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日本マクドナルドの復活劇を支える「欧米式経営のちょっとイイところ」=児島康孝

店舗が改善してきていると以前お伝えした日本マクドナルドですが、業績が好調です。今回の回復は本物であり、さらに伸びる可能性も十分にあります。(『ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!』児島康孝)

店舗・サービスの改善に見事成功!マクドナルドの復活は本物だ

純利益200億円予想は控えめ

日本マクドナルドホールディングス<2702>は、8月9日に2017年6月中間期の決算を発表しました(通期決算は12月)。

それによると、
・売上高2332億円(前年比+13.8%)
・純利益は107億円
となっています。
(※2017年1月1日から2017年6月30日までの半年分、直営店とフランチャイズ店の合計)

これにより、日本マクドナルドは2017年12月期の純利益の予想を、従来の145億円から200億円に上方修正。これは現時点での2017年12月期決算の予想ですが、数字は控えめであり、さらに伸びる可能性もあります。
※参考:マクドナルドの逆襲、大復活の兆しが – ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!(2017年3月31日配信)

日本マクドナルドホールディングス<2702> 週足(SBI証券提供)

店舗の居心地が良くなっている

まず、店舗デザインを斬新にして居心地を良くしていることが、復調の第1の要因です。スタバなどからマクドナルドへ、顧客の一部が移動しています。

店舗の清掃の改善もかなり進んでいるほか、カウンター上部には画面で順番を明示。商品渡しの順番が抜かされたとか、まだ呼ばれていないのかなどが一目瞭然となりました。新商品の投入も、かつて業績が良かった頃のマクドナルドと同じ勢いが感じられます。

このマクドナルドの回復は本物であり、顧客軽視などへの極端な転換を行わない限り、このまま好調は持続するでしょう。

店の好不調を示す既存店の数字も、2017年の上半期の既存店の売上高は+14.3%客数は+11.4%と、売り上げ・来店客数ともに好調です。

Next: 欧米式経営の良い部分を反映している「マクドナルドの人材採用」



マクドナルドの人材採用と今後の伸びしろ

現在の日本の雇用情勢を見ると、回復感が乏しい理由のひとつに、採用人材の「選り好み」の行き過ぎがあります。「選り好み」が過ぎるので、雇用の回復が遅れているわけです。

日本独自の特徴であるのですが、一般的に、店員はかっこいいお姉さんやお兄さん(20歳から30歳前後)という人材に過度に集中しています。

しかしマクドナルドでは、年齢・男女比などバランスがとれています。中年男性や高齢女性などもよく見かけます。

これは、欧米の採用の良い部分を反映しているためで、通常は採用されにくい年代の男女が多く雇用されています。このような採用は特にアメリカでは当たり前のことですが、日本の現状では事実上、年齢が20代・30代からずれると仕事がありません

日本の律儀な「品揃え」主義が、雇用の回復を遅らせているので、マクドナルドのバランスがとれた採用は好印象です。

こうしてみますと、かつては酷評されていたマクドナルドですが、今回の回復は本物であり、さらに伸びる可能性も十分あります。

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ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!』(2017年8月10日号)より抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による

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