■要約
アクシスは、金融・公共社会インフラ・情報通信分野を主要顧客とする独立系SIerであり、金融システム開発で培った高い専門性と安定した顧客基盤を強みとしている。創業以来35期連続黒字、無借金経営を継続しており、堅固な財務基盤を有する。近年はAI、クラウド、ServiceNowなどの高付加価値領域へのシフトを進めるとともに、自社サービスである「KITARO」などストック型ビジネスの育成にも注力している。新中期経営計画「Go Beyond」では、受託開発中心の企業から顧客の経営課題解決を支援する価値共創パートナーへの進化を掲げた。2026年12月期は過去最高業績の更新を見込んでおり、中間期時点でも高付加価値領域の拡大や受注残高の積み上がりを背景に順調な進捗を示している。また、累進配当を継続しながら株主還元の強化にも取り組んでいる。
1. 2026年12月期中間期の業績概要
2026年12月期中間期(1~6月)の業績は、売上高4,505百万円(前年同期比15.1%増)、営業利益575百万円(同36.4%増)と2ケタ増収、大幅な営業増益となった。上場以来、全四半期での連続増収を達成した。金融、公共社会インフラ、情報通信の主力3分野が揃って伸長したことに加え、高付加価値案件の拡大や収益性改善が利益成長に寄与した。システムサービス事業では官公庁関連案件や自動車関連案件が拡大し、受注残高は過去最高となる2,166百万円まで積み上がった。ITサービス事業もKITAROやデジタルコンサルティングサービスが堅調に推移し、前年同期を上回る成長を実現した。営業利益の進捗率は57.6%に達しており、現時点で通期予想達成の可能性は高いと考えられる。さらに、新中期経営計画の重点テーマである高付加価値領域の売上構成比率と資格取得者数も順調な進捗となっている。
2. 2026年12月期の業績見通し
2026年12月期の業績は、売上高9,444百万円(前期比16.1%増)、営業利益1,000百万円(同12.6%増)を予想し、7期連続の増収増益と過去最高業績の更新を見込んでいる。DX需要やクラウド投資の拡大を背景に、主力のシステムサービス事業では、金融・公共社会インフラ・情報通信分野における既存顧客の深耕に加え、高付加価値領域や上流工程案件の拡大を推進する。一方、ITサービス事業ではKITAROの機能拡充や業種特化型サービスの展開を進めながら、生成AIを活用した新サービスの開発にも取り組む。人材採用・育成を中心とした先行投資を継続するため利益率は一時的に低下する見通しだが、中長期的な成長を優先する方針だ。
3. 中期経営計画「Go Beyond」
同社は2026年2月、新中期経営計画「Go Beyond ~SIの先へ、価値共創パートナーへの進化~」を公表した。従来の受託開発中心の事業モデルから、顧客とともに価値を創出するパートナー企業への転換を目指す。成長戦略として、主力産業の深耕と未開拓産業への展開、AI・クラウド・SaaSなど成長分野への対応強化、AIを活用した事業高度化を推進する。また、人材投資やM&Aを積極的に進めることで高付加価値領域の拡大を図る。最終年度の2029年12月期には売上高14,000百万円以上、営業利益1,600百万円以上、営業利益率12.0%以上、ROE18.0%以上を目標に掲げており、中長期的には売上高200億円規模への成長と企業価値向上を目指している。
4. 株主還元策
同社は長期安定配当を基本方針とし、利益成長に応じた増配と累進配当を柱とする株主還元を進めている。前中期経営計画では2026年12月期までに配当性向35%以上を目指し、段階的な還元強化を実施してきた。その結果、2025年12月期の年間配当金は1株当たり46.0円、配当性向は30.5%となった。新中期経営計画「Go Beyond」でも累進配当方針を維持しながら、2029年12月期に配当性向40%以上を目標としている。2026年12月期は年間57.0円配当(配当性向35.1%)を予定しており、前期比11.0円の増配となる見込みである。
■Key Points
・金融SIの強みを軸に高付加価値領域拡大で収益性向上を推進
・2026年12月期中間期は前年同期比で2ケタ増収、大幅な営業増益。中間期末のシステムサービス事業の受注残高は過去最高
・2026年12月期は7期連続の増収増益と過去最高業績を見込む
・新中期経営計画「Go Beyond」で価値共創パートナーへの進化を目指す
・累進配当継続と中期経営計画最終年度の配当性向40%以上が目標
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)