117円を超えない限り米ドル/円の戻り高値は限定的?正五角形の黄金比率で相場を読み解く「ペンタゴンチャート」の第一人者・川口一晃氏による最新の各通貨ペア分析をお届けします。(☆ペンタゴンチャート分析<為替編>)
ペンタゴンチャートの見方
(1) ローソク足(値段)は各辺に沿って動いたり、各点に引き寄せられる
(2) 各点が変化日になる
(3) 各点に引き寄せられたもののその点に到達できなかった場合には反転する
(4) 中心点の上方を通過すれば次のペンタゴンは上方か真横、下方を通過すれば真横か下方に付く
(5) 時間の逆行は起きてはいけないこととされている
米ドル/円の下値は112円、117円を超えない限り戻りは限定的か
米ドル/円(USD/JPY) 落ち着いた動きか
先週のレポートでは、AEラインに注目した。AEラインを維持することで、下げ止まりから落ち着いた動きになっていくことが期待されたからだ。実際には、AEラインを超えて、先週丸にはBEラインそしてCEラインを超えてきた。
次の注目日は3月2日前後である。
B点水準:約113円25銭
C点水準:約116円
D点水準:約120円50銭
今週のポイントは落ち着いた動きから堅調な展開につながるのかということである。
あくまでも個人的見解
BEラインに注目したい。下値支持線となったBEラインを維持することで、少なくとも底堅い展開が続くことが期待されるからだ。
値動きのポイント
下落エネルギーの強い相場が続く中、落ち着いた動きから戻り高値を試す動きになってきた。軟調な展開に戻った場合の下値の第1メドは112円前後を考えたい。
なお、下落エネルギーから上昇エネルギーへの転換のポイントは赤丸水準の117円を終値で超えることである。すなわち、117円を終値で超えない限り基本的には下落エネルギーの強い相場が続き、戻り高値も限定的となることが考えられる。
現在のシナリオ
下落エネルギーが強いのだが、底堅い動きが続く可能性がある。上述したように、上値抵抗線BEラインそしてCEラインを超えてきた。また、下値支持線AEラインが控えている。そして、ミニダブルボトムを形成した可能性もあるからだ。ただし、赤丸水準に到達するのは難しいであろう。
第2シナリオ
軟調な展開が続く可能性はある。上値抵抗線DEラインが控えている。D点以降も上値の重たい展開が続いているからである。下値のメドは青線水準の112円前後。
なお、MACDは買いシグナルが点灯し、堅調な展開になっていくことを示している。スローストキャスティックスの数値は依然と売られ過ぎ状態にいるのだが、やや上向きになってきた。
ユーロ/米ドル(EUR/USD) 流れが変わった
先週のレポートでは、ACラインに注目した。堅調な展開が続くのであれば、ACラインから下放れることなく、ACラインに絡んだ動きが考えられたからだ。しかし、実際にはACラインから下放れ、週末には1.10ドルを終値で割り込み、エネルギーも転換することになった。
次の注目日は3月9日前後である。
A点水準:約1.125ドル
B点水準:約1.06ドル
今週のポイントは軟調な展開になっていくのかということである。
あくまでも個人的見解
B点に注目したい。先週末に到達したB点が位置する時間帯、すなわちペンタゴンのど真ん中の時間帯を通過することで新しい流れが鮮明になってくるのか否かがポイントになるからだ。
値動きのポイント
上昇エネルギー相場から下落エネルギーの強い相場に転換した。下値の第1メドは1.075ドル前後と考えている。赤丸水準の1.12ドルを終値で超えることが出来ると上昇エネルギー相場へと転換することになる。
つまり、1.12ドルを終値で超えない限りは基本的には下落エネルギーの強い相場が続くことになる。
現在のシナリオ
上値の重たい展開が鮮明になっていく可能性がある。B点が位置するペンタゴンのど真ん中の時間帯にかけて同事線が頻発し、下げ止まると思いきや、ど真ん中の時間帯に大きな陰線が出現した。また、上値抵抗線ACラインも控えているからである。下値のメドは青線表示の1.075ドル前後。
第2シナリオ
底堅い動きを見せる可能性も残っている。まず、下値支持線BCラインが控えている。また、直近の中段のもち合いの水準が下支えする可能性もあるからだ。
なお、MACDは下落トレンドが続いている。スローストキャスティックスの数値は下落が続き、売られ過ぎ状態に接近してきた。
Next: ユーロ/円 下げ止まるか|豪ドル/円 もち合いを形成か
ユーロ/円(EUR/JPY) 下げ止まるか
先週のレポートでは、BCラインに注目した。上値抵抗線であるBCラインを超えていくことが出来れば、下げ止まりから落ち着いた動きになっていくことが期待されたからだ。しかし、実際には、ACラインに引き寄せられるかのように下落が続いた。
次の注目日は3月4日前後である。
A点水準:約123円
B点水準:約128円
今週のポイントは下げ止まりから落ち着いた動きになるのか否かということである。
あくまでも個人的見解
128円
値動きのポイント
下落エネルギーの強い相場が続いている。安値を更新すると次の下値のメドは121円前後を考えたい。上昇エネルギー相場に転換するポイントは赤丸水準の128円を終値で超えることである。すなわち、128円を終値で超えることが出来ない限り、下落エネルギーの強い相場が続くことになろう。
現在のシナリオ
上値の重たい展開が続く可能性がある。上値抵抗線BCラインが控えている。しかも、先週末にはそのBCラインの手前で同事線が出現している。上値も下値も右肩下がりに推移しているからである。下値のメドは青線表示の121円前後。
第2シナリオ
下げ止まりから落ち着いた動きになっていく可能性も出てきた。下値支持線ACラインが控えている。また、下ヒゲの長いローソク足を示現しながらもACライン水準を維持しているからである。
なお、MACDは下落トレンドが続いているが、MACD自体は横這いになってきた。スローストキャスティックスの数値はひと桁の売られ過ぎ状態まで下落した後、上昇に転じた。
豪ドル/円(AUD/JPY) もち合いを形成か
先週のレポートでは、ACラインに注目した。上値抵抗線であるACラインを超えていくことが出来るのか否かがポイントになったからだ。実際には、ACラインを超えて右上に新しいペンタゴンが描き足されたが、横這いのもち合いが続いている。
次の注目日は3月7日前後である。
A点水準:約84円50銭
C点水準:約76円
今週のポイントはこのままもち合いが続くのかということである。
あくまでも個人的見解
ACラインに注目したい。先週末にACラインを超えて取引を終えているが、上述したようにもち合いが続くのかそれともACラインに絡みながら軟調な展開になっていくのかがポイントになるからだ。
値動きのポイント
下落エネルギーの強い相場の中、上値の重たい展開が続いている。下値のメドは76円前後を考えたい。上昇エネルギーへの転換のポイントは赤丸水準の83円を終値で超えていくことである。すなわち、83円を終値で超えることが出来ない限り弱気相場が続くことになろう。
現在のシナリオ
上値の重たい展開が続く可能性がある。ACラインに到達すると同時に陰線が出現している。上値抵抗線ABラインが控えているからである。下値のメドは青線表示の76円前後。
第2シナリオ
堅調な展開になっていく可能性も出てきた。ACラインを超えて右上に新しいペンタゴンが描き足された。また、ダブルボトムを形成したと見ることもできるからである。
なお、MACDは横這いであったのが、やや上向きになってきた。スローストキャスティックスの数値は50%の手前で横這いになっていたのだが、上昇し始めた。
Next: ポンド/円 下げ止まるか|スイスフラン/円|NY金
ポンド/円(GBP/JPY) 下げ止まるか
先週のレポートでは、下げ止まりから底堅い動きになるのであれば、ABラインに沿った展開が期待された。しかし、実際にはABラインから大きく下放れ、下値支持線であったADラインをも割り込んでしまった。
次の注目日は3月7日前後である。
A点水準:約159円
B点水準:約165円
C点水準:約152円
今週のポイントは下げ止まることが出来るのか否かということである。
あくまでも個人的見解
ADラインに注目したい。下値支持線として期待されたADラインではあるが、週初に割り込んだ後は、ADラインが上値抵抗線になっている。よって、このADラインを超えることが出来ない限り上値の重たい展開が続くことになろう。
値動きのポイント
下落エネルギーの強い相場の中、下値を探る展開が続いている。下値のメドは152円前後を考えたい。なお、下落エネルギーから上昇エネルギー相場へと転換するには赤丸水準の166円を終値で超えることが必要となる。すなわち、166円を終値で超えることが出来ない限り、直近の下落エネルギー相場は続くことになろう。
現在のシナリオ
上値の重たい展開が続く可能性がある。前述したように、下値支持線と期待されたADラインを割り込んだことで、真下に新しいペンタゴンが描き足された。また、ADラインを超えたとしても上値抵抗線BDラインが控えているからである。下値のメドは青線表示の152円前後。
第2シナリオ
堅調な展開になっていく可能性も出てきた。C点が位置するペンタゴンのど真ん中の時間帯に安値を示現。しかも下ヒゲの長いローソク足も出現している。そして、下値支持線CDラインも存在しているからである。
なお、MACDは下落トレンドを示しているが、MACD自体は下げ止まりから横這いになってきた。スローストキャスティックスの数値は10%前後の売られ過ぎ状態で横這いになっている。
スイスフラン/円
NY金 週足
『☆ペンタゴンチャート分析<為替編>』(2016年2月28日号)より一部抜粋
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