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伊藤智洋のパワー・トレンド理論を実践『少額投資家のための売買戦略』特別公開!

本記事は、日経CNBC『マーケッツのツボ』(2016年8月2日20時放送予定)と連動し、伊藤智洋氏の人気有料メルマガ『少額投資家のための売買戦略』のメインコンテンツを1号分まるごと無料で公開するものです。

メルマガでは毎号、複雑に入り組んだマーケットや時事問題についての解説に加え、伊藤氏の「パワー・トレンド」理論による実践的な相場予測講座を開催しています。次回は8月14日配信予定ですので、ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に定期購読をどうぞ。もちろんバックナンバーのご購入も可能です。

プロフィール:伊藤智洋(いとうとしひろ)
証券会社、商品先物調査会社のテクニカルアナリストを経て、1996年に投資情報サービス設立。株や商品先物への投資活動を通じて、テクニカル分析の有効性についての記事を執筆。MS-DOS時代からの徹底したデータ分析により、さまざまな投資対象の値動きの本質を暴く。『チャートの救急箱』(投資レーダー社)、『FX・株・先物チャートの新法則[パワートレンド編]』(東洋経済新報社)など著書多数。

※本記事は有料メルマガ『少額投資家のための売買戦略』2016年7月10日号の一部抜粋です。

1. 自分を信じられるかが勝敗を分ける
2. パワー・トレンド講座 第六回 勢いの強い動きが継続しているときの調整

伊藤智洋氏の『少額投資家のための売買戦略』を特別無料公開!

1.自分を信じられるかが勝敗を分ける

図1は、東京証券取引所のホームページに毎週掲載されている投資部門別売買状況だ。上段が15年の日経平均株価日足で、中段が外人投資家の買い越し(プラス方向)、売り越し(マイナス方向)株数、下段が個人投資家の買い越し、売り越し株数である。

図1 投資部門別売買状況

このメルマガでは、海外勢のわなに、日本の個人投資家が嵌められているという印象を与えるような書き方をよくしているが、これを見ると、必ずしもわなに嵌めている動きになっているわけではないことがわかる。

図の中央の15年8月の急落場面は、急落の前に売り買いが転換していてあやしい動きもあるが、上昇の流れができてしばらくしてから買い越しとなり、上昇の中盤から終盤にかけて買い越しが膨らみ、下降を開始すると買い越しが減り、下降の流れができてくると売り越しに転じるという取引になっている。

つまり、トレンドに沿った当たり前の取引になっているのである。

一方で、(日本の)個人投資家の方は、トレンドに逆らった売買状況になっている。その判断の仕方の理由が顕著にあらわれているのは、15年7月9日に押し目をつけている場面である。

個人投資家は、それまで売り買いのどちらに対しても積極的になっていなかったが、この場面で、押し目買いが急激に増えている。これは、個人投資家が一時的な戻りを期待した逆張りを嗜好しているためにあらわれている動きである。

14年12月29日の戻り高値を試す展開になっている15年2月にも、逆張りの戻り売りが急増している。

外人投資家は、15年7月9日の下げ場面で、トレンドに追随した取引になっているため、売り越しが増えている。14年12月29日の戻り高値を超える際に、売り越しから買い越しへと転じている。

個人投資家は、投資判断を瞬時に反映させることができるので、小回りのきく投資ができる。ファンドを出し抜いて、大きな利益を得られるとするなら、その特徴を活かすしかない。

ただ、その逆張りは、大勢の転換点を想定したものであって、一時的な反転を見越した動きであってはならない。一時的な利益など、数回の取引ですぐに吹き飛んでしまう。短期の値動きなど予測不可能なので、取引回数が多ければ、それだけ負けが増えることになるのである。

大勢の方向を見据えた取引であれば、逆張りをして、その後、その方向へ価格が向かえば、
その方向への売買高が増えてゆくはずである。

しかし、15年7月9日以降は、一時的に大きく買い越しとなった翌週、価格が上昇しているにもかかわらず、売り越しになってしまった。こういう取引は、ギャンブルを楽しんでいるだけで、個人投資家の特徴を活かしたうまい取引とは言えない。

Next: 個人投資家の強みを活かした投資法とは?


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こうなってしまっているのは、証券会社のアナリストや、相場の予想屋さんのミスリードである。ショーンKが番組で使われるようになったのは、肩書があったからである。日本では、肩書があると、どんな適当なことを言っていても、それが受け入れられる傾向がある。

逆張りは、当たりはずれがすぐに出るので、なんとなく、結果が出ているような気になりやすく、初心者に受け入れやすい。業者は、オシレーター系のテクニカル指標などを使って、“ほら当たったでしょ”といって引き付けようとするのである。どこどこの証券会社の運用担当者の意見だなどと言われると、なるほどそうなのかと思う。

しかし、値動きの本質に気づくには、世の中を俯瞰できるようになる時間が必要である。私は目が覚めるのに10年かかった。それから数年かけて、パワートレンド理論を組み立てた。

結論は、簡単に言えば順張りである。

前回、日経平均株価の6月24日の急落を喜ぼうという記事を書いた。内容は完全な逆張りになるが、ポイントは、仕掛ける場所ではなく、今年後半に株価が上昇するというシナリオを信じ続けることができるかどうかなのである。

円・ドルは、FRBによる利上げが遠のいたことで、政府、日銀が円高対策を行わなければ、円高方向へ誘導されやすい状況が続くことになった。そのため、7月末の日銀会合まで、あと2週間くらい、円高方向へいきやすい状況がある(編注:本稿執筆2016年7月10日時点)。

目先、24日につけた98.98円を割れて、95円、93円を目指すことも考えておく必要がある。その場合、日経平均株価は、6月24日の安値14864円を割れる動きになる。そうなったとしても、今年後半に上昇を開始するという見方は変わらない

目先、さらに一段安となっても、それを信じられるかどうか、そんなことが勝敗を分けるのである。いい場所で買ったとかそういうことではない。どこまで、自分のシナリオを信じることができるか、信じる根拠を組み立てられるかが重要なのである。

投資は、宗教ではない。信じられるということは、そうならないケースも用意してあって、まだそれに当てはまっていないだけのことである。

Next: パワー・トレンド講座「勢いの強い動きが継続しているときの調整」


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パワー・トレンド講座 第六回 勢いの強い動きが継続しているときの調整

「信じる者は救われる」と前述したが、その信じる根拠は、確率や思惑ではない。現実社会の必然として、ものやお金が動かざる得ない状況、人がどうしてもそうしなければいけない事情だけが、人がその行動を起こす理由として信じられるものである。

「スティング」という映画は、誰もが見たことがあるのではないだろうか。大物ギャングに仲間を殺された若い詐欺師が、その恨みを晴らすため、舞台を整えて、相手に大博打を打たせて、敵から大金を奪うという内容である。

詐欺師は、相手が必ずその行動に向かうように誘い込むことがうまい。人を出し抜いて儲けられる場所があるとするなら、それは、相手が必ずそういう行動をとらなければいけないとき、あるいはそういう行動を起こしてしまうときである。人の行動が読める唯一の場所だから、“事前に万全の策を講じることができる”。だから、信じることができるのである。

さて、今回は、勢いの強い動きへ入っている場合の値動きのパターンを紹介する。

値動きは、時間待ちの状態積極的な状態(勢いの強い動き)のどちらかしかない。時間待ちの動きは何でもありだが、勢いの強い動きは、市場参加者の思惑が一致していなければいけないので、それを確認するために一定のパターンができる。

だから、勢いの強い流れができると、そのときの状況だけはわかるので、値動き全体が見えてくるようになる。

勢いの強い動き、積極的な動きは、1日の値動きが方向へ大きく振れることや、調整の仕方によって判断できる。調整の仕方は、勢いの強い動きが継続している調整と、一時的に勢いの強い動きが終息しているが、積極的な状態が変わっていない調整の2通りがある。

まずは、勢いの強い動きが継続している場合にあらわれる調整について紹介する。

勢いの強い流れが継続しているときは、短期の市場参加者が短い期間で1円でも多くの利益を得るために必死になっている。彼らは、多くの市場参加者が共通の認識の中で動いているかどうか、びくびくしているので、価格が反転を示す動きとなったり、長く利益を拡大できない状態になると、すぐに市場から逃げ出すことになる。

具体的には、上昇途中で上値、下値を切り下げる動きを形成する、高値を5営業日以上更新できないなどの動きがあれば、いったん様子見に入る可能性が出てくる。

そのため、勢いの強い上昇を継続する格好であらわれる調整は、上値、下値を切り下げる動きにならず、3営業日程度で調整を終了する動きになる。おおまかな目安としては、図2~4のような格好のパターンを形成する。

勢いの強い上昇の途中で図2~4のような動きを経過して、すぐに上昇を開始するなら、その流れを継続するという判断ができる。

言い換えると、勢いの強い上昇途中の調整が図のパターンにあてはまらない形になる場合、上値、下値を切り下げる、あるいは下げ幅が大きくなる、下げ期間が長くなる展開になるなら、勢いの強い動きが終了して、積極的な状況が変わらない中での調整か、時間待ちの調整、下降が勢いづく動きのどれかという見方になる。

Next: 「勢いの強い流れの終了」を見極める際の大切な注意点


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ただ、勢いの強い流れの終了からその他の動きだと判断するには、少しだけ幅を持たせる必要がある。上値、下値を切り下げる動きになったり、値幅の伴った下げとなった場合でも、押し目をつけた後、一気に値を戻し、勢いの強い動きを再確認できるケースがあるからだ。

そのような動きになるときの展開は、図6~7のパターンが考えられる。

次回は、実際にこれらのパターンがあらわれているケースでの判断の仕方の順番を具体的に書いてゆく。


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【関連】不正会計疑惑で株急落、伊藤忠商事が抱える「本当のリスク」=栫井駿介

『少額投資家のための売買戦略』』(2016年7月10日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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