トランプラリーの第1ラウンドはいつ終了するか?大統領就任日の1月20日が1つのメドだが、就任後100日をハネムーン相場とすれば4月に入る。これは2020年東京五輪の丁度「3年3カ月前」にあたるが、実は1964年東京五輪でも、その「3年3カ月前」の1961年7月に相場は天井をつけているのだ。(山崎和邦)
※本記事は、有料メルマガ『山崎和邦 週報『投機の流儀』(罫線・資料付)*相場を読み解く2016年11月20日号の一部抜粋です。今月分すべて無料の定期購読はこちらからどうぞ。
東京オリンピックの「3年3カ月前」は再び天井となるか?
PER14倍、1ドル110円で日経平均18,000円?
これは大和証券の見方であるが、18,000円と言えば先週末で達している。
PER15倍、1ドル105円とすれば日経平均は18,700円。 PER15倍、1ドル110円とすれば日経平均は19,300円(大和証券の計算である)。
野村證券や大和証券には、常に強気を言い、常に明るい見通しを言わねばならない宿命が
ある。しかし、企業業績とか景気見通しについては、多人数のアナリストが各企業を駆け
巡って聴き取り調査をし、それを集計した結果であるから、それらの数値についてはほぼ信用して良い。
また、内閣府や日銀の発表する数値はIMFも認めるほど、世界有数の正確さである。 こういう数値そのものは信用していいが、相場観については必ずしも当てにならない面がある。
ただ、そんな中でも大和証券の言い分は、PERとドル円相場の組み合わせによれば、上記のように18,000円~19,300円までが想定される、というものだ。
トランプラリーが終わるのは東京五輪の「3年3カ月前」?
戻り売りのクドい膠着相場のレンジから脱出して、押し目買いに入ったことは事実だ。「噂で買って事実で売れ」の格言からすれば、トランプの大統領就任日(1月20日)が1つのメドとなるが、就任後の100日をハネムーン相場とすれば4月に入る。
これはまさしく、2020年東京五輪の「3年3カ月前」にあたる。
1964年の東京五輪を振り返ると、奇しくも「3年3カ月前」の1961年7月18日に史上最高1829円をつけ、その後4年間の下げ相場を迎え、さらに4年後の正しく同月同日7月18日に1020円の大底を打っている。
当時、東京五輪の3年3カ月前、1961年7月に史上最高値を付けた相場は、そこから1965年の所謂「昭和40年不況」まで、趨勢としては4年間下り続けた。1961年の高値の日と1965年の大底の日が「7月18日」で同月同日であったのは、天意測るべからずというところであろう。
「3年3カ月前」説を採るなら、ハネムーン期間(100日間)の終わりとも合致するがどうなるか?この辺まで来れば20,000円超えはあり得るかもしれない。
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2002年2月と似た動きなら、上値は19,000円に?
トランプの経済政策と株価に関して、まず目に見える形で一番効くのは、トランプが言っている大幅財政出動によるインフラ投資である。
これは実弾を実体経済に投ずるのであるから、ただちに効く→アメリカ経済好転→だが下手をすると悪性インフレを招く。
(1930年代のヒットラーの出現を生んだドイツのような「ハイパーインフレ」になることはないが、「悪性インフレ」を招く恐れは大いにある)
しかし今は、中長期的な副作用には目をつむって、楽観シナリオに拡大鏡を当てて市場は動いている。アメリカ経済が好転すれば当然NY株は上昇する→日本株も上昇する、こういう経路を11月10日以降たどってきた。
ではどこまで上がるか?これを機械的に罫線に当てはめてみると、古い話だが2002年2月に9,420円から12,081円まで米国要因で上がったことがある。この時の上昇率が28%だった。
今、今年の2月と6月のダブルボトム(14,865円)から28%上昇するとすれば、19,000円になる勘定である。
これは大和証券が言う3つの筋書きの1つにも該当する。大和証券の筋書きはPERとドル円相場から算定したものであるが、機械的にチャートに当てはめればこうなる、というだけの話だ。
『山崎和邦 週報「投機の流儀(罫線・資料付)」』(2016年11月20日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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