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独身では生き抜けない国になった日本。「結婚しない」選択がもたらす悲惨な未来=山本昌義

「皆が結婚する時代は終わった」と言われていますが、将来を考えると未婚のリスクは決して小さくありません。日本は少子高齢化で、独身では生きられない国になっています。(『婚活FP山本の実例分析書 ~運命の出会い、その先を見据えて~』山本昌義)

プロフィール:山本昌義(やまもと まさよし)
山本FPオフィス代表、CFP。商品先物会社、税理士事務所、生命保険会社を経て2008年に山本FPオフィスを設立。現在は「婚活FP」を名乗り、婚活パーティ等を企画しながら婚活中の方、あるいは結婚直後の方など比較的若年層の精神面・経済面双方の相談業務をメインにこなす。中立性の確保の点から、一切の商品・代理店は扱っていない。

未婚は自殺行為?独身増加で結婚しなくても大丈夫と思うのは危険

どんな人と結婚しても失敗しそう…

婚活ファイナンシャルプランナーとして活動する私のもとに、30代前半の独身女性から「結婚相手」について相談を頂きました。「どんな人と結婚すればいいか分からなくなった。どんな人なら大丈夫?」という内容です。

何でも、当メルマガの記事や周囲の失敗談を聞くうちに、どんな人と結婚しても失敗しそうに感じてしまい、結婚そのものに戸惑ってきたそうです。

う〜ん…。少し負の面ばかりを考えすぎでしょうか。警戒や選別は大切なものの、結婚そのものがダメという訳でもありませんよ。

今回は、結婚とお相手の基本についてお伝えします。

独身では人生を生き抜くのは困難

さて、まずは基本ですが、「独身では人生を生き残るのが限りなく困難」という点を忘れないようにしましょう。

おそらく、今はピンとこない理屈でしょうね。これは現役中がどうこうという話ではなく、現役時代が終わった後の老後の話になります。

結婚していなければ、強制的に独居老人ですが、その時の収入源は、か細い1人分の年金のみです。働くにも限度があり、とても100歳まで働けません。仮に働けても、せいぜい80歳が限度でしょう。

でも、結婚していれば年金も2人分入りますから、何とか生き抜ける可能性も出てきます。現役中の蓄えも多くできるのでなおさらです。

もちろん、今時は結婚しても離婚の可能性もあり、熟年離婚の可能性も残ってしまいます。このため、結婚すれば良いというものでもありません

でも、結婚しないなら独居老人が確定となります。仮に誰かとルームシェアのようなことができても、お金の問題まではシェアできないでしょう。シルバー婚活が成功しても、シェアできないことも…。

今どきの結婚は、「したい人がする」「幸せになるため」でなく、「不幸にならないために必要なこと」とさえ言えます。

まず、この基本原則は忘れないようにしましょう。

Next: 「〇〇な人と結婚すれば大丈夫」という法則など存在しない



「〇〇な人と結婚すれば大丈夫」という法則など存在しない

さて、並行的に大切なことなのですが、「『〇〇な人と結婚すれば大丈夫』という法則など存在しない」という点を理解しておきましょう。

これこそが、人間関係の難しさでしょうね。

きっとあなたも1度や2度、ふとした些細なことで、友人関係が壊れたこともあるのではないですか?中には恋人関係が壊れた方もいることでしょう。

イケメンと付き合っても別れた人もいますし、お金持ちと結婚しても離婚した人もいます。優しさや気遣いにあふれる男性と結婚しても同じです。

中には「〇〇さえ良ければ…」と考える人もいますが、実際には多くの場合、他のマイナスに耐えられずに別れていることも多いのではないでしょうか。

一方、かといってすべてが良い相手であっても、今度はその良さが不倫などを疑う理由になりえます。もっとも、すべてが良いという男性が独身のまま残っているかも疑問ですし、さらにあなたを選ぶかどうかも分かりません…。

そもそも交際中は誰もが好かれたい一心で、何かとネコを被って努力するのが一般的ですが、その努力は永遠には続かないことが普通といえます。無理をしていたなら、なおさらでしょうね。

男女交際は、狐と狸の化かし合いとはよく言ったものです。

だからこそ最後の拠り所は「あなた自身」といえます。不確かな中でも自分が信じた男性を素直に受け入れ、あとは歩み寄りの精神で結婚しましょう。

どんな人と結婚すればいいのか?

どんな人と結婚したらいいか分からない…。多くの婚活中の方が悩むポイントでしょうね。

ひとまず、少なく見積もっても、「結婚しない選択肢」はなるべく控えましょう。女性だっていつまでもモテるものでもありませんし、選べるうち・選ばれるうちに結婚することを勧めます。

ただ、どんな男性が適当かは誰にも分かりません。明確な指標めいたものも事実上、存在しません。強いて言えば、それこそ「選別眼が大事」です。

自身を冷静に考え、それに合う男性を考え、そのうえで婚活に励んでいきましょう。

Next: 未婚は自殺行為?「結婚しない」がもたらす悲惨な現実とは



「皆が結婚する時代は終わった」と言われているが…

さらに、30代前半の独身女性から相談を頂きました。「私はモテないし、結婚したいとも思わない。結婚しなきゃダメですか?」という内容です。

何でも、当初から恋愛や結婚を拒否しつつもそれなりに今まで幸せに普通に生きてきたが、当メルマガでも紹介した前述の相談内容を読んで、急に不安になったとのこと。

「皆が結婚する時代は終わった」と言われているなか、確かに、ここまで説明した内容はそれに反するものですよね。ただ、世の中そう都合よくは変わっていません…

なので、世の中の変化と結婚しない対処法について、その基本をお伝えします。

「結婚しなくても大丈夫」の嘘

さて、まずは基本ですが、「世の中は、むしろ悪化する方向で変わってきた」という変化の方向性を理解しておきましょう。

確かに大衆心理として、結婚しない人が増えたのなら、「結婚しなくても大丈夫」などと考えるでしょう。

ですが、冷静に世の中の変化を考えてみませんか?

現代でも未だにバブル絶頂期の頃を基本としますが、当時は年金も退職金もがっつり貰え、それでいて現代ほどは長生きしませんでした。

しかし、現代の老後はなんと言われているでしょうか?

老後破産下流老人などという言葉が生み出されましたが、将来的な年金は減額の方向性が止まらない時代です。退職金など夢物語、それでいて寿命だけが伸びています。

「死ぬまで働く」にも、会社員には「定年」がありますし、その後は、将来的にはバイトすら無い可能性も高いです。だからいま、外国人の受け入れ議論がされていますよね。

仮に働けても、せいぜい80歳が限度でしょう。ですが人生100年時代、まだ20年も死ねません。

もちろん、定年までに十分な貯金をするのも厳しいです。実際問題、60歳頃にいくら貯まってそうですか?

現役時代には、基本的に「終わりの時」がある訳です。今、結婚したいか否かではなく、先々を見据えて、結婚するしないは考えていきましょう。

Next: 結婚に勝る将来対策はほぼない? 親の小言は正しかった…



結婚に勝る将来対策はかなり限られている

大切なのは、「結婚に勝る将来対策はかなり限られている」という点も理解しておくことです。

結論から言えば、結婚に代わる一番の対策としては、経済力を備えたフリーランスや自営業者になります。あとは優れた能力者・技術者になることでしょうか。

定年がなく、60歳以降も十分に稼げるのであれば、80歳程度まで存分に稼いで貯金できます。しかし…これを実現できるのは一部の人でしょう。

普通の会社員が普通に仕事をがんばるだけでは、何の対策にもならず、少々の経験や資格があっても同じです。現在65歳まで雇用延長もありますが、仮に70歳まで伸びても、60歳で給料が下がれば延長期間に関わらず変わりません。

つまり「結婚しない・できない」のであれば、「独立・起業」こそが生き延びる数少ない選択肢です。

例外があるとすれば、親からの十分な相続が期待できるか、あるいは投資で十分な利益基盤を作ることでしょう。

言い方を変えれば、結婚しない選択は、独立するに等しいほどの重い選択といえます。

どのように人生を生きるかは、あなたの自由です。ただ、先の先まで人生を幸せに生きる前提で考えれば、「結婚」こそが一番簡単な方法ではないでしょうか。

結婚自体、相手があることなのでできないことも多く、したところで離婚や不仲の可能性もありますが、それでも、他の選択肢よりは実現性も高いのでは?

結婚は、するしないの単純な選択肢ではなく、その先々まで考えて判断していきましょう。

「結婚したいとも思わない」が増えている

モテないし、結婚したいとも思わない…。男女を問わず、こういう方は増えていますね。

ただ、少なくとも増えているから大丈夫と考えるのは、むしろ時代の流れに逆行した考え方といえます。現代は一人では生き抜けない程に不況になりましたから、まずは改めて時代の変化と結婚の価値を考えましょう。

その上で、結婚しないなら相応の対策が必要であり、独立などを筆頭に対処するのなら問題ありません。しかし、そういった対処に自信がないのであれば…。

少なくとも今なら、まだ結婚も選択肢に入るでしょう。強制的に選ばされる前に、自分で選べるうちに、自分の意思で「人生をどう歩むか」を考えましょう。

image by:MAHATHIR MOHD YASIN / Shutterstock.com

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婚活FP山本の実例分析書 ~運命の出会い、その先を見据えて~』(2019年3月15日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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婚活中の方、ご成婚された方 こんにちは。婚活FP山本と申します。 昨今は空前の婚活ブーム! …引いては婚活が厳しい時代です。 ご結婚に至っても、3組に1組は離婚する時代。 大変な時代ですね。 ここでは、私が実際にお受けした相談内容を元に 男女の心理差や経済的な側面を主として なぜダメなのか?どうすれば良かったか?を分析し 実例として、皆様にお届けさせて頂きます。 なお、私は「現実的な結婚」を支援しています。 そして、実例は男女の本音が登場します。 このため、皆様の夢を打ち砕く内容も多いかと思いますが ご容赦の上でお読み頂き、ご活用下さい。

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