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世界が注目する3人の大暴落予測 近づく「ダウ6000ドル時代」の生き残り方

「株式は30~50%、ドルは20~30%暴落」「NYダウは6000ドルへ」「歴史上、最も巨大な富の破壊になるだろう」――いま世界が注目する3人の天才、ボー・ポルニー、ハリー・デント、エゴン・フォン・グレヤーズ各氏の恐るべき予測をご紹介します。(『カレイドスコープのメルマガ』)

※不許複製・禁無断転載(本記事の著作権はメルマガ著者および当サイトに帰属します。第三者サイト等への違法な転載は固くお断り致します)

「3人の天才」が描く悲劇のシナリオ、生き残る投資家の条件とは

投資家は、マイナス実質金利がもたらす恐ろしい世界を知らない

中曽日銀副総裁が、こっそり「マイナス実質金利」という言葉を使って声明を出しました。

「量的・質的金融緩和(QQE)で実質金利マイナス圏内、民間需要を刺激し、景気は緩やかな回復、物価基調も改善」とし、さらに追補として「2017年度前半頃に物価安定の目標である2%程度に達すると予想」とも。
【発言】中曽日銀副総裁「QQEで実質金利マイナス、民需刺激」=追補

たった数行ですが、この意味を本当に理解した投資家は、迫りつつある世界的な経済大災害を、それなりに乗り切ることができるでしょう。

そうでない人は、最悪の場合、植物図鑑を片手に、道端の雑草を手でかきわけながら食べられる草花を選り分けているかもしれません。それが、東京五輪後に、じわりじわりやってくる世界です。

そうなったとき、人々が助け合うことができるようにしておくために、この記事を書いているのです。

年明け早々、世界の株式市場が大暴落したとき、株式投資を行っている投資家が、まっさきに資産を避難させた先が「金(ゴールド)市場」でした。

去年夏の上海市場大暴落以来、国内外の市場は激しい乱高下を繰り返すようになっていました。この動きの意味を悟った敏感な、それもごくごくわずかな投資家は、株式市場の終焉が近いことを悟ったはずです。

彼らは、慌てて保有していた株式の一部を売り払って、その資金を「金ETF」などの金価格に連動した上場投資信託に振り向けたことも、株式市場の下落に拍車をかけた要因の一つでしょう。もっとも、今のところ、影響は微々たるものですが。

つまり、今後、国内の株式市場が大きく下落する場面が続くと、こうした「金の指数」を株式と同じようにネットトレードで売買したり、いったん市場から投資ポジションをはずして、金の現物(金地金や金コイン)に振り向ける、といったパターンが株式投資家の間で見られるようになる、ということなのです。

この現状を日銀は反転させて、株式市場に、新たな投資家が大挙して参入する状況を作りたいのです。そのためのマイナス金利の導入なのです。<中略>

すでにマイナス実質金利の状態にある米国と日本。今後、この両国がどうなっていくのか、以下に恐ろしいシミュレーションを紹介します。

ボー・ポルニーの予測「2016年中、米国株式、ドルとも暴落。株式は30~50%、ドルは20~30%暴落

まず、米国についてですが、米国の株式市場に関する先行き予報が、いくつか出ています。

貴金属投資情報サービスを提供しているGold 2020 Forecastの主宰者、ボー・ポルニー(Bo Polny)が2月14日に出した予測は具体的です。要点は以下。

「2016年10月頃には、株式、ドルとも暴落。株式は30~50%、ドルは20~30%暴落と金(ゴールド)は2倍になる」と予想

――株式投資家は、2月末までに市場から撤退しないと大きな損失を追うだろう。今年10月頃には、米国株式市場とドルは同時に暴落し、新たなドル札も印刷できなくなる。

株式市場は、30~50%下落し、ドルも20~30%下落するだろう。株式市場は必ず崩壊する。

金の価格が上がっているということは、株式市場の崩壊が迫っていることを暗示している。予想は、今年の10月までに金(ゴールド)の価格は2倍になる、だ。

これは、金融大崩壊のプロローグに過ぎない。

株式市場が崩壊すると、世界中で暴動や紛争が勃発するようになるかもしれない。それは10月頃なのか…。

だから、投資家は、ドルや国債といったペーパー・マネーに見切りを付けて、金(ゴールド)に目を向けるようになるはずだ。

デリバティブ・バブルも今年の1月にピークをつけた。今回の金融崩壊は、2008年の(リーマンショックが引き金となった)危機より大きな破壊力を持っている。結果は、相当、悲惨なことになる。

ポルニーは、高度な数学を使って相場の周期性を分析しているサイクリカル・アナリスト(Cyclical analyst)。

彼の予想は脅威的な的中率を誇っており、最近では「2015年11月に市場のメルトダウンが起こる」(ソース)と予想して、時期と規模まで的中させています。(メルマガ第129号「11月に、米国株、米ドル、米債券市場のメルトダウンが始まる!?」)

Next: ハリー・デントの予測「NYダウ6000ドルへの、まさに悪夢の始まり」



ハリー・デントの予測「NYダウ6000ドルへの、まさに悪夢の始まり」

ジム・ロジャーズやハリー・デント(Harry Dent)の予測は凍り付くような内容です。

経済学者にして人口統計を使って経済予測を行うを“経済の未来予報士”として有名なハリー・デントは、2008年の世界的な金融危機を正確に予測し、中国バブルの崩壊も言い当てましたが、彼が予測した2014年よりも1年遅れました。

それでも、彼は「仰天するほどの正確さ」で、依然として評判の男です。

ハリー・デントの今回の予測は、「3月上旬から、リーマンショックを超える金融危機が起きる危険性がある」というものです。

ハリー・デントは、「NYダウは、今後1年~1年半で5500ドル近辺まで暴落する恐れ」があると言っており、そうなった場合、下落率は65%以上。NYダウと連動性の高い日経平均にあてはめると5600円近辺になるということになります。

また、2013年12月のビジネス・インサイダーには、

人口統計学による米国の最悪の経済動向は、2014年から2019年の間に襲ってくるだろう。米国経済は、2015年初めまでに大なり小なり、崩壊の憂き目にあうだろう。そして、2017初めから2019年初め、遅くとも2020年初めの間に、もう一度経済崩壊するだろう。

と、大胆な予測を乗せています。

いまのところ、市場崩壊の直前に急激に上昇するVIX指数は、16.70(2016年3月4日)と、かなり安定しており、米国・株式市場に崩壊の兆候は見られません。ただし、凪(なぎ)のような市場の状況から、再び「3月利上げ」懸念が再燃しており、今月15、16日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)の決定に焦点が集まっています。

さらに気になるのが、米国の不動産市場で、短期の住宅転売により利ざやを稼ぐ動きが過熱していることです。

住宅の短期所有、短期売買の件数は、過去最高だった2005年の水準を超えてきており、住宅バブルの破裂によっては、今回も、サブプライム・ローン破綻と同じパターンになりそうです。悪いことに、その規模は想像できないほど大規模になります。

FOMCで利上げが決定的となれば、その瞬間、株式市場は暴落し、不動産バブル破裂の引き金を引くことにつながる可能性もあります。

そのとき、ハリー・デントの予測は当たることになるでしょう。

ハリー・デントの「3月上旬から、リーマンショックを超える金融危機が起きる危険性がある」との予測について、さらに詳しい記事が、3月2日のEconomy Markets Dailyに掲載されています。

Next: ハリー・デント「住宅価格は、今後数年かけて40%ほど下落する」



要点は以下です。

最近の市場崩壊は、NYダウ6000ドルへの下落のまさに悪夢の始まり

――投資家たちは、われわれが経済の冬にいるということに、ようやく気が付き始めたようだ。

今、さまざまな問題が、いっせいに降りかかっている。

需要の低迷、コモディティ価格の下落、その他のすべてを犠牲にして輸出を促進するための通貨切り下げ…。

ハリー・デントは、最近のビデオ・プレゼンテーションで、「今後数年は、米国の経済史においてもっとも辛い時期になる」、そして「経済と人口統計学上の最悪の嵐が吹き荒れる」と警告している。

「住宅価格は、今後数年かけて40%ほど下落する…そして、失業者が急増…多くの州と地方自治体はデフォルトを強いられ、その間、連邦政府の赤字額は、1.5兆ドルから2兆ドルに急増する」とデントは予測している。

どうやら、私たちは、デントが「もの凄い大恐慌」と呼ぶものに刻一刻と近づいているようだ。

「不況は、まだ終わっていません。ローンの225兆ドルのうちの100兆ドル、そして、世界中の債券と株が消失します」とデントは言う。

そして、「これは世界中で破壊の波を誘発しながら、世界的なスケールで起こる」とも。

この殺人的な経済の嵐を回避するために、ほとんどの投資家がすでに、何らかの措置を講じていると期待したいものである。

ハリー・デントは、前もって準備し、自身の投資ポジションをしっかり決めている人々は、年々、特定の暴落関連の投資を通して数百万ドルを儲ける機会を持っている人たちだ、と言う。それは、いつからなのか…。

これは、「2020年の前半から2022年の後半の間に始まるであろう」と彼が予想している次の長い間の投資ブーム・サイクルだ。

出典:Economy Markets Daily

ハリー・デントの警告の要点は、迫っている金融恐慌によって「世界中の株、債券は価値がなくなるので、今のうちに相場からいったん出て、資金を温存しておくべきだ。嵐が収まる2020年頃までは冬の時代。この時期にこそエネルギーを蓄えておくべきなのである」ということです。

Next: エゴン・フォン・グレヤーズの予測「無秩序状態とハイパー・インフレ」



エゴン・フォン・グレヤーズの予測「無秩序状態とハイパー・インフレ」

さて、すでに始まっている米国の経済崩壊、そして、それが世界規模で波及していくときいったい何が起こるのか、ボー・ポルニーより、ハリー・デントより、さらに具体的な予測を出しているのが、お馴染み、エゴン・フォン・グレヤーズ(Egon von Greyerz)です。

エゴン・フォン・グレヤーズとは、スイス国立銀行(SNB)のユーロとのペッグ制の放棄を1年以上前に予測し、量的金融緩和を含む中央銀行の通貨政策とインフレに関する多くの予測を的中させてきた投資アナリストとして有名です。

彼は「全世界規模の経済崩壊」が近づいており、そのとき、「すべての中央銀行が倒産して、世界の金融システムは残存することができない」という不吉な警告を出しています。

エゴン・フォン・グレヤーズの見方は、「国際金融エリートは、グローバル・マーケットに世界支配計画を組み込んでいる」という点で一貫しており、確かに彼は「グローバル・エリートたちの奇妙な通貨戦争の本質」をよく見抜いています。

彼は、ロシアの英語圏向けニュース・サイト「RT」の経済・投資情報番組(マックス・カイザーがアンカー)を始め、多くのテレビ番組に登場しています。

グレヤーズの恐怖の予測については、メルマガで3度ほど取り上げてきましたが、特に金(ゴールド)によって、来るべく世界的な経済崩壊を乗り切るべきだ、と具体的に警告している記事には、第125号パート2の「現物ゴールドの絶対的不足/これからの2~3ヵ月は世界に衝撃が走る」があります。

ブログのダイジェスト記事はコチラにあります。

エゴン・フォン・グレヤーズは、昨年の10月、再びRTのマックス・カイザーの番組に出演したとき、米国と世界の近未来についてカイザーと議論しました。

そのときの内容が、貴金属投資情報専門サイト「KWN」などに引用されています。

これは、単なる陰謀論として片づけていいものではなく、今回のマイナス金利と狂気の通貨政策を発端として世界支配層が計画していることを解き明かすヒントになる動画です。

以下は要点です。

伝説の男が、来るべく社会の無秩序状態、ハイパー・インフレ、そして、経済の最終段階を警告する

エゴン・フォン・グレヤーズ(Egon von Greyerz)は、このグローバル・エリートたちの奇妙な通貨戦争の本質をよく見抜いているに違いない。

この男は、「シナリオ」に気がついている。

「グローバル・エリートは、密かに世界市場を本格的なパニックへ誘い込み、世界を支配する計画を忠実に実行している」と彼は言う。

エゴン・フォン・グレヤーズは、「私たちは、今、株式市場において完全なブル(強気)の罠を見ているのだ」と警告する。

以下は、彼が「RT」の番組で語っていることである(理解しやすいように多少、解説を加えてある)。

エゴン・フォン・グレヤーズがRTで語ったこと

年明け早々、NYダウが2450ポイント下落した後、1250ポイントほどリバウンドしたのを見た投資家たちは、「少し大きな株価の調整だった」と見ている。

悲しいことに、ほとんどの投資家は、この株価の回復で、誤った安心感に騙されているのである。

しかし、これは、トレンドが大きく反転するとこき起こることなのである。

投資家は、そのまま株式市場に居残るか、あるいは、FRBがもう一度、投資家を保護してくれるだろう、という根拠のない確信に背中を押されて、下げたところをリバウンド狙いで買い続けるのである。

しかし、米国の株式市場で7年の強気相場が続き、NYダウが3倍になった今、世界中で何兆ドルもの資産を破壊する本当のベア(弱気)市場が始まった。

この弱気市場が、完全に終わるまでには、世界的な株価指数の多くが、実質で、少なくとも80%から90%下落すると見込まれる。

Next: 「世界は歴史上、最も巨大な富の破壊を経験しようとしている」



そう、NYダウも日経平均も…10分の1になる…「まさか!」

しかし、1929年10月24日のブラック・チューズデー(ウォール街大暴落)の後、下降トレンドが3年も続き、NYダウは10分の1まで下落したのです。これは現実に起こりうることなのだ。

機関投資家とつながりを持っていない独立系のアナリストたちのコンセンサスは、「これからやってくる長期の株価下落は2008年の金融危機より、ずっと酷くなる」ということである。

1929年のブラック・チューズデーが再びやってくると考えることは常識なのである。

「投資家には絶え間なく、株式や債券、土地・建物などのバブル資産から出るように警告してきたが、結局、大部分の投資家は、これらのペーパー資産やバブル化した不動産が大底にたどり着くまで投資を続けていきそうだ」とグレヤーズは、いささか諦めた様子。

「世界は歴史上、最も巨大な富の破壊を経験しようとしている」と彼は言う。

銀行の預金者は、国債を買うよう強制されるだろう

こうしたバブル化した資産から抜け出るごくごく少数の賢明な投資家たちは、ペーパー資産と縁を切りつつある。

今まさに、西側の主要な政府同士による現金との戦いはトップギヤに入った。

先の上海G20では、「通貨安競争回避を確認した」と声明を出したものの、単なるセレモニーに過ぎない。

そうした国々の政府は、預金者の銀行からの引き出し限度額を制限することによって、今、手元にある現金を攻撃している。

たとえば、フランスとイタリアでは、引き出し限度額は1000ユーロ(約12万5000円)に制限されている。

また、銀行に置いてある預金は、ゼロ金利、あるいは、マイナス金利によっても攻撃されているのだ。

というわけで、多くの国では、銀行にお金を置いておく人は誰でも、銀行への口座管理料が引かれた後、元本が減っていることを確認している。

しかし、これは始まりに過ぎない。

大部分のこうした政府が、投資家の現金がここ数年で役に立たないようにしてしまうので、事態はさらに悪くなる。

まず、預金者は、増え続ける政府の財政赤字に融資させるために、国債を買うよう強制されるようになるだろう。

政府の借入が指数的に増加するので、これらの債券の価値は崩壊して、結局役に立たなくなるはずだ。

そして、次の段階では、各国の通貨は、自国通貨の印刷と野放図な信用拡大の重荷にたえかねて崩壊するだろう。

米ドルでも、ユーロでも、ほとんどの他の主要国の通貨も、本質的には価値がゼロに達するはずなのだ。

その上、銀行制度は、すでに積み上がっている1京5000兆円相当の無価値のデリバティブを排除したとしても、50対1のレバレッジを利かせた金融システムが続く限り、いつかは崩壊せざるを得ない。

つまり、預金者は、どれほどの資産を銀行に預けていても、すべての金融システムが崩壊してしまうので、消えてしまうだ。

そうだ、口座の残高が消えるのだ。

その後、誰一人として、引きはがされた自分の資産を取り戻すことはできないだろう。

そうした世界で年を追うごとに金持ちになっていく人々とは、債務超過の企業の破産処理を行う弁護士のような法律家と会計士だけだ。

彼らは優先債権者で、おそらく、労働の対価がきちんと支払われる唯一の職種の人々だろう。

彼らには、ほとんど生涯、安全で安定的な仕事があって、その他、大勢の人々より多くのお金を儲けることができるだろう。

そこで、銀行に預けてある資産がこうなってしまうことを回避するために、私たち何に投資しなければならないのだろうか?

Next: 経済崩壊した世界では、どんな事業の芽があるのか



経済崩壊した世界では、どんな事業の芽があるのか

いくつかの事業領域の人々は、来たるべき大不景気によって、逆に、今までより上手に立ち回ることができるようになる。

質屋も、そのひとつだろう。

多くの人々は、自分が持っている貴重品を質に入れなければならなくなるだろうから。

また、市民の多くは、生き残るために窃盗や強盗を働く犯罪者の脅威に晒されることになるので、警備産業は有望な事業領域である。

さらに警備産業の事業環境は、法秩序が破壊されしまっているので、他の事業領域より断然有利だ。

この事業領域は、セキュリティー・ガード、高度な電子機器を使った秘密情報収集システムにとどまらず、警報、ロック、防犯柵、門、ウインドウ・シャッターまで、防犯に関するすべてを含む。

そして、もうひとつの有望な領域は「農地」と「農業」である。

大規模な食物不足が起こる。したがって、食料品価格は品不足になって超インフレ状態を引き起こし、劇的に上昇するだろう。

思考が既成概念に縛られていない人々にとっては、経済崩壊はたくさんの事業機会を提供してくれることだろう。

反対に、従来、繁盛していた多くの企業とサービスは消えていく。

わずかな創意工夫のある人なら誰でも、沈むゆく既存の大企業のギャップを埋める小規模事業を立ち上げることができるだろう。

超インフレ下で資産を減価させず購買力を保つ最善の方法

超インフレで資産を減価させずに、どうやって温存すればいいかという立場に戻ると、資産を増やすというよりは、資産に保険をかけることが重要になって来るのだ。

そのベストな方法は、金(ゴールド)の現物と若干の銀(シルバー)を保有することである。

金と銀は、「正貨」と呼ばれているように、本物の現金そのものであり、常に売買されるという流動性を持っている。最悪の場合は、物々交換に使うこともできる。

金と銀のような貴金属は、数千年の間、社会の役に立ってきた。

金と銀は、購買力を維持することができるだけでなく、人々が予想しているより、ずっと早くやってくる大規模な金融危機において、実質的に評価される「富」なのである。

今日が、手頃な価格で金と銀を買う最後のチャンスになるだろう。

株式市場が、再びダウントレンドに入りそうなこれからの数週間は、金や銀といった貴金属の価格は加速度的に上昇すると考えられる。

経験ある投資家ほど、いくら強い金や銀といっても、一度は価格を下げる場面があるだろうと考えがちだ。

しかし、そう考えていると取り残されてしまうかも知れない。買いそびれてしまうほど速く上昇する可能性がある、ということだ。

投資家に必要なことは、金と銀は投資の対象ではなく、脆弱な金融システムに対する最強の保険であるという本質的なことを理解することである。

したがって、金と銀を買っておくことは、火事が起こる前に火災保険をかけておくようなものなのである。今、火事はいつ起こるかわからない状態になっている。

私(エゴン・フォン・グレヤーズ)は、今後5年間、紙幣、株、債券、土地などの資産、そして、絵画などの芸術品、その他すべては金と銀に対して90~100%減価すると見ている。

こうした予測は、大部分の人々が、全く信じがたいと一笑に伏すであろうことは承知している。

そう考えてしまうのは、この100年間、資産価格を増加させることができたのは、単なる投資のスキルの問題であって、実質的な価値を増加させてきたことにはならない、ということを多くの人々が認めてこなかったからなのだ。

この100年の間に起こったことは、ごく少数の人々が、銀行システム(最高50回まで預金者の金を転がして信用創造する仕組み)を使って巨額な富を築き上げてきたということである。

そして、自分たちが持ってもいない金を使い放題してきた無責任で無能な政府によって、国民の負債を野放図に、それも指数的に増やしてしまったということなのである。

各国の中央銀行は、無からお金を生み出す仕組みを最大限活用して、この痛みをさらに大きくしてしまったのである。

実体のない資産価格を生み出したのは、この銀行システムという詐欺の仕組みによる信用拡大なのである。

Next: 無政府状態と超インフレの次に来る「負債の帳消し」デフレの内破



無政府状態と超インフレの次に来る「負債の帳消し」デフレの内破

1913年の米・連邦準備制度理事会(FRB)の創設以来、世界の負債は、実質的にゼロから230兆ドル以上に膨れ上がった。

これには、1京5000兆円に上るデリバティブ負債分は含まれていない。

というわけで、私たちは、現在の金融システムを温存しようとして無駄なことをやり続けている政府によって、無制限のドル紙幣の印刷を通じて、何千兆円もの見かけ上の価値で膨らまされたバブルの世界に生きている。

しかし、そもそもが、こうした事態を生じさせた同じ方法によって問題を解決しようとしている矛盾に人々は気が付かなければならない。

それは、人々を病気にした病原体を使って別の病気を創り出し、その新しい病気を使って人々の病気を治そうとしているようなものなのだ。

さらにキツイ病にかかってしまえば、それまでの病気は、さして気にならなくなってしまうのである。

各国の政府と中央銀行は、それをやっているに過ぎないのだ。

紙幣を無制限に印刷して指数的に紙幣を増やすということは、実質的にすべての通貨を破壊して、社会のすべてのレベルで無政府状態を引き起こすことになる。

紙幣を刷り続けることは、世界が直面しようとしている壊滅的な危機を根本的には何一つ解決しないどころか、事態を悪化させるだけだ。

したがって、ハイパーインフレの期間が過ぎた後、すべての負債を完全に消滅させてしまうデフレの内破が必要となるのである。

このプロセスが最後まで終了するには、かなりの時間がかかるかも知れないが、私たちが想像しているより、かなり早く起こる可能性もあるのだ。

これだけ大規模のバブルがはじけたら、その致命的な影響がいつまで続くのか、その影響が最終的にどんな結果をもたらすのかを想像することさえ不可能なのだ――

つまり、マイナス金利の導入は、想像以上のインフレを誘発して、各国政府の債務を減価したり、金融機関を計画的に破綻させて、ベイル・インなどによって預金者のお金を収奪し、さらにその後、過激なデフレに誘導することによって、ロスチャイルド、モルガン、ロックフェラーといった世界政府主義者であるハザール・マフィアの失敗の穴埋めを、世界各国の国民の富を取り上げることによって成し遂げようという壮大なたくらみである、ということなのです。

あなたは、備えるべきです。銀行預金をスッカラカンにされる前に。

【関連】2020年「預金封鎖」への道~国民に牙をむく政府・日銀の秘められた計画

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