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働けない時の収入を保障する「就業不能保険」アフラック参入で激戦に=釜口博

今年に入り、「働けなくなるリスク」に対する保険の新商品が、続々と発売されています。アフラックが新契約数減少の巻き返しを図るべく発売した就業不能保険「給与サポート保険」もその1つです。(『生命保険の豆知識と知らないと損するかものお話』釜口博)

がん保険・医療保険契約件数No.1のアフラック、新商品で巻き返し

「働けなくなるリスク」を保障する新商品続々

重い病気やケガなどで働くことができず、長期に渡って収入が途絶えた場合、入院や手術のための医療保険や遺族のための死亡保険ではカバーできません。

国の障害年金の1級や2級に該当した場合や、65歳以上で介護認定を受けた場合は、ある程度の保障はありますが、これらに該当しない場合は、公的な保障は受けれらません。

このような「働けなくなるリスク」を保障する「就業不能保険」としては、日立キャピタル損保の「リビングエール」や、ライフネット生命の「働く人への保険」が先行してきました。

今年に入り、この「働けなくなるリスク」に対する保険の新商品が、続々と発売されています。

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昨年12月に発売されたT&Dフィナンシャル生命の「働くあなたにやさしい保険」、今年3月に発売された太陽生命の「働けなくなったときの保険」、また、東京海上日動あんしん生命やチューリッヒ生命は、新発売の医療保険に「就業不能特約」を付加できるようにしています。

そんな中、がん保険・医療保険で契約件数No.1のアフラックが、新契約数減少の巻き返しを図るための戦略商品として、就業不能保険「給与サポート保険」を先月19日から発売しました。

アフラック「給与サポート保険」のポイント

給与サポート保険と、今までの就業不能保険との違いは、

  1. 就労不能免責期間が60日(ほとんどの保険会社で180日)
  2. 傷病手当金が出る期間(1年半)の給付(短期回復支援給付金)と、その(1年半)後の期間の給付(長期療養支援給付金)を別々で保険金の設定ができる
  3. 短期回復支援給付金の支払事由に該当(就労困難状態が60日継続)した場合、6か月分の給付金が支給される
  4. 長期療養支援給付金を受け取らずに保険期間が満了した場合、給付月額と同額の払戻金が支給される

アフラックの給与サポート保険は、上記(2)を考慮し、被用者保険の被保険者であるサラリーマンなども加入検討しやすいように設計されているところが面白い点です。

Next: 現時点ではアフラックが有利も、さらなる激戦化は必至



現時点ではアフラックが有利も、さらなる激戦化は必至

被用者保険の被保険者の場合、就労不能となった場合でも、1年6ヶ月までは、標準報酬日額の2/3の傷病手当金が健康保険から給付されます。

1年6ヶ月後に就労不能が継続していた場合、国の障害年金の給付対象となれば、障害年金が給付されますが、対象外となれば公的保障からの給付は全くありません。

アフラックの「給与サポート保険」では、例えば、傷病手当金が給付される期間の短期回復支援給付金を月額10万円。それ以降の長期療養支援給付金を月額20万円というような設定が可能です。

保険料は、就労不能免責期間が60日の日立キャピタル損保「リビングエール」とほとんど変わりません。

ただ、「リビングエール」には上記(3)と(4)の給付金はありませんので、アフラックが少し有利といえます。

アフラック参入により、「就業不能保険」がメジャーな保険となれば、各社の商品開発競争に火がつく可能性があります。今後の生保業界の動きに注目です。

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生命保険の豆知識と知らないと損するかものお話』(2016年8月1日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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