ハーレー・ダビッドソン社は2019年販売予想を下方修正すると発表。世界的に、ターゲットである40代中年には、高級バイクを買う余裕がなくなってきています。(『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』)
※本記事は、『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』2019年8月2日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
グラフでわかる高級バイクの凋落ぶり。今後はローン破産が激増?
5年連続の販売台数減少
ハーレー・ダビッドソン社が2019年販売予想を下方修正するとの報道が出ています。海外のニュースを翻訳しながら、内容について解説します。
Harley-Davidson社は2019年販売台数について、予想以上の販売減少になると発表。
その理由として、全世界で起きている関税戦争と中年世代の需要の減退を理由に挙げた。
2019年通年の出荷予想台数を、21万7,000台から21万2,000台へと、前回の予想より5,000台引き下げた。
昨年の出荷実績は22万8,051台であったので、かなりの減少となる。
2014年は26万7,999台であったので、5年連続の減少である。
2019年第2半期の全世界販売台数は前年同期比で8.4%減少。米国市場販売台数は同じく8%減少。欧州では12.5%の減少となった。
出典:Harley-Davidson cuts forecast after motorcycle sales slump – NEW YORK POST
販売台数の減少が止まらない
最新の2019年第2四半期の業績グラフを紹介した方が状況がよくわかります。
<(ア)米国市場の販売台数比較>
X軸は左から、2018年第2四半期、2019年第2四半期、2018年上半期、2019年上半期です。いずれも減少しています。
昨年上半期は7万5,800台だったのが、今年は7万900台で6.5%の減少。昨年は8.7%の減少でした。
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欧米ともに売れなくなってきている
<(イ)排気量601CC以上の車種での米国市場占有率>
販売台数と同様にいずれも減っています。
昨年上半期は49.2%だったのが今年は48.3%と大きく減らしました。
<(ウ)排気量601CC以上の車種での欧州市場占有率>
昨年上半期は10.4%でしたが、今年上半期は8.8%に減っています。
オートバイ・ローンの返済遅延が増加中
<(エ)同社オートバイ・ローンの1か月以上の返済延滞率>
2012年第2半期以降上昇傾向になったままです。この中の半分以上がごく近い将来に返済不能になります。
<(オ)オートバイ・ローンの返済不能・破綻率>
同社の業績の悪化につながります。返済完了と踏み倒しになるのでは、利益面で天と地の差が出て来ます。
Next: 世界的にバイク離れが加速。メインターゲットのアラフォー世代に余裕なし
世界的にオートバイ離れが加速している
販売台数が減少を続けているのは、40歳前後の中年のオートバイ離れが大きいのです。
この世代は非正規就職者が多くなった時代で、可処分所得が低いからなのです。
結婚できない!子どもを持てない!オートバイなんかとっくの昔に諦めている世代だからです。
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・生産販売実績/国家方針に従って、進んでいる(8/20)
・リスク管理は必要か/供給不足で御免なさい(8/19)
・資金流出(8/18)
・来ました金利逆転(8/17)
・BRICSは米ドルを捨てたい/目減りする預金 対 金利を生まない黄金色の金属(8/16)
・ドイツ新車販売/フランス新車販売/スペイン新車販売(8/15)
・豪州新車販売/プーチンの努力/利益が出ているのに首切りは何故?(8/14)
・カナダ新車販売/メキシコ新車販売(8/13)
・米国新車販売実績/トラック クラス8(8/12)
・資金流出(8/10)
・ブリオン・バンク倒産と銀価格の大きな変動(8/9)
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・中央銀行金準備売却合意の停止決定(8/5)
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・5年連続、ハーレーも駄目/米国消費不況(8/2)
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※太字はMONEY VOICE編集部による