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新興市場見通し:新興市場でもリスク回避ムード後退、決算と3月IPOの発表続々

先週の新興市場では、日経平均と同様にマザーズ指数も大きく値を戻した。新型肺炎の感染拡大や企業活動等への影響は続くものの、金融市場では過度なリスク回避ムードが後退し、中小型株にも押し目買いの動きが広がった。特にマザーズ時価総額トップのメルカリが決算発表による悪材料出尽くし感などから強いリバウンドを見せ、マザーズ指数を押し上げた。なお、週間の騰落率は、日経平均が+2.7%であったのに対して、マザーズ指数は+3.2%、日経ジャスダック平均は+0.7%だった。

個別では、前述のメルカリが週間で21.6%高。決算のほかNTTドコモとの業務提携を発表した。Sansanが同5.8%高、ラクスが同3.8%高とその他のマザーズ時価総額上位も全般堅調だった。売買代金上位ではJストリームが前の週末からの流れを引き継いで大きく上昇。また、スマートフォンゲームの共同開発を発表したAimingが週間のマザーズ上昇率トップだった。反面、週末に決算発表を予定していたミクシィは同0.9%安とさえない。また、決算発表後に大きく売られたホープなどが下落率上位に顔を出した。ジャスダック主力ではハーモニック・ドライブ・システムズが同6.8%高、セリアが同5.1%高と堅調。ただ、ワークマンは決算を好感した買いが続かず同2.4%安となった。売買代金上位ではセプテーニ・HDなどが買われ、日本ユピカが週間のジャスダック上昇率トップだった。反面、前の週までウイルス対策関連銘柄として賑わっていた中京医薬品、重松製作所、興研は軒並み5割前後の大幅下落となった。IPOでは今年最初の案件となるコーユーレンティアとジモティーの新規上場があり、レンティアが公開価格を3割強上回る初値を付けた。ジモティーは買い気配のまま初値持ち越しとなっている。

今週の新興市場では、マザーズ指数の持ち直しが続きそうだ。先週末の米国株を見ても、引き続き新型肺炎を巡る報道等に一喜一憂する場面はあると考えられる。直近数営業日のマザーズ売買代金は500億円台と低調で、やはり手控えムードが窺えるものの、堅調な株式相場全体の地合いに支えられてパニック的な売りは以前ほど出にくいだろう。メルカリが売り方優位の状況から脱し、SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)企業の株価も底堅い。

今週は、2月10日にハーモニック、ジャパンインベストメントアドバイザー、13日に日本マクドナルドHD、ラクス、そーせいグループ、メドピア、NITTOKU、14日にフリー、自律制御システム研究所、フェローテックHD、サイバーダインなどが決算発表を予定している。今週もフリーのほか、メドレーやランサーズといった昨年12月上場組の決算発表が相次ぐ。

IPO関連では、2月25日のAHCグループ上場を待つ形となる。そのAHCグループは12日までブックビルディング(BB)期間となっており、今週新たにカーブスHDなどもBB期間に入る。また、先週はウイルテック(3月6日、東証2部)など8社の新規上場が発表されている。3月のIPOは現時点で11社となっており、徐々にIPOラッシュの様相を呈しつつある。

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