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日・台・韓・北が三下り半。「見放された中国」が歩む崩壊への道=落合陽平

1月16日に行われた台湾総統選挙は独立派の蔡英文氏が勝利を収めた。そして今、日本はもとより、友人だったはずの韓国北朝鮮までもが中国と距離を置き始めている。(『落合王子のマネーアカデミー』落合陽平)

中国との「決別」に動き出した日本・台湾・韓国・北朝鮮

台湾が親中国路を完全に否定

1月16日に行われた中華民国(台湾)総統選挙、および中華民国立法委員選挙(日本の国会に相当)では民進党が大躍進、民進党の蔡 英文(さい えいぶん)が総統となった。

今回の選挙はいわゆるダブル選挙となり、総統を決める他、立法委員も同時に決めるものとなった。

結果的には蔡主席が得票率56%を占め与党国民党を圧勝、立法院選挙でも民進党が過半数を大きく上回り、協力していた「時代力量」と合わせると、113議席中73議席を獲得した。

今回の選挙結果は何を意味するだろうか。

蔡主席は選挙中、中国との関係についてはあくまで「独立でもなく統一でもない現状維持」を訴えてきた。

この言葉に隠された意味は、台湾は中国の一部にはならない、つまり民主主義国であり、独立国であり続けるということを示している。

ここが決定的に国民党とは違う。

例えば中国は1992年の中台交渉(通称「92年コンセンサス」)のなかで、台湾も「1つの中国」という考え方を認めている、と主張している。

だが、蔡主席が率いる民進党は「92年コンセンサス」そのものの存在を認めていない。

馬英九政権率いる国民党がこれまで進めてきた親中国路を完全に否定している、それが民進党の主張である。

今回大差で圧勝した民進党、そして新進気鋭の「時代力量」が主張するのは、あくまで「独立国としての台湾の維持」である。民意は中国との決別を選択した。これは中国にとって決してうれしい話ではないだろう。

そして、あろうことか中国と決別を図っているのは台湾だけではない。

日本はもとより、友人だったはずの韓国北朝鮮が中国と距離を置き始めている。

Next: 日本・韓国・北朝鮮の「中国離れ」はここまで進んでいる



中国商務省によれば、去年1年間の日本からの投資は、前の年より25.2%のマイナスになったと発表し、3年連続の前年割れとなった。

中国商務省いわく、日本の景気が悪いことが原因とのことだが、年初以来サーキットブレイカーを発動させまくっている中国にそれを言えた義理はないだろう。

北朝鮮については、6日の水爆実験(4回目の核実験)を中国に通告せずに行った
とされている。中国サイドは、北朝鮮に対し核実験をしないように働きかけていたにも関わらず、様々な支援をしてきたにも関わらず、完全無視でぶっ放してしまったのである。

習近平国家主席としては「なんでやねんっ!」という気持ちであろう。

そして韓国。先日の慰安婦問題(はないのだが…)に関する日韓合意をみても、おそらく韓国として、あまり中国依存はしない方がよいだろう、という想いが透けて見える。

経済的に衰退しているのは誰が見ても明らかなため、政策として舵を切らなければならない、という上で日本へ働きかけてきたのではないだろうか。

先日、中国は2015年の経済成長率を6.9%と発表した。だが、これを本気で信じている業界関係者(エコノミストや経済評論家)はまずいないだろう。中国の外貨準備も驚愕のペースで減少している。

ギリシャがユーロを離脱しない限り復活しないのと同じように、中国は現在の政治体制、世界への圧力、そして嘘で塗り固められた数字を改善しない限り、崩壊への道は止まらないだろう。

【関連】表に出せない中国の厄介な問題~習政権に入り込んだイスラエルのモサド

落合王子のマネーアカデミー』(2016年1月25日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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これまで1000世帯以上のライフプランニングを手掛けてきた若手ファイナンシャルプランナー「落合 陽平」がお届けする”お金”と”経済”のはなし。フラットな立場で、ライフプランに役立つ情報から、世界の政治経済まで、「誰にでも分かりやすく」をモットーに、独自の視点で「お金」の本質を解いていきます。学生から今一度勉強したい大人まで、これを読めばニュースの本質が分かる!

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