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10年後に100万円返ってくる借用証書、あなたならいくらで買いますか?=栗原将

とある投資初心者の方にこの質問をしてみました。なぜこのような質問をしたのかというと、今回取り上げるある商品の現在の市場価格について知ってもらいたかったからです。(『海外投資とネットビジネスで海外移住、ハッピーライフ』栗原将)

素人が感じる「何か変だぞ」の感覚がプロをしのぐこともある

「現在は明らかにバブル」その金融商品とは?

とある投資初心者の方に、

国が100%保証してくれる借用証書で、10年後に100万円が返ってくるものを、あなたは今、いくらだったら買いますか?

と質問してみました。

そうしたら、「90万円くらいなら」という答えでした。

まあ、常識的なところなのではないか、と思います。

確実に100万円が戻ってくるとはいえ、10年後のものを今、99万円とか98万円だとあまり乗り気にはならない、これは自然な感覚ではないかと思います。

なぜこのような質問をしたのかというと、今の日本国債の市場価格を知ってもらいたかったから、です。

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額面の桁が違いますが、額面100円の日本国債10年もの先物の現在の価格は、150円強といったところです。

10年後に買い戻ししてくれる価格が100円のものが、現在、市場では150円強で売り買いされているのです。

株式と異なり債券トレードは一般の方には馴染みが薄いのですが、債券トレーダーの中には、現在、明らかに債券バブルだ、と主張する人がいて、ショーも全く同感です。

もっとも、このバブルにはしっかりとした背景があって、それは、日銀の異次元の金融緩和の一環として、国債を大量に買い入れているから、です。

ざくっと言えば、新規の国債発行量に買い入れ額がかなり近づいている、つまり、“ほぼ”日銀が買い占めているような状態なわけです。

Next: 普通の人が感じる「それって何か変だよ」は意外に正しい



チューリップ・バブルとは違うけれど、でも…

株式の気配値の板でイメージしていただくならば、ちょっと売り玉が出たらすぐに買いが入って、価格が上昇していくような感じです。

上がっても上がっても、日銀という巨大な買い手が買ってくれるから、銀行などの機関投資家も安心してトレードできているのが、現在の日本国債マーケットなわけです。

このように、現在の国債バブルにはしっかりとした理由があるので、昔のチューリップ・バブルとは違います。

それでも、普通の人が、「それって何か変だよ」と感じることは、けっこう当たっていたりもするものなのです。

9月の日銀金融政策決定会合に向け、様々な憶測が飛び交い、国債相場に連れて為替相場も不安定になりそうです。

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海外投資とネットビジネスで海外移住、ハッピーライフ』(2016年8月8日号)より
※太字はMONEY VOICE編集部による

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9年間のタイ、フィリピンでの海外移住生活から帰国し、北海道暮らしをはじめた50歳男子が、久々の日本生活から感じることや、海外生活のメリット・デメリット、そして、地方暮らしの実際について独自目線で語っていきます。

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