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「ネトウヨ女子」とのささやかな対話。どの党も党員集めに必死です=三宅雪子

最近、ネットで安倍さんの支持者の女性と知り合ってやりとりをしています。彼女は、二言目には「反日」「朝鮮人」な人で、ある意味、話していて面白いです。(『三宅雪子の「こわいものしらず」』三宅雪子)

※本記事は有料メルマガ『三宅雪子の「こわいものしらず」』2017年5月12日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:三宅雪子(みやけ ゆきこ)
元衆議院議員。玉川学園女子短大、共立女子大学を卒業。テレビ局勤務を経て、2009年群馬4区で民主党から立候補し、比例復活当選。現在は、執筆やネット配信、福祉や介護のアドバイザーなどをしながら政治活動を行っている。

本当に自民党は強いのか?支持者層と党員数から見る政治の世界

安倍さん支持者でネトウヨ全開の女性

都民ファースト」がきっかけで、ネットで安倍さんの支持者の女性と知り合ってやりとりをしています。私にはなぜかなついてくれているので、私への攻撃はなし。どうも安倍さん支持者の中でも、「小池OK」「小池許すまじ」の2つに割れているようですね。

気がついてはいたのですが、「自民党票」「内輪揉めしたリベラルの票」「無党派の票」。この3つで小池さんは圧勝したようです。

ここにきて、朝鮮学校を作らないなどもともと強い(自民党ネットサポーターズクラブ生みの親のため)「ネトウヨ票」を固めに来ているようです。ですが、自民党支持者の一部ではいまだに小池さんアレルギーが強いようですし、そう簡単にいくでしょうか?

自民はともかく、このタイミングでせっそうのない民進党都議をどんどん受け入れているため、都知事選で小池さんに票を入れた人でさえ困惑気味に見えます。看板が変わっただけで、果たして今まで大嫌いな民進党だった人に票を投じられるものなのでしょうか。

さて、その女性ですが、二言目には「反日」「朝鮮人」です。その根拠は何もなくて、単に口癖ですね。嫌いな人は、皆、「朝鮮人」です。ある意味、私の経験したことのない世界なので、話していて面白い。仕事は?と訊いたら、フリーター。自民党員?の質問はスルー。党員ではないようです。

安倍さんは自民党総裁選の1回目の投票で、党員票でかなりの差をつけられて2位になりました。安倍さんに「いいね」をする方々は、「いいね」はするけれど自民党を支持するわけでもなく、党員でもないのでは?と私は推測していたのですが、最近、推測から確信に変わりました。正直、選挙にさえ行っていない可能性もあります。なぜならば、政治には関心がなく、情報源は保守系掲示板のみ。産経新聞さえ見ているかどうか…いや、きっと読んでいないでしょう。(そこから考えると「極右」は商売にならないので、産経新聞は以前のように「ちょっと右」路線に戻したほうがいいでしょう)

その女性は、政治史にはめっぽう弱く、法律にも弱い。生活保護の外国人支給は吉田茂政権時に始ったと教えたら、しばらく黙りこんでしまいました。自民党は少し教育をしていかないと、今のように「攻撃隊」だけに支持者を使うのもさすがに限界なのでは。せめて選挙に行ってもらわないと政党獲得票の減少に歯止めがかからず、いつかは「政権交代、再び」です。

先入観は捨てて普通に会話して、ゆっくり誤解や矛盾を解いてみようかな、と辛抱強くメッセージの交換をしています。

Next: どこの党も、最近は特に党員集めが大変らしい



どの党も党員集めに必死

どこの党も最近は特に党員集めが大変らしいと聞きます。景気も悪いですし、大変ですよね。現職時代はノルマがきつく、本当に苦労しました。しかし、それでも私は根っからの負けず嫌い。スタッフにも恵まれて、当選2年目になり、党員・サポーターを2000人以上集め、新人でダントツトップになったことがあります。全体でもベスト10に入っていたそうです。「やった!」と皆で大喜び。ちょうどエレベーターででくわした細野さん(当時責任者)からも、「三宅さん、すごいね」と褒められました。

そこで「(各議員が集めた党員数は)いつ発表されるんですか?」「機関誌に載るんですよね?」と尋ねたら、細野さんが急に無口に。

「それがね…今年は発表がないんだ」(それ以来、公表はなくなったかもしれません)

「え!どうしてですか?」

トップが小沢さん、上位はほとんど小沢グループで…」

「それが何か?」

「……」

要は、松木けんこうさんなど小沢グループが軒並み上位なので公表できないんだ、と細野さんが思わずこぼしてしまったのです。人がいいというか何というか。

そうそう、この話にはおまけがあって、嫉妬にかられたある男性議員に、私が「精神病院の患者を無許可で登録している」というデマを流されました。散々週刊誌に売り込んでいたのは耳に入ってきましたが、どこも相手にしなかったようです。

それにしても、自民党の党員数減少はかなり深刻なようです。1991年の543万人がピークで、2012~13年はなんと98万人。それもそうとうの締め付けをしての数字です。三原じゅんこさんが「ノルマを達成しないと公認が貰えない」と愚痴をこぼしたことが話題になりました。今の経済情勢だと4000円のバーは高いようです。

Next: いまの自民党はむしろ「弱体化」している



いまの自民党はむしろ「弱体化」している

最近、各種データを研究していますが、党員数の一点を見てもわかる通り、決して自民党が強いわけではないんですよね。選挙の比例獲得票数もかなり減っています。強いというよりもむしろ弱体化していると言ったほうが正しいかもしれません。

10年後には支持者の半分が亡くなっているという縁起でもない解説をする人もいますが、これは真偽不明です。高齢化しているのは事実のようです。

そうなると、あとは野党の頑張り一つなんです。参議院選挙の1人区の調整は成功したと私は思っています。あれは、衆議院の小選挙区の前哨戦ですからね。諦めず、辛抱強くやっていくこと。決して無理な勝負ではないと思います。
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三宅雪子の『こわいものしらず』VOL117(5/12)

・フォトモンタージュ
・ガソリンと二重国籍問題
・異なる意見
・党員数から見る選挙情勢
・御用新聞

三宅雪子の『こわいものしらず』VOL116(5/5)

・続 忖度
・自己愛
・政治とカネ
・名言、明言、迷言
・永田町恋愛サスペンス小説


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三宅雪子の「こわいものしらず」』(2017年5月12日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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3年3ヶ月の与野党国会議員の経験を生かし、三宅雪子独自の語り口で、あたたかみのある中にも、言うことは言う「こわいものしらず」なコラムを展開します。加えて、「教えて!○○さん」「名言・迷言・明言」「永田町コトバ」「ヒトリゴト」「話はそれますが…」など、私的なコンテンツもローテーションでお届けする予定です。

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