マネーボイス メニュー

ギリシャ、EU、それぞれの思惑を解説 もし「最悪の事態」になった時、マーケットはどう動く?

IMFへの返済期限を越えましたが、結局ギリシャは返済できませんでした。気になるのはこれからどうなるのか?というところですが『長谷川雅一のハッピーライフマガジン』を配信するベテラン投資アドバイザーの長谷川雅一さんは、ギリシャの思惑、やEUの思惑、最悪な事態になった時に想定されうるマーケットの動きなどについて「絶対」はないとしながら独自の見解を語っています。

【関連】ギリシャ国民は緊縮政策を受け入れるのか?7月5日の国民投票ですべてが決まる!

EU離脱をちらつかせ資金を得たいギリシャ、他国への影響を考え、離脱させたくないEU

株、為替とも、ギリシャ問題が相場に影を落としています。

ギリシャは、いわば「小国」であり、経済的な影響も、直接的には小さいのですが、立ち回りが「うまい」んですね。IMFやEUから、うまく資金をいただこうと賢く交渉を続けています。

その交渉の「切り札」が5日に予定されている「国民投票」です。この国民投票は、EU離脱の可能性をEU側につきつけるものです。

EU側としては「離脱」は避けたいところ。なぜなら、ギリシャが脱退すればEUの結束が揺らぐからです。

経済的にあまり調子のよくないイタリアなどが、連鎖的にギリシャと同じ運命をたどるのでは、という「連想」も働きます。

IMFやEUの言うことは聞かず金は貸せと言うギリシャ

ギリシャに対するEUの要求は、「増税」「年金改革」。つまり「税金を上げろ」「年金を減らせ」ということです。

たとえば日本がEUに加盟していたと仮定しましょう。莫大な借金をかかえて、経済的に立ちゆかなくなった日本に、EUが、「消費税を20%に上げなさい。年金は75歳からの支給とし、支給額は現行の7割にしなさい」といった財政緊縮策を突きつけてきた、と。

こうした要求を一般国民が受け入れるのは、なかなか大変なことです。

ギリシャのスタンスは、「IMFやEUの要求は受け入れない。でも、お金は貸して欲しい」というものです。

ここへ来て、ギリシャは中国やロシアとも接近するパフォーマンスを見せながら、自国の要求を通そうとしています。

お金を貸す側としては、とりあえずギリシャの自分勝手な要求には「ノー」と言うしかありません。

Next: 今後の展開は?マーケットはどんな想定をしている?



これからどうなる?

ギリシャ問題は、これからどうなるのでしょう?これは実際「5日の国民投票しだい」です。誰にもわかりません。

世論調査では、「EU残留を望む人(EUの要求を受け入れる人)の方が多い」ということですが、ギリシャの現政権は「EUの要求を拒否する」という姿勢ですから、まさに「混乱状態」であり、国民投票の結果がどうなるかは流動的でしょう。

マーケットは「最悪の事態」を想定して動いている

ギリシャ問題に対する、マーケットの反応はどうでしょう。

マーケットは、すでに「最悪の事態」を想定しつつ動いていると感じています。つまり、「ギリシャはデフォルトし、EUを離脱する」というシナリオのもとで動いていると思います。

実際に最悪の事態となった場合、もちろん、為替はさらに円高に振れ、さらなる株安が進行する可能性があります。

しかし、そうなっても為替であと1円程度、日経平均であと500円程度の下落にとどまるのではないか、と見ています。また、その下落は「瞬間的なもの」になる公算が大きいのではないかと思います。

為替や株は今売るべきか? 買うべきか?

結論から言いますと、今は「買い場」であると考えます。為替も株も、かなり安くなっており、ギリシャ問題の規模を考えれば、今後の反発は「ほぼ確実」だからです。

もちろん相場の世界に「絶対」はありませんので、「保証」はありませんが、僕は「買い」のスタンスでよいのではないか、と考えています。ただし、適当に買わず、タイミングよく安い値段(レート)で買うことが大切です。

長谷川雅一のハッピーライフマガジン』(2015年7月1日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による


無料メルマガ好評配信中

長谷川雅一のハッピーライフマガジン

[無料 ほぼ平日刊]
リアルタイム投資情報サービス「LiveSignal24(ライブシグナルにじゅうよん)」の発行者、長谷川雅一がお届けするメルマガです。投資(株/FX)、マネー、政治、経済、趣味、衣、食、住、遊、ライフスタイルなど、あなたがハッピーライフを築くヒントをお届けします。

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。