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ロボットに仕事はぜんぶ任せよう。人間は給付金で遊んで暮せばいい=田中徹郎

ロボットが人間の仕事を奪う、所有者に富が集中するとの意見を見ると不安になりますが、未来は明るいかもしれません。働かなくても豊かに暮らせる時代が来ます。(『一緒に歩もう!小富豪への道』田中徹郎)

プロフィール:田中徹郎(たなか てつろう)
株式会社銀座なみきFP事務所代表、ファイナンシャルプランナー、認定テクニカルアナリスト。1961年神戸生まれ。神戸大学経営学部卒業後、三洋電機入社。本社財務部勤務を経て、1990年ソニー入社。主にマーケティング畑を歩む。2004年に同社退社後、ソニー生命を経て独立。

「ベーシックインカム」と「ロボット化」がもたらす明るい未来

子どもの頃に夢見た「アンドロイド」が現実に

当メルマガでは、以前からAI(人工知能)ロボット化について、いろいろと考えてきました。

たとえば、次のような疑問です。

・AIとロボット技術が合わさると、それは僕たちが子どもの頃に見た「アンドロイド」ではないのか

・アンドロイドは人間に代わって働き、人間はいままで担ってきた労働から解放されるかもしれない

・そのとき、人間はどうやって収入を得るのか

アンドロイドの所有者に富が集中してしまい、それ以外の庶民は残された仕事を分け合って細々と生きていくのか

もし上記のように、「アンドロイドの所有者に富が集中する未来が来るとすれば、それはかなり憂鬱だな」などと悶々としていました。

ところが、先日ある新聞(雑誌かもしれません)で面白い考えを目にしました。

ベーシックインカムが「富の集中」を解消する

どなたが書かれた記事だったか記憶にないのですが、簡単にいえば以下のように、「AIロボット社会」と「ベーシックインカム」の組み合わせについて書いたものでした。

企業は業務の大半をAIロボットに置き換える
  ↓
ロボットには人件費がいらないので、企業の利益は増える
  ↓
その企業が納める法人税も増える
  ↓
その法人税を原資に、政府はすべての国民に一律のお金(=ベーシックインカム)を給付する

僕はこの記事を読んで、「あり得るな」と思いました。

ベーシックインカムというのは、年金や低所得者への生活保護、児童手当などに代え、すべての国民に対し一律にお金を給付するという考えで、近年ヨーロッパを中心に注目を集める政策です。すでに北欧では実験段階に入った事例もあります。

ベーシックインカムはロボット化を念頭に生まれた概念ではないですが、僕はロボット化とベーシックインカムの相性はすごくいいと思いました。

ロボット化が未来を破壊するという懸念

ロボット化の最大の懸念は、人間に残された労働が少なくなり、労働者が収入を得る機会が減る点にあります。

その結果として労働者が貧困化するようなことがあれば、消費は減りますので、企業の売り上げも減り、経済は縮小してしまいます。

Next: 働くのは週3日程度。無職でも「そこそこ豊かに暮らせる」日が来る



なぜベーシックインカムが経済成長を促すのか

ロボット化の「負の側面」が取り沙汰されていますが、ベーシックインカムによって、懸念点の1つである貧困化を緩和できるとすればどうでしょう。

消費が拡大し、企業の収益の拡大し、法人税が増加する。その結果、ベーシックインカムの拡大余地が生まれるという、好ましい経済循環が生まれるのではないでしょうか。

これはロボットに人間の代わりに仕事をしてもらい、そこから得られる付加価値を、国民すべてに分配するということです。

人間は「週3日」働けばよい

では、このような社会で私たち国民の生活はいったいどのようになっているのでしょう。

ロボット化からもれた仕事もある程度は残るでしょうから、すべての労働が無くなるとは思えません。それでも国民の就労時間は劇的に短くなり、例えば1日の労働時間は5時間ほど、それも働くのはせいぜい週3日ほどといった感じになるかもしれませんね。

通信手段の高度化とAI技術の進歩によって、大半の仕事は一か所に人が集まってやる必要はなくなっており、自宅や最寄りのサテライトオフィスで済ませることになるでしょう。

モノを大量に生産する現場はロボット化されていますから、人が企業に就職するという形態は主流ではなくなっていると思います。

働かくても「そこそこ豊かに暮らせる」日が来る

代わって小規模な会社や個人が消費者と直接結びついて、ニッチなサービスを請け負ったり、嗜好性の高い商品を少量つくったりするといった商形態が主流になっているのではないでしょうか。

一方で、人はベーシックインカムがありますから、仮に働かなくてもそこそこ豊かな生活ができるはずです。向上心のある人は、自己実現のために個人間でモノやサービスを売買したり、小規模な事業を起こしたり、場合よっては起業を試みるといったケースも増えるでしょう。

このようにAIやロボット化された社会と、ベーシックインカムの相性は素晴らしく、上記のような明るい近未来がやってくるのかもしれません。少なくとも私たちの意思で、そのような社会をつくることはできると僕は思います。

一緒に歩もう!小富豪への道』(2018年8月22日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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