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【10月米雇用統計】114円台を買いたくないこんな夜は「弱めの数字」に期待したい=ゆきママ

今日は文化の日で日本は祝日ですが、為替相場は当然動いていますし、予定どおり雇用統計も発表されます。普段はお仕事が忙しいという方も、ぜひ月に1度のお祭りイベントに参加していただければと思います。(『ゆきママのブログでは書けないFXレポート(無料板)』『お値段以上!?ゆきママの「週刊為替予測レポート」(有料板)』FXトレーダー/ブロガー・ゆきママ)

トレードチャンスは限定的? 想定レンジは1ドル=113円~114.5円

先月に続いてハリケーンの影響を見極めたい

前回発表された9月分は、ハリケーンの影響によりサービス業を中心に多くの離職者が出たことで非農業部門雇用者数が−3.3万人とまさかのマイナスに落ち込みました。その一方、平均時給(賃金上昇率)は前月比+0.5%・前年同月比+2.9%と、医師や看護師、レスキューといった高給な人々の労働時間が大きく伸びたことで力強い数字を示していました。

そして、今回の10月分では、この9月分(前回)からの反動はもちろん、本当にハリケーン以外の要因がなかったかどうかを見極める必要があるでしょう。

つまり、雇用者数の減少は労働市場の逼迫(ひっぱく)を示し、平均時給の伸びは待望の賃金インフレ発生という可能性も存在しているということです。もちろん、ハリケーンの影響は多分にあったでしょうが、マーケットが待ち望んでいた展開ということも考えられないわけではありません。

今回の事前予想値非農業部門雇用者数が+31.2万人と反動からの大幅増が見込まれています。平均時給は前月比+0.2%・前年比+2.7%となっており前々回までのイマイチ伸びあぐねている数字が想定されていますが、これが予想をしっかり上回ってくるのであれば、いよいよ賃金インフレということでポジティブに捉えられやすいと思いますので、注目しておきましょう。

先行指標は全体的に好調!

それでは、いつものように先行指標を確認していきましょう。今回はISM非製造業指数の発表が雇用統計後になるため空欄となっていますが、その他の数字を確認するといずれも好調と言えるでしょう。

先行指標の結果(数値はいずれも速報値)と雇用統計の事前予想値

とりわけ製造業の雇用指数はかなりの高水準をキープしているため心強いですね。むしろ、製造業に関しては、ハリケーンによる需要の高まりや、在庫そのものダメージを受けて大幅に減ったため、今後も引き続き堅調とのことです。

ここでも別な意味でのハリケーンの影響が現れており、一般に賃金水準が高いとされる製造業の良好な軌道は賃金を押し上げる可能性があります。

この他、ADP雇用報告も前回から大きく数字を伸ばしていますし、新規失業保険申請件数も順調に低下していますから、雇用者数に関してもそこそこ以上の水準が出ることは、既に織り込まれていると言えそうです。

Next: 114円台攻略はかなり大変、反落からの押し目を狙っていきたい



114円台攻略はかなり大変

ここ最近のドル円相場は上値が重いこともあって、嫌でも反落リスクを重く見なければならない局面となっています。トレード戦略として、ショート(売り)かロング(買い)かの選択であれば、短期はほぼ間違いなくロングしかないと思いますが、少なくとも現状では114円台でのエントリーは避けたいところでしょう。

今週も比較的強めの経済指標が発表されているものの、ドル円の反応はかなり鈍いというか上値は攻略できていませんからね。むしろ、底堅さを考慮して、ちょっと弱めの数字が出て反落した際に押し目を狙っていくというのがベターなように思います。

雇用統計のメインシナリオとしては、特に平均時給が予想をやや上回ってくる理想的な展開を想定していますが、上値の重さを払拭するには足りないでしょう。また、あまり予想を大きく上回り過ぎてもハリケーンの影響で処理されそうで、初動はともかく継続してグングン伸びていくという展開にはなりにくいと考えています。

ドル円の日足チャート

チャートに目を向けると、下値については113.12円近辺にある21日移動平均線がサポートしています。113.00円という節目もありますから、よほどのことがない限り、ここを割り込んでいくことはないでしょう。

一方、上値に関しては5月、7月の高値にもなっている114円半ばがレジスタンスとなっており、114円台からの重さが嫌でも意識される格好となっています。週足ベースで見ても114.50~114.60円近辺は抵抗帯です。ここを明確に抜けきれば、115.00円といった大台も見えてくるわけですが一筋縄ではいかなそうです。

Next: 想定レンジは113~114.5円、発表直前に114円より上なら要注意



想定レンジは113.00円~114.50円

したがって、想定レートは113.00円~114.50円と見ています。決して下方向への動きを重く見ているわけではありませんが、現状ではこのゾーンでの値動きを想定する他ないといった感じです。

本校執筆時点(12:00)のレートは1ドル=114.00円ちょうどとなっていますが、雇用統計発表前にこの水準か上回る位置にいるなら、発表前のエントリーはノーチャンスと見ておいた方が良さそうです。

仮に弱めの数字が出て113円半ばぐらいまで押し下げられてくるのであれば、少しずつ拾って様子を見たいところでしょう。もちろん、非農業部門雇用者数が+20万人を下回る、平均時給が前月比でマイナスに陥るといった大幅に予想を下回る結果となった場合には、下落してきても手出しは無用ということで。

ドル円の値動きが鈍いこともあって、今回はトレードチャンスがかなり限定的となりますが、祝日でお休みの方はぜひぜひ参加いただければと思います。それでは、最後までお読み頂きありがとうございました。また、来月もお楽しみに!

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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2017年11月3日)
※太字はMONEY VOICE編集部による

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