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ブランディング Research Memo(8):歯科医院、外壁塗装業者及び地域特化型不動産事業者の3業種を深掘り

■ブランディングテクノロジーの中長期の成長戦略

4. 成長戦略3:「業界・業種特化でノウハウを確立する」
このテーマで言う「業界・業種特化」の取り組みは、効率性を上げるとともにノウハウが蓄積できるため、前述した経営コンサルティングの領域へと進出する足掛かりとなる可能性がある。その意味で、弊社ではこの取り組みに注目したいと考えている。

具体的には、歯科医院、外壁塗装業者及び地域特化型不動産事業者の3つの業種を想定している。これらは、同社が創業期から専門ポータルサイトの運営などを通じて顧客を積み上げてきた業種でもある。2019年3月末現在で、歯科医院1,300顧客、外壁塗装業者500顧客、地域特化型不動産事業者300顧客を有しており、これらから得られるデータを活用して、ソリューションの充実、ひいては新規顧客獲得の加速へとつなげていく方針だ。

この成長戦略は、タテ展開、深掘り、というものだが、今後は業種・業界のヨコ展開も論点となってくるだろう。同社の経営サポート契約企業数は現状約3,000社であり、そのうち2,100社が前述の3業種で占められている。残りの900社の業種別内訳は様々で、上記3業種のような大きな区分けはないと見られる。また同社自身も、第4、第5の特化業種を形成する計画は現時点ではないもようだ。しかし、今後の業種別集積度合いによっては、ヨコ展開のチャンスも拡大してくる可能性があり、今後の推移を見守りたいと考えている。

成長の最大のカギは人材。成長戦略の実現に貢献できるフロント人材の育成を急ぐ
5. 成長戦略4:「継続的なフロント人材育成」
同社の事業モデルにおいては、営業の最前線に立つフロント人材の獲得・育成が、同社の成長戦略成否を握るカギであることに議論の余地はないだろう。

同社はフロント人材の理想像として、1)人間性、2)マーケティング思考、3)プロジェクトマネジメント力、4)コミュニケーションスキル、5)プレゼンテーション能力、の5つの要素を兼ね備えた人物としているが、そうした人材は外部から獲得することは簡単ではないため、自社での育成が重要になってくる。

この点について同社では、人材定義から始まり、スキルセットの定義・可視化、研修プログラムの実施、OJT・戦力化という流れで臨む方針だ。しかし一方で、同社が自社の事業ドメインをどの方向に拡大させていくかを含めて成長戦略を練り直している状況にあることは、前述のとおりだ。この議論の方向性次第では、同社のフロント人材の理想像、ひいてはその育成プログラムの中身も変わってくる可能性がある。人材の重要性は不変だが、人材強化プランの詳細は今後の展開を待ちたい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

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