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これから起こる悲劇すべてを「トランプのせい」にして終わる世界経済

海外メディアに興味深い意見記事が掲載されていました。歴史的規模の経済危機が目前に迫っていて、そのすべての責任がトランプ大統領に押し付けられる、という内容です。(『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』)

※本記事は、『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』2017年2月24日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

ドナルド・トランプは「敗戦処理投手」。ヤケクソ大暴投の可能性も

迫る歴史的規模の経済危機、その責任は?

海外メディア『New American』に、歴史的規模の経済危機が目前に迫っているという趣旨の興味深い意見記事が掲載されていました。
https://www.thenewamerican.com/economy/economics/item/25385-looming-economic-crisis-to-be-blamed-on-trump-experts-warn

以降、記事の要点をご紹介します。

歴史的規模の経済危機が、もう目前に来ている。エスタブリッシュメントたちが、その責任をトランプ大統領や反グローバリズム主義者に押し付ける可能性がある。こう考えているのは元大統領候補だったロン・ポール(Ron Paul)元議員や、複数の経済専門家たちである。

来襲するだろう金融混乱の土台を実際に築いたのは「オバマ大統領」や「FRB」であるものの、おそらくトランプが責任を押し付けられるだろう。

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ロン・ポール元議員は、「深刻な金融危機が起こるのは間違いない」「経済的理由で米国は終わる」として、次のように述べています。

FRBの金融政策、ドル垂れ流し政策の結果、近い将来に深刻な金融危機が起こるのは間違いないだろう。これを避けることはできないし、トランプでさえも止めることはできない。そして、その責任はトランプに押し付けられるだろう。

この金融危機は、来年になるとか、1年半後になるという予言があるが時期はわからない。しかし、規模としては、2008年危機よりもずっと深刻な超不況になると考えられる。

エスタブリッシュメントたちは、何もかもを「トランプのせいだ」と言うだろう。しかし、それは間違いだ。前の危機は、オバマの失政ではなく、FRBに責任がある。ケインズ経済学派の経済モデルの欠陥であり、要は過剰な支出、財政赤字が問題なのだ。

残念なことに、トランプにできることは何もなく、経済の落ち込みは避けられない。なぜならば、財政赤字、不良投資、それにあまりにも長期間の超低金利が続いているからである。

トランプに唯一できることは、超不況の時代を大統領として過ごし、債務を清算するだけだ。政治家なら誰もが好まないことだが、米国経済の終わりに皆が気が付く前に、物価の高騰が見られるだろう。帝国には終焉がつきものであり、経済的理由で米国は終わるのだ。

Next: ジム・ロジャーズ「多分これまでで最悪の状態」経済のメルトダウンを警告する専門家たち



米国株の暴落を警告する専門家たち

複数の専門家は、FRBの低金利の垂れ流しマネーによって高騰してきた異常な株価が、急激な落ち込みをすると指摘している。

現在の米国株価は記録的なレベルとなり、それゆえ、専門家たちは「残酷な下落になる」と見ています。他にも、「強烈な物価上昇」や「米ドルの大幅な価値下落」を指摘している専門家が多くいる状況です。

この問題の背景には長年蓄積されてきた米国の構造的な欠陥があるとしていますが、結局は「トランプが責任を押し付けられる」ことになりそうです。

ジム・ロジャーズやジェームズ・リッカーズが警告する経済メルトダウン

また記事中では、ジム・ロジャーズ(Jim Rogers)の最近のインタビューについても言及しています。

ジム・ロジャーズは最近のインタビューで「備えよ。人生で最悪の経済危機に突入しつつあり、多分これまでで最悪の状態となって、多くの組織、企業、下手をすれば政府や国家までが崩壊するかもしれない」と警告している。

さらに、ベストセラー『通貨戦争』の著書で経済評論家・投資家のジェームズ・リッカーズ(James Rickards)の発言についても引用し、経済危機の訪れを強く示唆しています。

昨年末、ジェームズ・リッカーズが同様の警告を発している。トランプはこの経済危機に対して何もできないだろうとして、「金融危機は間違いなくやってくる。一番重要なことは、いますぐに準備することだ。それは2018年になるか?2019年になるのか?それとも明日なのかはわからないが、いつ起きても不思議ではない状態である。さらにその内容は2008年から続く経済のメルトダウンであり、今までにない規模と損害を与えるだろう」と預言している。

加えて、「前の危機では、FRBが米ドルを大量にばら撒いて誤魔化したが、今度はおそらく金融的凍結、すなわち銀行閉鎖をして、電子マネーも凍結させて混乱を抑えるだろう。その引き金は、大手銀行の破産、現物地金の引き出し停止、戦争勃発、自然災害、金融システムに対するサイバー攻撃など、いろいろなことが考えられる。その時期は問題ではない。問題なのは、この危機が回避不能であり、もうすぐ来襲するということだ。準備をする必要がある」と語っている。

最大の問題は、FRBがここに至っても借金を増やすだけで、何とか水面下に沈まないようにと永久的な信用創造を続けていることである。

「反グローバリズムが経済危機をもたらす」IMFによる宣伝の意味

事実、トランプが大統領に選ばれる前から、IMFやグローバリズムを進める機関は「トランプの反グローバリズムが経済危機を引き起こす」と宣伝した。選挙終了後も、同様のプロパガンダが続き、例えば英国のIndependent紙には「ドナルド・トランプ大統領は、どのようにして世界経済を難破させるか」という題名の記事を掲載。そこでは、「2017年に米ドル危機が起きて、それが銀行危機と、そして大不況を引き起こすだろう。すべてはトランプが引き起こすものだ」と述べられていた。

Next: すべてに気づいているトランプは「市場クラッシュ」の引き金を引くか?



すべてに気づいているトランプは「市場クラッシュ」の引き金を引くか?

別の見方もあります。それは、「トランプはおそらく、このことに気がついている」という見方です。

もし気がついているならば、早急に引き金を引くはずです。現時点で前述の超金融危機が起きれば、誰も「トランプが悪い」とは言えないはずだからです。トランプが、前任者と同様にダマシダマシの危機の後送り政策をとって、例えば4年後の大統領再選挙の近くで超金融危機が破裂すれば、もうこれはトランプの責任になります。

2つの選択肢、つまり今すぐ引き金を引くのか?それとも我慢するのか?の功罪を考えれば、たぶん、彼は暴発させると思います。皆様はどうお考えでしょうか?
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※本記事は、『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』2017年2月24日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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いつも感謝している高年の独り言(有料版)』(2017年2月24日号)より一部抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による
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