株式市場の主役はAIや機械に取られ、無人トレードの残高は2018年には2,000兆円規模になったと推測されています。個人投資家はどう立ち向かうべきでしょうか。(『証券アナリスト武田甲州の株式講座プライム』)
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投資家は用心しつつもアクセルを踏むべきタイミングに来ている?
「上げ過ぎ」「下げ過ぎ」が頻発する
株式市場の主役は、人ではなく、AIや機械を使った取引に移行しています。
その残高は2017年に1,800兆円、2018年には2,000兆円規模になったと推測されています。
多くの運用会社がAIや機械取引を採用していますが、そのプログラムは似通ったものになっています。そのため売買が一方向に偏りがちになります。
運用残高が増えるにつれて、AIや機械取引の影響は高まって値動きは増幅されています。
上昇相場は上げ過ぎて、下げ相場は下げ過ぎるという局面が多くなってきています。
クリスマス・ショックは「超・特異日」だった
一般の個人投資家としては、どうしたらよいのか?
結局、AIや機械取引に勝つには、そのような「上げ過ぎ、下げ過ぎの癖」を見抜いて、裏をかくようなことをするしかないように思います。
昨年12月25日には日経平均が1,000円安となりましたが、この日の騰落レシオは、
25日ベース:65.64
15日ベース:35.27
という数値でした。
65.64は2018年の最低で、
35.27はこの10年間で最低というものでした。
また、日経平均のPERは10.71倍、PBRは0.99倍という数値でした。
12月25日はテクニカルでもバリューでも、超の付くような「スペシャルな日」というものでもあったのです。
このように「無人トレード全盛」で行きすぎた相場が多くなってきています。また、日中の値動きも大きくなってきています。
特段の材料はなくても、個別銘柄の値動きは増幅されやすくなっているのです。多くのAIや機械取引は、そのような値動きを加速するプログラムが仕込まれているのです。
Next: 個人投資家はどう立ち向かうべきか? 裏をかいて勝利する方法とは
個人投資家はどう立ち向かうべきか?
個人が負けないようにするには、その裏をかくしかありません。
日々の取引では「売り」「買い」だけでなく、「休む」ことも重要です。指値を思い切り高くしたり安くしたりすることもよいでしょう。
またAIや機械取引といっても、そのプログラムの大半は、順張り(=相場の勢いの流れに乗る「モメンタム」)のプログラムとなっています。
したがって、その流れに乗ることも良い方策の1つです。かんたんに言えば、無理に逆張りをしないで、順張りをすればいいのです。
個人投資家はアクセルを踏むべきタイミングに来ている?
直近、1月18日の騰落レシオは12月14日以来。久々に80台に乗せてきました。足元では米中通商摩擦の大幅緩和への期待が高まってきています。
今週1月21日以降のマーケットは、18年末の総悲観状態からの完全脱却が期待されます。
無人トレードは、それを一段加速するかもしれません。用心しつつもアクセルを踏むべきタイミングに来ていると思います。
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『証券アナリスト武田甲州の株式講座プライム』(2019年1月21日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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