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ジョージ・ソロス氏による人民元と香港ドルへの挑戦は成功しない=人民日報

中国共産党の機関紙『人民日報』は26日、最近ソロス氏が空売りした通貨を人民元、香港ドルと仮定し、人民元と香港ドルに対する挑戦は確実に成功しないと主張した。(『【DZH】中国株マーケット&ニュース』)

中国共産党がアジア通貨ショートの著名投資家・ソロス氏に反論

「人民元と香港ドルに対する挑戦は確実に成功しない」

中国共産党の機関紙『人民日報』は26日、米著名投資家のジョージ・ソロス氏がアジア通貨を空売りしたと伝わったことについて、商務部研究院研究員による「通貨戦争の対中宣戦布告?」と題された記事を掲載し、ソロス氏の見方に反論した。

記事では、ソロス氏が空売りした通貨を人民元、香港ドルと仮定し、ソロス氏の人民元と香港ドルに対する挑戦は確実に成功しないと主張した。

記事は、中国経済のファンダメンタルズは比較的良好としたほか、経済成長率の伸びも米国を大きく上回ると説明。

中国マクロ経済の安定性は多くの先進国よりもはるかに優れていると強調した。

人民元為替レートについては、昨年以降、人民元相場は対米ドルで小幅に下落しているものの、人民元は1994年の1米ドル当たり8.6187元から2014年の1米ドル当たり6.1428元まで20年近く上昇を続けたと指摘。

対米ドルでこれだけ持続的に上昇した通貨は稀だとして、足元の下落は正常との見方を示している。

また、中国は世界第2位の経済大国であり、人民元が永久に米ドルにペッグするのは不可能と指摘。中国は金融政策の独立性を保つため、一時的な為替変動を受け入れるとしたほか、市場参加者もいずれ小幅な変動に慣れ、現在のような過剰反応も少なくなると予想した。

上海総合指数 週足(SBI証券提供)

このほか、米ドルは今後も長い間多くの新興国通貨に対し上昇を続けるが、人民元に対して上昇を続けるのは難しいと指摘。理由として、中国の貿易黒字が拡大を続けていることなどを挙げた。

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「中国経済のハードランディングは不可避」ソロス氏の今のポジションは?

ソロス氏は21日、スイス・ダボスでのブルームバーグのインタビューで、中国経済のハードランディングは不可避との見方を示した。

ソロス氏は「(ハードランディングは)予想ではなく、実際に見たものだ」とコメント。

ただ、中国は3兆米ドルに上る外貨準備高を保有するほか、政策余地もあるとして「最終的には解決可能」と述べた。

自身のポジションについては、米国債を買っているほか、S&P株価指数を空売りしていると明かした上で「株は買い時ではない」と述べた。

人民元/円 週足(SBI証券提供)

アジア通貨を対米ドルでの下落を見込んだ取引を行ったとも語ったという。

ソロス氏は「相場は常に間違っている」というのが持論の著名投資家。ソロス氏は1992年、ユーロの前身である欧州為替相場メカニズム(ERM)の下で過大評価されていると判断した英国の通貨ポンドを英金融当局の為替介入に対抗して大量に売り浴びせ、ERM脱退へ追い込んでいる。以来、「イングランド銀行を負かした男」と呼ばれている。

【関連】表に出せない中国の厄介な問題~習政権に入り込んだイスラエルのモサド

【DZH】中国株マーケット&ニュース』(2016年1月27日号)より一部抜粋
※チャートと太字はMONEY VOICE編集部による

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