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薬味多めで:東京個別指導学院<4745>を徹底企業分析【FISCOソーシャルレポーター】

以下は、フィスコソーシャルレポーターの薬味多めで氏(ブログ「個人投資家最前線」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2020年1月23日7時00分に執筆

おはようございます。薬味多めでです。

ベネッセホールディングスの子会社で、学習塾を展開する東京個別指導学院。長期的に保有できる銘柄なのか、本日は徹底的に調べていきたいと思います。

■注目している基本の3項目

私は個別株に投資する際に、はじめに下記の3つのポイントに適合しているかどうかをチェックします。

1)主力製品、サービスに意義があり、実需が存在する実業である事、つまりは、主観的に好感が持てる商売をしていること。
2)業界が右肩上がりであること、または、高いレベルで安定している事。つまりは、売り上げと利益増が今後も見込めること。
3)株主還元スタイルを取っていること。

少子化により対象人口の減少が続く中にあっても、学習塾を利用する生徒数は年々増加しており、子供の教育費に関しても減少傾向は見られないようです。同社は主力の個別指導塾事業に関し、今後は新教育制度改革への対応やITを活用した新しい指導方法等を積極的に取り入れ、質の高い教育サービスを展開していく計画としています。株主還元に関しては、配当性向50%以上を維持する方針を掲げています。

顧客対象となる人口が減少している事から業界の拡大についての2)には若干不安が残るものの、1)3)についてはおおむねあてはまると考えました。

■業績・財務についての分析

▽連結業績の推移(単位は百万円)
決算期/売上高/営業利益/経常利益/当期純利益
15.2/15,717/1,724/1,729/1,075
16.2/17,094/2,217/2,223/1,383
17.2/17,909/2,305/2,308/1,438
18.2/19,175/2,634/2,636/1,744
19.2/20,397/2,790/2,793/1,932

売上高、利益共に過去5年間前期比でプラス成長を続けています。

1月9日に発表があった決算発表では、3Q経常利益は12.90億円となり、通期計画に対する進捗率は44.8%。同社は学習塾という特性からか2Qおよび4Qに業績が集中する傾向があるため、通期ではほぼ会社計画通りの着地となるのではないかと見込んでいます。

▽PERとPBR、ミックス係数(1月22日終値で計算)
PER(20.2期会社予想):20.76倍
PBR(19.2期実績):4.41倍
ミックス係数:91.60

目安となる基準のPBR1倍以下、PER15倍以下、ミックス係数11.25以下にはあてはまらないので、同社株式は割安とは言えなさそうです。

▽キャッシュフロー(CF、単位は百万円)
決算期/営業CF/投資CF/フリーCF
15.2/1,509/-4,483/-2,974
16.2/1,644/-513/1,131
17.2/1,490/3,675/5,165
18.2/2,366/-388/1,978
19.2/2,438/-379/2,059

15.2期こそ大きな投資を行ったのでフリーキャッシュフローはマイナスとなっていますが、以降4年間はフリーキャッシュフローがプラスの状態を維持しています。

■買いか?売りか?様子見か?

ここまで分析を行ってきましたが、個人的には現時点で買いたい銘柄だと考えています。

懸念したいのはミックス係数と配当性向の2点です。ミックス係数がバリュー投資とは言えない水準にあることに加えて、配当性向が高い(19.2期は73.1%、20.2期は73.0%予想)ので今後、収益の絶対額が伸びていかなければ配当利回りが高まる可能性は低いと考えることが出来ます。

現在の株価水準である700円台前半は、2015年~2016年のボックス相場の上限付近にあたります。長期のトレンドラインを考慮すると、600円台前半まで下がることも十分に考えられるので、後は値動きを見ながら、買いを入れるタイミングを図っていければなと考えています。

毎日執筆中のブログでは、チャート画像付きで株式市場で注目されているテーマ株や個別株などの分析を行っています。

一度ブログの方も覗いて頂けますと幸いです。

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執筆者名:薬味多めで
ブログ名:個人投資家最前線

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