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主要国の長期金利が一斉に急上昇。債券市場が6年で様変わりした裏に潜む、世界的な金利上昇「真の理由」=斎藤満

2020年には主要国の10年国債利回りがこぞって1%以下に低下し、ドイツと日本ではマイナス金利にもなりました。ところが、その後の世界的なインフレで長期金利は上昇に転じ、今年になって再び主要国で上昇しています。原油高やAI関連投資の急増に加え、財政不安も無視できない要素となり、日本の上昇スピードは主要国で最も速くなりました。メルマガ『 マンさんの経済あらかると マンさんの経済あらかると 』では、著者の斎藤満さんが、この6年で様変わりした債券市場の動きと、長期金利が上昇している背景を解説しています。

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※有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2026年10月14日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。

主要国の長期金利再上昇の裏で

このところ主要国の長期金利が大きく上昇、この6年で債券市場が様変わりです。2020年にはG7各国の10年国債利回りはこぞって1%以下に低下。中でもドイツと日本ではマイナス金利になりました。それが21年以降世界的なインフレ拡大で欧米の長期金利が上昇に転じ、22年には急騰します。その後上昇一服の期間がありましたが、今年になって主要国の長期金利が再上昇しています。

日本では主要国に遅れて24年以降金利が急騰、この間主要国の中では最も上昇スピードが速くなりました。そしてここ数か月では米国、フランスの長期金利も急上昇し、主要国の長期金利が一斉に上昇する形となっています。インフレの広がり、原油高のみならず、財政不安も無視できない要素になっています。

欧米では2段階の長期金利急騰

主要国の長期金利はリーマン危機とその直後の欧州債務危機を経て、デフレ経済が広がり、長期金利は低下をたどりました。2020年には世界的なコロナ禍もあって主要国の10年国債金利はこぞって1%以下に低下、フランスではゼロ、ドイツ、日本ではマイナス金利も広がりました。世界的な低インフレ・低金利の極致でした。

ところが、コロナ禍において主要国で大規模な財政拡張、大規模金融緩和が進んだために、2021年には世界規模のインフレが勃発し、欧米でも急テンポのインフレが進みました。これが22年になって欧米で長期金利の急上昇を巻き起こしました。20年には1%以下だった欧米の長期金利は一気に4%から5%に急騰、ドイツ金利も3%に上昇しました。

その後インフレ急伸が一服する中で長期金利も上昇一服となるのですが、そのなかで英国の長期金利は上昇を続け、早々に5%を超え、最近でも上昇が続いています。また米国、フランスでは今年に入ってから再び長期金利が急上昇しています。最近では英国が5.4%、米国が5.2%、フランスが4.9%と上昇が目立ち、ドイツも3.5%まで上昇しています。

日本も遅れて急上昇

その中で日本の長期金利は世界の流れとは異なる動きをしています。欧米で急上昇した22年以降もしばらくは1%前後の低位を続け、24年ごろから目立って上昇するようになり、25年後半から上昇が加速しています。欧米らは2、3年遅れで長期金利が急上昇しています。日本の債券市場ではしばらくの間インフレを信じていなかったうえに、日銀が国債の半分以上を買い入れて金利を低く抑えていました。

ところが、インフレが一時的なものではなく、22年以降連続して3%以上のCPI上昇を見るようになり、23年に植田日銀総裁が就任して大規模緩和の修正を始めたことから、日本でも長期金利が持続的な上昇を始めました。この2年の上昇スピードは日本が最大となっています。

Next: 長期金利上昇の本当の要因は



長期金利上昇の要因前期

ではここ数年の長期金利上昇は何が原因となったのでしょうか。大局的に見ると、世界で見られた長期金利の60年周期(30年上昇、30年低下)の転換点にありました。1990年をピークに、その後長期金利は30年間傾向的に低下し、2020年にサイクルのボトムを見ています。その後は周期的に上昇しやすい局面にありました。そこへ世界規模のコロナ対策がインフレ環境を一変しました。

22年から欧米でインフレが急伸、欧米の中央銀行も急ピッチで政策金利の引き上げに出ました。それでもコロナ禍を経験したこともあり、引き締めのタイミングがやや遅れ、その分インフレ抑制が遅れ、長期金利が急騰しました。22年にはロシアがウクライナに侵攻し、エネルギーの不安がインフレ懸念を煽った面もありました。

後半以降の上昇要因

長期金利は今年になって新たな上昇局面に入っていますが、ここにはまた新たな金利上昇要因が加わりました。米国のトランプ大統領は今年1月にベネズエラに軍事侵攻し、産油国ベネズエラへの攻撃が原油市場の不安を高めました。そして続く2月にはイランへの攻撃を開始し、原油価格が一気に高騰しました。

折しも、米国のみならず、先進国ではAI関連投資が急増、特にデータセンター建設が大規模な設備投資をもたらし、需要を高めるとともに資金需要も増えて金利押し上げ要因になりましたーーー

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image by:shutterstock.com

『 マンさんの経済あらかると マンさんの経済あらかると 』(2026年8月31日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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金融・為替市場で40年近いエコノミスト経歴を持つ著者が、日々経済問題と取り組んでいる方々のために、ホットな話題を「あらかると」の形でとりあげます。新聞やTVが取り上げない裏話にもご期待ください。

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