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「宇宙軍」創設に本気で動くアメリカと「奇妙に優しい異星人」の正体

米国防総省は「何かから地球を守る」物語の優秀な創作者です。私たちは、なぜか地球侵略を先延ばしする(?)心優しい異星人に感謝しなければなりません。(『カレイドスコープのメルマガ』)

※本記事は、『カレイドスコープのメルマガ』 2017年7月13日第214号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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世界の警察から「銀河系の警察」へ!? 米国はどこまでガチなのか

UFOとエイリアン伝説という「創作」

2014年4月2日、ジミー・キンメル(司会者、コメディアン、声優、俳優、プロデューサー)の生番組に出演したビル・クリントンは、ロズウェル事件を引き合いに出して、このように言いました。

「もし、いつの日か、UFOが地球に訪れたとしても私は驚かない。ただ、地球人と宇宙人との衝突を描いた映画『インディペンデンス・デイ』のようなことにならないことを願う。とは言うものの、それこそが、分裂する我々の世界を1つに結び付ける絶好のチャンスになるかもしれない。そうなれば、地球上の人々の違いなど、取るに足らないと考えだと悟るだろう」

<中略>

ヒラリー・クリントンもまた、大統領選での勝利を睨んで、2015年暮れあたりから、意識的にデイリー・サンをはじめとする数種の印刷メディアに登場してきましたが、2016年に入ってからは、いっそう精力的にテレビ・ショーやラジオ・ショーに出演して、「UFO情報の開示」を公約にするとアピールしました。

40,000人以上の人々が、エイリアンによってアブダクト(拉致)されることに備えて保険をかけている米国では、UFOフリークの票田が大統領選の結果を左右するほど大きな要因になっているからです。

しかし、その公約は果たされることはありませんでした

また、今年に入ってからは、ジョージ・ブッシュでさえ、キンメル・ショーに担ぎ出されて、「エリア51や宇宙からの脅威」について問い詰められていますが、米国の視聴者にとって、何ら有益な情報を引き出せないままです。

きっと、エイリアンは、レーガンやゴルバチョフもその必要性を訴えていた地球防衛軍が世界政府によって設立され、「宇宙からの脅威」に対抗しようとする世界各国から集められた莫大な資金によって地球に襲来するUFOを撃退できるだけの兵器が開発されるまで待ってくれるのでしょう。

心優しいエイリアンに感謝です!

「宇宙防衛軍」の創設が米議会で検討されている

今では、「フェイク・ニュース」の代表格となったCNNですが、UFO情報には熱心に取り組んでいるようです。

特に、CIAの出すエリア51や、エイリアン、UFOに関するニュースは丹念に報じてきました。

そのCNNでさえ、こみ上げてくる笑いをグッと飲み込みながら、厳粛に重々しく受け止めようと奮闘しているニュースが、「銀河系を守るため、米軍の新しい軍事部門の創設が検討されている(英文)」という議会の動きです。

CNNの記者は、「宇宙防衛軍の創設までには、まだまだ多くの議会の審議を経る必要があるものの、まあ、格好良く聞こえることは聞こえますがねぇ」という皮肉交じりの言葉で記事の最後を結んでいます。

反トランプ政権のCNNが言いたいことは、公約の1兆ドルインフラ投資の財源確保も、まったく目処が立っていないのに、それ以上の予算がかかる宇宙防衛軍の創設を公言するなど、いったい、トランプの「アメリカ・ファーストは、どこに行ってしまったのか」ということでしょう。

しかし、米軍とトランプ政権は、議会のこの動きに反対していません。

CNNは、このように報じています。

(CNN 7月8日付)「提案された新しい軍事部門は銀河系を守るために米軍兵士を送る」

それは、2019年から予定されており、ミッションは、潜在的スターウォーズから世界を救うために宇宙に軍隊を送る。その任に当たるのは、米国の宇宙部隊である。

議会は、米軍が、文字通り、この世界から宇宙兵士を送り出すための新しい軍事部門を加えることを提案している。

現実のバズ・ライトイヤー(Buzz Lightyears:ディズニー・ピクサー映画『トイ・ストーリー』シリーズなどに登場するメインキャラクター)の隊員は国防権限法(NDAA:the National Defense Authorization Act)に記載されており、現在は評決のために下院に送られようとしている。

NDAAそれ自体には、特別な何かが動き出しているということではない。NDAAには、すでに毎年、予算が割り当てられているからだ。

しかし、ロズウェル事件と同時に1947年に空軍が創設されて以来、米軍の最初の新しい部門を作る法案を支持するため、下院軍事委員会は今回、60対1の賛成に至った。

この法案の中で確立されている宇宙部隊の公務の中には、「戦闘準備兵士が戦いに勝利できるよう、戦闘準備宇宙軍を提供する」ということが含まれているのだ。

軍政面から言えば、海兵隊が米・海軍省下の部局に位置付けられているのと同じように、宇宙防衛軍もまた、米空軍省の管轄下におかれるだろう。

宇宙防衛軍のスタッフのチーフは、大統領によって6年ごとに任命されることになっており、空軍参謀長と同等のポジションが与えられるものとみられている。両方とも、空軍参謀総長に報告する義務を負う。

これまでのところ、提案の主な問題は1つだけである。

空軍のトップも職員も、「銀河系の守護者」を既存の軍隊から分離することを、決して良いことであると思っていないことである。

私は空軍指導部の反応に衝撃を受けた」と言っているのは、アラバマ州のマイク・ロジャース共和党議員である。彼は、6月22日の聴聞会で、それを聞いたときの驚きを隠さなかった。

この議員は、宇宙防衛軍の新設を法案に書いた議員で、小委員会の議長を務めている。

空軍の高官たちは、今回、提案された宇宙防衛軍は、宇宙からの脅威に対して地球を防衛しようという努力に関しては、まったく不必要である、と見なしている。

もっとも、宇宙防衛軍は、大胆にも、銀河系の前人未到の場所に行くということではない。
とにかく、空軍宇宙司令部は、1982年以来、その創設に向けて取り組んできた。何のために?

出展:A proposed new military branch would send US troops to guard the galaxy – CNN

CNNでさえ、果たして宇宙防衛軍の創設が必要なのか懐疑的なのです。

Next: 米国は世界の警察の座を降りて、銀河系の警察の座へシフトする



米国は世界の警察の座を降りて、銀河系の警察の座へシフトする

宇宙軍隊の創設は、長い間、宇宙条約第4条ほかによって禁止されていましたが、今回、米国が、それを無視するかのように宇宙空間における軍事展開を提唱しだしたことは、「このちっぽけな地球の隅々で、既存の軍隊では制御できない未知の脅威の存在」をアピールすることが狙いとしてあるのです。

この法案のもう1つの目的は、なんと、「銀河を守る」ことです。CNNの記者は、幾度もこみ上げて来る笑いを飲み込みながら記事を書いたことでしょう。

米・国防総省は、「何かから地球を守る」物語の優秀な創作者です。

平和な家庭のドアを蹴り破り、首都を爆撃して政府を倒し、やがて都市を占領して世界を征服してしまう「何か」が、今回は、エイリアンとUFOということになっているのです。

スピルバーグとルーカスは、いったい何本の宇宙映画をつくってきたでしょう。彼らは、地球人が、潜在的に「地球の破滅」が好きであるということを知っているのです。

米国という国は、常に新しい脅威を発明しては、国民に自分自身を守るように追い込んできました。その都度、軍事予算を増やしながら……。

米国は、世界でもっとも進んだ民主主義国家と言われていますが、実態は、ペンタゴンによって主導されている軍事国家です。

今、ペンタゴンの視野狭窄が、再び「パレスチナのナクバの大参事」を引き起こそうとしています。

言い換えれば、米国の戦争経済のために人為的につくりだしてきた仮想敵こそがブローバックとなって米国を攻撃してきたのです。そして、さら多くの軍事費を投入して、もっと多くの仮想敵をつくりだすという悪循環を招いてきたのです。

ブローバック(Blowback)」という言葉はCIAの用語で、外交政策の失敗が原因となって自国にもたらされる予期できない負の結末のことを概念的に言い表した言葉です。

場合によっては、米国の有権者が支持していた政権が、自国に敵対的になってテロを仕掛ける場合などを指します。

米ソ冷戦時代が終わると、米国の威信を保ち(それはドルの覇権を維持することによって成り立ってきた)、戦争経済を続けていくために新しい対立軸が必要となります。

ワシントンと欧州が生成したISISも、そうした目的の下で育まれたのです。

米国の有権者は、「ISISの打倒は世界共通の目的だ」と叫びます。ワシントンのディープ・ステートは、ISISをなるべく延命させて、軍事産業を潤そうとしていました。

しかし、プーチンの空爆によって、アッという間に制圧されてしまったのです。プーチンは、ブローバックを巧妙に利用して延命を図ってきた米国の退路さえふさいでしまったのです。

Next: 宇宙防衛軍の仮想敵である未知の地球外知的生命体は存在しない



宇宙防衛軍の仮想敵は存在しない

しかし、宇宙防衛軍の創設には、ブローバックは生じないかも知れません。逆説的に言えば、勝利もないのです。

「我らの銀河系を守る」宇宙防衛軍の仮想敵である未知の地球外知的生命体など、どこにも存在しないからです。

結局、宇宙インディアンと戦う宇宙カウボーイは、敵を求めて銀河系という果てしのない暗黒の宇宙空間を永遠に彷徨い続けることになるでしょう。

今のところ、未知の地球外知的生命体の脅威から銀河系を守るという話は、あくまで米議会の議会場における仮説に過ぎません。

しかし、人々の間で、積極的にエイリアンとUFOから地球を守ろうという機運が醸成されれば、一気にエイリアンは具体化されて国連決議に応用されるようになるでしょう。

結果、起こることは、海兵隊や米空軍に投じられている莫大な予算が宇宙防衛軍にシフトされるということです。

そして、すでに、政府予算を組むこともままならならない米政府は、「NATOはもう古い。西側諸国も応分に金を出せ」と言い始めそうです。

んっ?どこかで聞いたことはありませんか?

ともあれ、万が一も、宇宙防衛軍の創設が決まることがあれば、志願者は圧倒的な数に上るでしょう。

なぜなら、彼ら宇宙兵士は永遠に敵を捕まえることができないだけでなく、宇宙での戦争も起こらないことを知っているからです。

Next: オバマの「火星有人飛行宣言」には、まったく別の意味がある?



オバマの火星有人飛行宣言の別の意味

米政府の宇宙防衛軍創設への動きは、もうひとつの別の側面を浮かび上がらせます。

スプートニクが報じているように、オバマは確かに、遅くとも2035年までに火星への有人往復飛行を成功させると力強く宣言しました。

これは、オバマが大統領職を退いた後でも継承されています。

ここから、さらに、米国は本気で火星移住計画を推進していると言われるようになりました。

しかし、常識的な人々は、このように言います。

「人類は月面にさえ降り立っていないというのに、いったいどうやって火星に住めるようになるというのか……」

その通りです。

このオバマ宣言の本当の意味は、別にある、ということです。

それは、差し迫っている氷河期を、どうサバイバルするかという問題につながってきます。

地球が、すでに氷河期に突入していると警告しているのは、広島大学の長沼毅教授です。長沼教授のように、この10年の世界的な異常気象は、地球が氷河期に入った明確な兆候であると指摘している専門家は、国内外で数えきれないほど大勢います――
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UFOとエイリアン伝説は、世界政府の樹立を急ぐグローバリストによる創作

大統領は、バラエティー・ショーを利用してエイリアンの“啓蒙活動”を行う

ロシアは地球外知的生命体を認めているわけではない

UFOは庶民の見果てぬ夢でもある

「プロジェクト・ペガサス」火星のコロニーには、地球で拉致された子供たちがすでに暮らしている!?

「地球にとどまっていたら滅亡する」火星への大量移住を計画しているイーロン・マスク

「地球が氷河期に入る」

南極に人類がサバイバルできる秘密がある

パラダイムの次の飛躍


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「カレイドスコープ」のメルマガ』(2017年7月13日第214号)より一部抜粋、再構成

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