マネーボイス メニュー

楽観禁物だが決算を手掛かりとした物色など市場正常化を意識【クロージング】

29日の日経平均は反発。163.69円高の23379.40円(出来高概算10億3000万株)で取引を終えた。28日の米国市場では、テクノロジー企業への決算期待からNYダウは187ドル高と上昇。また、取引終了後に決算を発表したアップルは、売上高、1株利益ともに予想を上振れており、時間外取引で上昇して推移していたこともあり、シカゴ日経225先物清算値(23340円)にサヤ寄せする格好から買いが先行した。その後、旧正月明けの香港市場への警戒から、一時23214.28円と下げに転じる局面もみられた。

しかし、急ピッチの下げに対する売られ過ぎ感も意識されるなか、その後は再び上昇に転じている。後場は50円程度と狭いレンジでの取引ではあったが、新型肺炎の感染拡大を警戒しつつも、本格化する決算を手掛かりとした物色がみられるなど、相場に落ち着きがみられており、後場半ばには23400円に迫る局面もあった。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1000を超えたが、値上がり値下がり数はほぼ拮抗。セクターでは、33業種全てが上昇しており、海運、鉱業、証券、ゴム製品が堅調。半面、ガラス土石、その他金融、倉庫運輸が小幅な上昇だった。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ、ソフトバンクG、東エレクがけん引。一方で、アドバンテストが冴えない。

ファーストリテの動きをみる限りにおいては、インデックス主導の自律反発といったところであろう。日経平均は前日までの下落でボリンジャーバンドの-3σ水準まで下げていたこともあり、いったんは反転が見込まれるところ。とはいえ、前日に割り込んだ75日線からのリバウンドにより、引き続き支持線として意識されてくることになりそうだ。

また、信越化、エムスリーといった決算を手掛かりとした物色がみられたことは、市場が正常化に向かっているとみることが出来そうだ。新型肺炎の感染拡大は引き続き警戒されるところではあるが、感染封じ込め後の回復を意識したスタンスに向かうかが注目されるところであろう。

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。