ノーベル経済学者のロバート・シラー博士が再び「アメリカ株は買われ過ぎ、今こそ分散投資が必要」と力説。その上で「まだ上がり続ける可能性がある」とも発言しています。その真意とは?(『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』藤井まり子)
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史上3番目の割高水準、アメリカ株を待ち受けるシナリオとは?
シラー博士「アメリカ株の買われ過ぎ」に警鐘
ノーベル経済学者のロバート・シラー博士が、CNBCで再び「アメリカ株は買われ過ぎ、今こそ分散投資が必要」と力説しています。
今現在のアメリカ株のPERは、29ポイント前後を行ったり来たりしています。
※参考:シラーPER http://www.multpl.com/shiller-pe/
シラー博士曰く、
1998年のシラーPERは、今と同じ水準だった。
ところが、アメリカ株は(1998年のロシア通貨危機を無事乗り越えて)その後2年間上昇を続けた。
その後、(ITバブルで)2000年にはシラーPERは45倍まで上昇した。
今の私はゼロポジションにしろとは言ってていない。なぜならば、今のアメリカ株は(1998年~2000年の時のように)まだ上がり続ける可能性があるからだ。
けれども、私は、今は危険が高まっていると言っている。
とても興味深いお話ですね…。
この日のシラー博士は、再び「アメリカ株は歴史的に割高水準にある」を明言。現在のアメリカ株の水準は、シラーPERで眺めると、「世界恐慌直前の1929年前後」「ITバブル崩壊の2000年前後」に次ぐ「史上3番目」に高い水準なのです。
Next: 「ロシア通貨危機」の再来も?そしてやってくる超巨大バブル
「ロシア通貨危機」の再来も?そしてやってくる超巨大バブル
個人的には、年初からお話ししておりますように、今年2017年の春から夏にかけて(?)、あるいは夏から秋にかけて(?)、大幅調整が起きれば、その後はすかさずイエレンFRBが「金融緩和への大転換」を行って、今年の秋あたりから超巨大なバブルが始まるような気がしてならないです。
そういえば、1998年もロシア通貨危機が起きたので、当時のグリーンスパンFRBが金融引き締めから金融緩和へと大転換、この金融緩和が引き金となって、その後、ITバブルが燃え盛ったのでした…。
今は、バイオにしろAIにしろロボットにしろ、ハイテクバブルが始まっています。なんだか、いま現在のアメリカ株式市場は、「ロシア通貨危機前の1998年のアメリカ経済」を彷彿(ほうふつ)とさせますね…。
1998年のように通貨危機が起きるのか?今度こそは、ロシアではなく、中国で「通貨危機のようなもの」が起きるのか?
おりしも、中国北京政府は、今年の秋の共和党大会が無事に終わって「第2期習近平体制」が確立したならば、巨大な債務バブルを処理するためにも、今度こそは、本格的な金融引き締めに転じるのではないのか?と、今から噂されています。
というか、中国はもうすでに金融引き締めに転じているようです。
2017年、中国で、「通貨危機のようなもの」が起きないならば、かねてからの素朴な疑問ですが、イエレンFRBはいかにして「金融緩和への大転換」へとシフトしてゆくのか? イエレンFRBは、「トランプラリー潰し」のために、6月のFOMCで強引に利上げを行うのでしょうか?
一方で、この日のシラー博士は、戦争の危険性についても警鐘を鳴らしています。
戦争が起こるかもしれない。
北朝鮮なのか、シリアなのか、わからない。
博士が言うと、怖いですね…。
Next: 朝鮮有事の2つのサイン。前触れになるのは何か?
前触れになるのは何か?
今のトランプ政権は、「超大型の株式バブルをつくろう」としているとしか思えないです。
さらに、今のトランプ政権は、「これからつくる超大型の(ITバブル並みの巨大な)バブルが崩壊した後」のことも、考えているような気がしてならないです。
トランプ政権は、超巨大バブル崩壊後は、中東か朝鮮半島で戦争を起こそうと今から準備を整えているのではないか?と、とても心配しています。
戦争は即効性のある不況対策ですから。インフラ投資を渋る共和党の保守強硬派も、戦争は大好きですから…。ブッシュジュニアもブッシュパパも、バブルが弾けた後、イラク戦争を始めましたから…。シェール革命のおかげで、アメリカが近いうちに原油輸出国になって中東依存度が低下しますから…。
今度は、東アジアではないでしょうか。
振り返ると、第一次世界大戦「前」も、ヨーロッパの人々は、誰も「第一次世界大戦のような大戦争が巻き起きる」とは、思いもよらなかったと言います。最初は、セルビアという東欧の小国とオーストリアという大国との間の「小競り合い」から始まったのです。
この「小競り合い」に、様々な大国の同盟関係が複雑に絡んで、あれよあれよという間に、大戦争へと発展していってしまったのです。
まさしく当時もGゼロ時代、覇権がイギリスから新興国家のドイツへ移動しようとしていた途中で、まさに覇権国なき不安定な時代。その時に、大戦争が起きてしまったのです。
というわけで、これから超大型バブルが巻き起きるかもしれないと思うと、ワクワクドキドキするけれども、その巨大バブルが崩壊した後、「朝鮮戦争リスク」が待ち構えているかもしれないと思うと、暗澹たる気持ちになります。
朝鮮有事の2つのサイン
かくして、朝鮮半島の地政学リスクが高まっているといっても、いますぐ朝鮮半島でドンパチが始まるわけではないのです。今は、時折緊張が高まるかもしれませんが、戦争までには発展しないでしょう。
ただし、近い将来、アメリカ経済が不況に陥ってしまったら、朝鮮半島で戦争が本当に始まる可能性があります。
その「朝鮮戦争勃発」のサインは次の2点です。よくよく留意しておきましょう。
(1)北朝鮮沖の日本海に、アメリカの空母打撃群が3~4隻くらい集合する
今は空母が「カールビンソン」一隻だけなので、それほど危機は高まっていません。
(2)韓国在住のアメリカ軍の家族が韓国から一斉に引き揚げ始める
聞くところによりますと今は、韓国在住のアメリカ人に対して、アメリカ大使館が「戦争が始まりそうなときの退避訓練(1回目:6月実施予定)」の参加を任意で呼び掛けている段階で、まだそれほどの切迫感はないです。
将来、朝鮮半島沖にアメリカの空母打撃群が3隻以上集合して、在韓のアメリカ軍の家族が韓国から引き揚げ始めたら、本当に危ないです。まだまだ先のことかもしれませんが、ここらあたりの「戦争サイン」は、ちゃんとチェックしておきましょう。
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1. 超大型バブルの予感
~それでも、リスクは高まっている!!!~
(ロバート・シラー博士は再びかく語りき)
2. 朝鮮有事の二つのサイン
~前触れになるのは何か?~
3. 将来、有事が始まりそうになったならば
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『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』(2017年5月2日号)より一部抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による
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