ベトナム・ハノイで行われた、米朝首脳会談での「決裂」に焦点があたっています。しかし、敵国同士ですから、話はそう簡単ではなく、かつてのベトナム和平交渉に比べれば、まだまだ序の口といえるでしょう。(『ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!』児島康孝)
有料メルマガ『「ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!」連動メルマガ』好評配信中。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
米国は朝鮮半島から撤退させられる?東アジア覇権争いの正念場に
ベトナム和平交渉でも5年かかった
ベトナム・ハノイで行われた、米朝首脳会談での「決裂」に焦点があたっています。
敵国同士なのですから、この対立は、序の口といえるでしょう。
かつてのベトナム和平交渉でも大揉めが続いたのですから、交渉はこれからもまだまだ続くということです。
ベトナム戦争の際の「パリ平和協定」は、1973年1月27日に調印されましたが、パリでの和平会談はおよそ5年の交渉となっています。
ベトナム戦争の和平会談では、交渉のテーブルの形を円形にするか長方形にするかで大揉めとなったことは有名な話です。
米朝会談の場合はそこまでではないにしても、そう簡単な話ではありません。
今回は、トランプ大統領が成果を急いで「大盤振る舞い」をするのではないかと危惧されていましたが、トランプ大統領は、その点はきっちりしていたということです。
核武装した「高麗(南北統一国家)」危険視の可能性
アメリカが朝鮮半島の非核化を巡って厳しい姿勢を取り続けている背景には、核武装した、現代版「高麗(南北統一国家)」が出現することを考えているのでしょう。
あいまいな姿勢で米朝の話を終え、南北統一国家ができあがりますと、核武装した現代版の「高麗」が出現することになります。
そうなるとアメリカは、東アジアにおいて、核兵器を持つ中国と、さらに核兵器を持つ「高麗」の、2つの国に対処しなければならなくなります。
中国と「高麗」が歩調を合わせて、勢力を拡大することも危惧しなければなりません。
ですから、「高麗」が核武装しないように交渉をまとめることは、アメリカにとって非常に重要なポイントといえるでしょう。
Next: ベトナム和平交渉と同じく、米国は朝鮮半島から退場させられるのか?
ベトナムから撤退させられたアメリカ
ベトナムは、最終的に北ベトナムが統一することになりました。これは、アメリカも身をもって知っている、体験していることです。
1973年1月27日に「パリ和平協定」が調印され、アメリカは1973年3月でベトナムから撤退。しかし、その後も規模を小さくした南北ベトナム間の事実上の戦争状態は続きました。
結局、2年後の1975年3月に北ベトナムが攻め込み、アメリカが支援していた南ベトナムの首都サイゴンが同年4月に陥落。
その後のベトナムが、現在の姿です。
ですからアメリカも、そう簡単には話を進めるわけにはいかないのです。
当時のベトナムと交渉したキッシンジャー氏が、トランプ政権のご意見番
さらに、ベトナム和平交渉をニクソン政権のもとで当時行ったのが、キッシンジャー氏です。
キッシンジャー氏は、トランプ政権の「ご意見番」的な存在と言われています。
ですから、今回の米朝首脳会談での「決裂」は、こうした面からも序の口ということになるでしょう。
有料メルマガ『「ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!」連動メルマガ』好評配信中。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>
※初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込324円)。
- 誰も言わない、南海トラフ地震と日銀保有株のリスク(2/26)
- ホンダの英国工場の撤退発表、なぜこんなタイミング?(2/22)
- 英国政府のEU離脱案、258対303で否決(2/15)
- 英国のEU離脱案、下院で再び否決の雲行き(2/14)
- 実は、数字に「うるさい」海外投機筋(2/8)
- 急展開!ベネズエラで金の持ち出し騒動(2/1)
- FRB「利上げ休止」に、マーケットは典型的な反応(1/31)
- 欧州・日本で、中国の景気減速の影響拡大か(1/27)
- 乱高下するNYダウ。再び2万4000ドル超に(1/25)
- アメリカの富裕層が、慈善団体を設立し、巨額の寄付をするわけ(1/20)
- ロシア機の墜落は、大きな背景はないようだ(1/18)
- メイ首相の不信任案は、否決(1/17)
- メイ首相のEU離脱協定案、432対202の大差で否決(1/16)
- 英国よる7時(日本時間16日午前4時)に採決予定(1/15)
- JOC竹田会長に、フランス当局が贈賄容疑(1/11)
- 少し気になる「アメリカ国務省が中国渡航情報を更新」(1/6)
- NYダウ、660ドル安。2019年は、円高・株安の年に(1/4)
- NYダウは、激しい乱高下。最後の「踏み上げ」があるパターンも(12/28)
- 【緊急市況】NYダウ1000ドル超の暴騰、日経平均先物2万円に(12/27)
- 【緊急市況】日経平均が暴落、前場1000円超の下落(12/25)
- 【緊急市況】クリスマス大暴落で、日経平均先物1000円近い下げ(12/25)
- FRBボルカー議長(当時)辞任は、なぜ起きた?高金利と経済の関係(12/21)
- 【速報】NYダウ、「フラッシュクラッシュ」の下側に入る(12/18)
- ブンデスバンクショック走る!欧州市場が全面安(12/14)
- (速報)メイ首相、信任される(12/13)
- (速報)日本時間3時からメイ首相の信任投票(12/13)
- 【速報】マクロン大統領、最低賃金100ユーロ上乗せなど発表(12/11)
- 【速報】メイ首相、11日夜の下院「ブレグジット投票」延期(12/11)
- ファーウェイ(HUAWEI・華為技術)ショックが市場を席捲(12/7)
- (緊急速報)中国の通信機器大手ファーウェイCFO、米国の要請でカナダ当局が逮捕(WSJ報道)(12/6)
- 円高・株安に中期見通しを変更(11/30)
- (号外)ドイツ銀行に家宅捜索。株価は「破たんレベル」(11/29)
- パリが「炎上」。マクロン大統領への抗議デモが大規模化(11/25)
- 中期の景気サイクル「終わりの始まり」(11/23)
- 日産ゴーン会長逮捕、これは「クーデター」か(11/20)
- ブレグジットで英国大混乱、メイ政権はどうなる?(11/16)
- 【速報3】ブレグジット閣議了承、英議会は不透明(11/15)
- 【速報2】ポンド乱高下、記者会見中止などで混乱(11/15)
- 【速報】英国ブレグジットで、日本時間23時にメイ内閣が閣議(11/14)
- 【NY1】アメリカ中間選挙で、トランプ大統領の自由度に制約(11/9)
- 共和党は、上院過半数維持も、下院は厳しい結果に(11/8)
- NYハドソン川で、サウジ姉妹の遺体みつかる、心中か(11/3)
- サウジ事件は波及する?ソフトバンクの巨額「ビジョン・ファンド」強みと弱み(11/2)
- 【速報】アメリカ・ピッツバーグで、ユダヤ教徒など11人射殺される(10/28)
- カショギ氏の遺族、サウジ出国し、アメリカへ。不透明感がマーケットに暗い影(10/26)
- やはり、キーマン動く。サウジ皇太子とムニューシン財務長官が会談(10/23)
- (号外)サウジ、カショギ氏の死亡確認。18人拘束、高官解任(10/20)
- カショギ氏事件に、ユダヤ人脈が反応(10/19)
- ポンペオ国務長官がリヤドに到着。流動的な情勢続く(10/16)
- NYダウ、下げ止まりの様子。警戒するのは、FRB利下げ(10/12)
- (号外)IMF世界経済見通し、きょう日本時間午前10時に発表予定(10/9)
- IMF、世界経済見通しを下方修正か(10/5)
- 日米貿易協議は、無難に着地も、トランプ大統領に微妙な変化(9/28)
- 安倍首相の総裁3選、NYダウ26000ドルが示すもの(9/21)
- 不穏な動き続く、シリア情勢(9/14)
- やはり、日本のデフレは、災害か戦争で終わるのか?(9/7)
『ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!』(2019年2月28日号)より抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による
無料メルマガ好評配信中
ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!
[無料 日刊]
FRB緊急利下げへ」「日銀マイナス金利」をヒットさせた腕を生かし、海外投機筋、米・欧・日の中央銀行の最新情報をメルマガで!まぐまぐ殿堂入り、MONEY VOICE掲載メルマガ。為替FX・株式・資産運用のヒントに、一味違うメルマガ情報。※号外広告あり