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新興市場見通し:マザーズ手控え続く、直近IPO銘柄への高評価や材料・テーマで物色

先週の新興市場では、マザーズ指数が4週連続の下落となった。中国で発生した新型肺炎の拡大に主要企業の決算発表を控えたスケジュールも相まって、株式市場全体として様子見ムードが強く、マザーズ指数も週半ばまで800pt台に位置する25日移動平均線を挟みもみ合い。週末にかけてメルカリが下げ足を速め、マザーズ指数を下押しした。一方、日経ジャスダック平均は小幅ながら16週連続の上昇となった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.9%であったのに対して、マザーズ指数は+1.7%、日経ジャスダック平均は+0.1%だった。

個別では、前述のメルカリが週間で7.5%安。スマートフォン決済のOrigamiを買収すると発表したが、市場は業績懸念が拭えないようで売りがかさんだ。フリーも利益確定売り優勢で同8.8%安。一部証券会社が中位の投資判断を付与している。一方で同じ昨年12月上場のJMDCは騰勢を強め、同16.0%高となった。マザーズ売買代金上位ではUUUMなどが軟調で、旅工房が週間のマザーズ下落率トップだった。反面、強気の投資判断が観測されたJTOWERやメドレーは買われ、BuySell Technologiesが上昇率トップとなった。ジャスダック主力ではハーモニック・ドライブ・システムズが同1.1%安、セリアが同4.8%安と軟調。セリアは弱気の投資判断が観測されている。ワークマンも同0.1%高にとどまった。売買代金上位では、ウイルス対策関連との位置付けから産業用マスクを手掛ける興研や重松製作所に買いが殺到。また、除菌製品を販売する中京医薬品は1週間で株価がおよそ2.1倍となった。反面、小倉クラッチは先週前半まで続いた買いが一巡すると急反落し、投資判断引き下げ観測の東洋合成工業も軟調。また、今期減益予想の協和コンサルタンツなどが週間のジャスダック下落率上位に顔を出した。

今週の新興市場では、マザーズ指数が戻りの鈍い展開となりそうだ。JMDCやメドレーといった昨年12月上場組の一角などに買いが入っているものの、マザーズ指数への影響が大きいメルカリは下げ止まりの兆しが見出せない。直近で1日のマザーズ売買代金は700~800億円程度まで減少しているが、2月に入ってから発表が本格化する新興企業の決算への警戒感も出てきて、積極的な買いは手控えられそうだ。比較的値動きの軽い材料株、テーマ株の短期物色が中心となるだろう。

今週は、1月27日に弁護士ドットコム、28日にマクアケ、31日にユナイテッド、セリア、東映アニメーション、テクノホライゾンHD、santecなどが決算発表を予定している。弁護士コムは投資強化フェーズにあり、増収ペースの高さを維持できるかが焦点となる。昨年12月上場でクラウドファンディング運営のマクアケも成長期待をつなぐ内容か注目したい。

IPO関連では、コーユーレンティア(2月7日、ジャスダック)が1月28日、ジモティー(2月7日、マザーズ)が29日までブックビルディング期間となっている。また、先週はAHCグループ(2月25日、マザーズ)、Kids SmileHD(3月4日、マザーズ)の新規上場が発表されている。今年3~4番目の案件となる。

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