ネットニュースでよく見る「お金持ちが必ずやっている7つの常識」っていう感じの記事。あれはウソです。長財布もポジティブシンキングも成功には結びつきません。(『野口敏の会話がとぎれても大丈夫』)
※本記事は有料メルマガ『野口敏の会話がとぎれても大丈夫』2018年2月5日, 26日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:野口敏(のぐち さとし)
コミュニケーションのスペシャリスト。株式会社グッドコミュニケーション代表取締役。著書にシリーズ100万部超のベストセラー『誰とでも15分以上会話がとぎれない!話し方66のルール』など。大手企業の社員教育、人材を育てる力のあるリーダー養成など幅広い講演活動も精力的にこなす。
長財布を使え、隣人の平均年収が自分の年収…なぜ人は信じるのか
「お金持ちがやっている」のウソ
ネットニュースでよく見る「お金持ちが必ずやっている7つの常識」っていう感じの記事。あれ、ほとんどがウソです。
例えば、「お金持ちになる人は必ず長財布を使っている」というウソ。私は教室を開講以来19年間、ずっと貧乏たれでした。財布はもちろん、ふたつ折りタイプ。
そして2009年に出版された『会話がとぎれない話し方66のルール』(すばる舎)で大ブレイク。年収が1億円を超えたのですが、ずっとふたつ折りタイプでしたよ。それから長財布にしましたけども。
ふたつ折りの財布を使っていても、年収1億円になったよ。ほら、ウソでしょ。
あと「財布の値段の何百倍かが年収になる」というウソ。お財布屋さんの陰謀だって。
さらに、「自分の身の回りにいる人の年収を平均したものが、あなたの年収です」っていうウソ。貧乏たれだった私の周りにいた人たちって、多くて年収700万円ぐらい。平均したら400万円ぐらいだったはず。でも1億円を超えたんだよ。
人はどうしてウソにひっかかるのか
だいたい、
黄色をたくさん使えばお金が入るとか、
玄関に猫の絵を飾ればお金が入るとか、
おじいさんの禿げ頭を叩けばお金が入るとか、
そんなことでお金が入って来るのなら誰も苦労はしないってば。
では、どうしてそんなウソに人は引っかかるのか。
そりゃ、やり方が楽だからですよ。安直だから「やってみよう」と思う。やるからには信じたい。そんな心理が、あんなウソを流行らせる。
Next: お金持ちになる方法は確かにある。どうすれば成功する?
楽に手に入る成功などない
実は、お金持ちになれる方法はあるんです。
それは、「いい情報を集める」こと。
その情報をもとに「行動を起こす」こと。
障害があってもあきらめず「試し続ける」こと。
その先にお金は必ず待っている。
ほら、もうあきらめかけたんじゃない? だって、そんなことしんどいもん。
みんな楽してお金を手にしたいという安直な願いを持っているから、いい加減な自己啓発セミナーなどに引っかかる。100万円以上するセミナーもあるんだって。気を付けようね。
楽に手に入る成功法則なんて、ない。見極めて、研究して、挫折して、反対されて、蔑まれて、それでも自分の信じた道を行く。その先にしか、成功もお金も待っていてはくれません。
そして、皆が大好きなポジティブシンキングも何の役にも立ちません。
ポジティブシンキングに「有効性はナシ」
ポジティブシンキングについては、すでに心理学の実験などを通じて、その有効性が否定されています。
「物事をいい方向に考える」などの他愛もないものはいいとして、「ポジティブに考えれば成功する」などという安易な考えを持つのは危険です。
会社をつぶす社長の典型的なタイプが「楽観的でチャレンジ精神旺盛な人」であることをご存知でしたか?
私は20年ぐらい前に、借金が1千万円あり、夜も眠れない日々が続いていました。何しろ教室の年間売上が1千万円程度でしたからね。
その時ある知人が、「自分は借金が3,000万円あるが、夜眠れないなどということはない。自分はポジティブだから」と言っていました。「自分は成功すると確信している」とも言っていました。
その後、ネガティブな私はベストセラーの本を出し、億の収入を得ました。そしてその友人は破産し、家族は離散しました。
この一事を見ても、ポジティブシンキングに意味がないことがわかるでしょう。
Next: 「ポジティブシンキングなんてウソ」と言われてムッとする人も多いが…
人を突き動かすのは潜在意識
なぜポジティブシンキングに意味がないかと言うと、「人が把握できる思考の範囲など、大海に浮かぶ小舟一艘分しかない」とあのユングも言っているからです。
ポジティブに考えたとしても、小舟一艘分ぐらいしか考えられていないということ。そして、大海に当たるのは、潜在意識。人が簡単に気づくことのできない心の奥の奥にある意識。それが私たちを突き動かしているのです。
「ポジティブシンキングなんてウソだよ」と言われてムッとする人も多いです。それは深層心理で、自分でも疑問に感じているからです。
ネガティブな人を見つけては、「お前はネガティブだな。ダメだ」とダメ出しをするのは、自分の奥深くに隠し持っているネガティブな部分が刺激されるからです。
真にポジティブな人間は、他人を否定したりしません。さらに本物のポジティブ人間は、自分をポジティブだとも思いません。
なぜか。それは自分の中にネガティブな部分がないから。比べるものがなければ、何がポジティブなのか、自分ではわからないはずなのです。
「オレはポジティブだから」と言うっていうことは、オレの中にネガティブなところがあるんだ、と言っているに等しいわけです。
思考よりも行動が大事
1千万円の借金があった私が継続したのは、文章を書く練習を重ねたこと。実に20年も修行しました。
さらに出版を実現させるために、出版社へのアプローチを続けたこと。
ポジティブシンキングよりも、ポジティブアクションこそが人生を実り豊かにする最高の秘訣です。
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『野口敏の会話がとぎれても大丈夫』(2018年2月5日, 26日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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