょうか。
■セレンディップ・ホールディングス 竹内様
ここは会計制度の問題もあり、M&Aを中心に成長している当社は非常に見えにくい部分があります。1つの目線としては、EBITDAとフリーキャッシュフローだと思っております。
営業利益も含めて、本当の会社の実力値という意味では、EBITDAで見ていただくのが非常に分かりやすいのではないでしょうか。当期純利益で見ると、のれんが出たり出なかったり、あるいは正ののれんとして計上されたりします。日本固有の会計制度の問題もありますが、私たちは負ののれんを多く出すことを目的にM&Aをしているわけではありません。会社によっては正ののれんが出るM&Aもあれば、大きな負ののれんが出るケースもございます。
そういう意味では、私たちにとっては適正価格であるか否かが最も重要になってきます。それは業種・業態によっても異なりますし、その会社のありようによっても変わってきます。製造業で設備や土地建物、工場を多く構えている会社では負ののれんが出るケースがありますし、逆にITビジネスなどのサービス業、工場を持たないファブレスの会社では正ののれんが出ることもあります。
実力値という意味では、キャッシュフローとEBITDAをご覧いただくのが、M&Aがうまく進んでいるのか、会社の成長がうまくいっているのかを判断するうえで、最も分かりやすい指標だと考えています。
●DAIBOUCHOU
ありがとうございます。最後に株主還元についてです。現在は無配が継続していますが、中期経営計画で配当の可能性を示されました。具体的な時期や、配当を出す際の業績・財務の基準はどのようなものでしょうか。
■セレンディップ・ホールディングス 竹内様
現時点で数値的な基準をお示しすることはできませんが、当社は「セレンディップ・チャレンジ1000」を中期経営計画として定め、その中でプライム市場への市場変更についても記載させていただきました。
プライム市場へ移行するにあたっては、会社としての成熟度を高めていくという宣言でもあります。これまでベンチャー市場にいる間は、資金やリソースをすべてM&Aや成長投資に回させてくださいと、株主の皆様にご理解を強いてまいりました。しかし、成熟企業へ移行するにあたっては、配当も明確に出していきたいという構えで、こちらを打ち出させていただいております。
第1四半期の業績も踏まえますと、現時点で配当を出すと明言することはできませんが、今期を含む3年間の中で、予算や着地の利益といった当社の基準を達成できるのであれば、配当を出していくという方針に変わりはありません。
配当性向という意味では、いきなり高い水準からスタートすることはないと思いますが、配当を出していくという方針自体は、中期経営計画の1年目である今年度も含めて変わりません。予算や着地結果次第ではありますが、それがクリアになったタイミングで発表させていただく形になります。
●DAIBOUCHOU
3年間で売上高1,000億円を目指す中で、予算どおりに達成できれば配当を出していく流れになりそうだ、ということですね。
■セレンディップ・ホールディングス 竹内様
おっしゃるとおりです。成熟した企業、上場企業としての責務だと思っております。株主への還元、そして出来上がった決算結果のシェアはしていきたいと考えておりますので、ぜひ中長期的な視点で当社の成長をご覧いただければと思います。
●DAIBOUCHOU
ありがとうございます。今後の御社の成長に注目させていただきます。本日はどうもありがとうございました。
セレンディップHD株式会社×DAIBOUCHOU氏対談動画文字起こし(6)に続く