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「感情」と「勘定」を区別せよ。東京電力<9501>に関する読者との問答=山崎和邦

読者から406円で買った東京電力株は売るべきか、との質問が来た。個々の銘柄や売買機会への口出しは控えているが、たまたま私自身と同一銘柄で買値も近いので付言する。(山崎和邦)

※本記事は、有料メルマガ『山崎和邦 週報『投機の流儀』(罫線・資料付)*相場を読み解く2016年12月25日号の一部抜粋です。今月分すべて無料の定期購読はこちらからどうぞ。

東電も東芝も国策企業だ~新たな相場を見据えた私のシナリオ

読者からの質問 「東京電力HD<9501>についてどうお考えですか?」

現在、406円で買った東京電力HD<9501>が7000株ほどありますが、日経が天井圏だとすると、売った方がよいのか?と迷っています。山崎先生のご見解をいただけたら幸いです。(名古屋・N)

山崎和邦氏の回答

人によって「流儀」というものがありますし、それを無視して個々の銘柄や売買機会に口出しするのは控えていますが、N様のご質問は、たまたま私自身が保有するのと同一銘柄で買値も近いので付言します。

私は418円平均買値の東電を比較的に多数保有しています。いつも「『感情』と『勘定』とは区別すべきだ」と呼びかけていながら言動不一致ですが、171円で買った東芝を少々「記念」に持っている以外、今は東電しか持っておらず、他は換金済みです(この東芝は2月にキューバ共和国のサンタクララの革命広場から電話して買ったものですから「記念」に持っています)。

話が逸れましたが、東電はストップ高の日の翌日のヨリツキに551円で一部分を売り、また510円で一部を買い直しました。この買い直しは早過ぎたかと少し反省していますが、安ければまた買います。この株は東芝と同じで「国策に売りなし」の買い銘柄のつもりで、長期のつもりだからです。現に日経新聞は、「国策」とは書いてないが、「国主導」という言葉を何回も使っています。

私のシナリオではこうです。

(1)
経産省は「原発はやらねばならない」と考えています。

(2)
経産省や一部の学者(京都大学博士、エネルギー専門、慶応義塾大学特任教授・遠藤女史)の「国の明確な関与による東電改革案」によれば「東電の株式時価総額は5兆円レベルに引き上げることが前提だ」(日経新聞12月2日付、原文通り)としていますが、これをマトモにとれば、東電株価は「5兆円÷発行株数16億株≒3125円」となります。

(3)
東京理科大学の橘川教授は、新潟県に電力供給している東北電力に世界最大の柏崎原発を売却することを提案しています(日経新聞12月1日付)。また、「東電を他社と統合して再編を進めるため、また除染費用を出すためには、時価総額を9兆円にしなければならない」(日経新聞12月10日付)と言っています。これをマトモにとれば「9兆円÷発行幹部数16億株≒5600円」です。

(4)
柏崎原発は世界一ですが、この内の6、7号機が稼働すれば、2600億円の利益が出ます。売り上げではなく利益です。

(5)
世界一厳しいという日本の基準で、原発委員会の認許が近いうちに通る。そうなると新たな相場が始まります。

(6)
東芝は「国策」で活かすため、上場廃止もしなかったし、粉飾決算という言葉も使わせず「不適切会計」で統一した。検察も起訴しないと発表した。これは、福島の処理と東電を活かすための工作として、東芝を活かすための「国策」だった。だからこそ、2月の安値155円が460円位になったのです。

以上が、「東電」と「東芝」を関連して考える私のシナリオです。

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「10万年後の地球環境」を考えるだけでは投資で勝てない

短期で売買益を取るか、長期で持続するか、人によって流儀が違いますから何とも言えません。ただ、こういうことは言えましょう。

フィンランドのオンカロの土中深く埋めた核の毒は、10万年後も消えないそうです。では聞くが、10万前のネアンデルタール人が今のことを考えられたか。今から10万年後には、核の廃炉が人体に良く効くという薬学が出るかもしれない。10万年後のことまで言い立てて原発反対を言う意見は、自然消滅するでしょう。

東京電力HD<9501> 週足


「バフェット指数」は再び天井圏内に

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山崎和邦 週報「投機の流儀(罫線・資料付)」』(2016年12月25日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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